【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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106章

元魔王様と冒険者の国 12

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 ルルネット達に続いてナキナも帰還する。

「皆帰っておったか。」

「お帰りなの。」

「ナキナ、同族には会えたの?」

「うむ、同族ばかりだと言うのに知らぬ者しかいなくて変な気分じゃった。しかし様々な事が聞けて楽しかったのじゃ。」
 
久しぶりに沢山の同族に会う事が出来て嬉しそうな様子だ。

「何か面白い事でも聞けたのか?」

「妾達の様な鬼人族の里と言うのは各国にそれなりにあるらしいのじゃ。滅亡寸前と思っておったが、同族が沢山いると知れただけでも妾は嬉しくてのう。」

 ジルの前世である元魔王ジークルード・フィーデンの庇護が無くなり、ナキナ達鬼人族は集落を隠しながら過ごしてきた。
徐々に数を減らしていき近い将来鬼人族は滅んでしまうかと思われたが、ジルのおかげで集落の安全が確保された。
ナキナがこうして恩返しの旅を出来ているのもその為だ。

 そんなナキナの暮らしていた集落に住む鬼人族達は自分達が最後の生き残りだと思っていた。
しかし実際はジャミール王国では無い場所で幾つかの集落を築き平和に暮らしていると言う。
それが聞けただけでも話した甲斐があったと言うものど。

「ナキナ、良かったわね。」

「うむ。しかし少し困った事もあってのう。」

 悩まし気な表情をしながら呟くナキナ。

「困った事?」

「妾のスキルがあるじゃろう?」

「占天術・回想の事か?」

「そうじゃ。シキ殿の話しでは始祖の血を濃く受け継ぐ者に発言すると言っておった。スキルに付いて話したら姫様と崇められてしまってのう。」

 今回訪れた鬼人族達の下には纏め役はいてもナキナの様な特別な力を持つ鬼人族はいなかった。
それでもスキルに付いて知っている者はいたらしく、ジャミール王国の集落に住んでいた頃にも増して姫扱いされてきたらしい。

「元々姫をしてたんだからいいじゃないか。」

「そうなんですか?」

 事情を知らないユメノが少し驚いている。
少し珍しい種族だがいない訳では無いので、普通の鬼人族の女性と思って接していたのだ。

「ユメノは知らなかったのね。ナキナってジャミール王国の鬼人族の里ではお姫様なんだってさ。」

「ナキナ姫なの。」

「こらこら、恥ずかしいから止めるのじゃ。散々恥ずかしい思いをしてきた後なんじゃから。」

 鬼人族達に姫様と崇められて恥ずかしい思いをしてきた後なのだ。
ジル達にまで姫扱いされるのは勘弁である。

「でも姫扱いは元々されてたんでしょ?」

「それは里にいた頃の話しじゃ。ジル殿達と行動する様になってから姫呼びされた事など一度も無かったからのう。」

「久しぶりで恥ずかしかったって訳ね。」

 それでもナキナは暫く集落を離れていたので懐かしい気持ちを体験出来た。
他国に同族がいると言う話しも皆が聞けば喜ぶと思うので、時間がある時にでも知らせに向かいたいと思った。

「そんな事よりも気になる話しを聞いたのじゃ。近々祭りが開催されるらしくてのう。鬼人族の皆も出場するらしく、妾もどうかと誘われたのじゃ。」

 どうやらナキナもイストール戦武祭に付いて聞いてきたらしい。
とても興味を持っている様子だ。

「イストール戦武祭でしょ?」

「もう皆知ってるの。」

「我とホッコは出場登録も済ませてきているしな。」

「ナキナももちろん出るわよね?」

「せっかく誘ってもらったからのう。妾達がどこまで戦えるのか試してみるのも面白いと思ったのじゃ。」

 そう言いながら自分の影を見る。
その中には従魔である影丸が入っている。

「妾達って事は従魔と出場出来る方か。」

「もしやジル殿達もそちらに出場するのか?」

「ああ、勝ち進めば当たるかもな。」

 ジルとホッコも出場予定だ。
勝ち進んで行けばジルとホッコ対ナキナと影丸と言う戦いも見られるかもしれない。

「ほう、これは楽しみになってきたのじゃ。」

「絶対に負けないの。」

「それは妾達もじゃ。」

 どちらもやる気を漲らせている様子だ。
二対二で戦う機会もあまり無かったので本気の戦いは大会が初めてになるかもしれない。

「ずーるーいー。私だけ従魔いないから参加出来無いじゃない。」

 ジル達が楽しそうに話していたのでルルネットが不満気に頬を膨らませている。

「ホッコと主様は個人戦の方にも出るの。」

「半ば強制ではあったがな。」

「ナキナも出なさい。私が大会で倒してあげるわ。」

 そう言いながら指を差している。
この気持ちは大会でぶつけて発散するしか無い。

「構わぬぞ。それにまだまだルルネット殿には負けられないのう。」

「私をあまり舐めないでよね。大会で思い知らせてやるわ。」

 ルルネットも気合い充分と言った様子だ。

「おおお!ここの人達が出るだけで大会大盛り上がりは確実ですね!」

「はい、とても熱い戦いが見られそうです。」

 闘志を燃やしている皆を見て大会を楽しみにするユメノとサリーだった。
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