【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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108章

元魔王様と毒沼地帯の戦い 3

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 奥に進むに連れて様々な魔物達が姿を現してくる。

「先の毒沼の中にポイズンフロッグが二匹いるわよ!」

「こっちはポイズンバットじゃ!毒状の霧を散布してくるぞ!」

「上も下も毒まみれなの!」

「手分けして片付けるぞ。」

 毒系の魔物が多くて厄介だが、ここにいるのは強者ばかりだ。
特に苦戦する事も無く魔物達を倒していく。

「ふぅ、こう多いと休む暇も無いわね。」

「ボス戦前に疲れちゃうの。」

 ルルネットとホッコが地面に座り込みながら言う。
連戦で疲労が溜まってきたのだろう。

「ホッコ殿、それなら妾がボス戦を変わりにやってもよいぞ?」

「それは駄目なの!」

 せっかくジャンケンで買ったのに一番のお楽しみを取られる訳にはいかない。
ホッコは気合いを入れ直して立ち上がる。

「ユメノ、大丈夫か?」

「はい、影丸さんのおかげで全く問題ありません。」

「ウォン。」

 いつの間にかユメノの周りは黒い天幕の様な物で囲まれていた。
それにより近くで戦闘があったとは思えない程ユメノは快適そうにしている。

「影でユメノを覆っているのか。器用な事をするな。」

「影丸は紳士じゃからな。」

「ウォン。」

 ナキナの言葉に頷いている影丸。
どうやらスキルを使って自分の影の形を変えてユメノの事を守っているらしい。
これなら魔物の攻撃が飛んできてもユメノは守られるだろう。

「そろそろ出発するか。」

「えー、もうちょっと休憩しない?」

 ルルネットが休憩の延長を希望してくる。
しかしルルネットがこれくらいで疲れるとは思えないので理由は別にある。

「お前は百足に会いたく無いだけだろう?」

「そ、そんな事無いわよ。」

「目が泳ぎまくってるの。」

「分かりやすいのう。」

 百足が苦手なので進みたくないと言うのが理由だった。

「お嬢様が戦う訳では無いのですから。ホッコ様が戦っている間は目を瞑っていれば、その内終わっていますよ。」

「それもそうね。ぱぱっと行って終わらせましょっか。」

 ここで時間稼ぎをしても行く事に変わりは無い。
それなら早く行って早く帰ろうと気持ちを切り替えた様子だ。

「それにここは魔物の出現数が多い。長く滞在すればそれだけ消耗する事になる。」

「それは滅多に冒険者が来ないからでしょう。ここは依頼にもある通りポイズンセンチピードの棲家です。Aランク上位の力を有する魔物なので入れる冒険者も限られてきます。」

「当然よね。Aランク冒険者でも単独なんて相当危険だわ。」

 エンペラーナがSランクに至った依頼と言う事で挑戦しようとする者も一定数いるが、ポイズンセンチピードに辿り着くまでの道中も危険なので、途中で諦めて帰還する者も多い。

「冒険者が近付かなくなれば魔物達にとっては安全な期間が続く事になります。」

「成る程な。そう言う期間が多いから数が溜まりやすいのか。」

「そう言う事ですね。なので冒険者が殆どやって来ない奥に進めば進む程、魔物の数は増えていく筈です。」

 入り口に近い場所でもこの数なのだ。
奥に進めば魔物の数は更に増えると言う。

「うへえ、まだまだいるなんて厄介過ぎる場所だわ。」

「まあ、依頼を成功させるには進むしか無いけどな。」

「頑張って倒すの。」

 道中で泣き言を言っている場合では無い。
早く進まなければまた魔物がやってきてしまう。
そうなれば消耗する一方だ。

「ホッコ殿はあまり戦わない方がいいじゃろう。道中は妾達に任せるとよい。」

「そうだな、ボスの為に余力は残しておいた方がいい。」

「ありがとうなの。」

 道中の魔物の相手はジルやナキナが引き受ける事になった。
これでホッコは体力や魔力を温存しておける。

「それにしても本当に多いのう。」

「もう直ぐ奥に辿り着くのではないか?」

 襲い掛かってくる魔物達を軽々と斬り倒しながらジルとナキナがユメノに尋ねる。

「いえ、地図にあった目印を先程見掛けましたので、まだ半分と言ったところです。」

「まだ半分!?どんだけ長いのよ!?」

 柵の入り口から入って体感30分は経った気がする。
それでも目的のポイズンセンチピードがいる場所まで半分しか進めていないとユメノは言う。

「戦闘ばかりで順調に進み続けている訳ではありませんからね。私達が進んだつもりになっているだけで、本来はそこまで歩けていないのでしょう。」

 次々に魔物が襲い掛かってくるので戦闘に時間を取られ続けている。
柵に囲われた毒沼地帯は広大と言う訳では無いのだが、思ったよりも進めていないのはそれが原因だ。

「やれやれ、あまり時間を掛けると日が暮れてしまう。こうなったら無理矢理進むとするか。」

 そう言ってジルは自分達を包み込む結界を展開するのだった。
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