【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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109章

元魔王様とイストール戦武祭 2

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 朝食を食べ終えたジル達はイストール戦武祭の会場に移動する。
出場選手や観客で凄い賑わいを見せている。

「人がいっぱいだわ。」

「お嬢様、逸れない様に手を繋いでおきましょう。」

「主様、ホッコも手を繋ぎたいの。」

「はいよ。」

「予選の対戦表の様な物はあるのかのう?」

「掲載されていた筈です。えーっと、こちらですね。」

 参加する種目の対戦表を探して移動する。
参加者が多過ぎるので手を繋いでいなければ本当に逸れてしまいそうだ。

「先ずは個人戦からか。」

「出場者が多いわね。何千人いるのかしら。」

「本当に一日で終わるのかのう?」

 この人数の戦いとなると信じられない程の時間が掛かりそうだと感じる。
一日で終わるのか怪しい。

「個人戦は他のものと比べても圧倒的に人数が多いので予選が少し特殊なんですよ。」

「他のとどう違うの?」

「個人戦の予選は乱戦ですね。百名程で一斉に戦って、残った数人が本戦に出場すると言う形式だったと思います。」

 前回までのイストール戦武祭の形式を思い出しながらユメノが説明する。
この人数でトーナメントなんてしていたらいつ終わるのか分からない。
なので個人戦の予選は大幅に人数が減らされるのである。

「え!?乱戦なの!?」

「生き残るのが難しそうなの。」

「それを突破した者だけが本戦に進めると言う訳じゃな。」

 ルルネット達は百人規模の乱戦なんてした事が無いだろう。
故に各々が予選をどう生き残ろうかと考えている。

「本戦は一対一なのか?」

「はい、予選通過者でトーナメントが組まれて優勝者を決めます。ちなみに予選での一時的な共闘は認められているので知り合いと同じ組になれば有利に進められたと思いますよ。」

 これにより強者が予選落ちをしてしまうと言う事もあるらしい。
それはそれで盛り上がるのでイストール戦武祭での共闘は問題無いそうだ。

「何ですって!それならジルと同じ予選になれば余裕って事じゃない!」

「我が守るかは分からないけどな。」

「薄情者!」

「冗談だ。」

 さすがに同じ予選に振り分けられれば多少は気にする。
問答無用で敗退させる様な事はしないだろう。

「ありました、対戦表です。」

 ユメノの指差す場所に個人戦予選の対戦表がずらりと並んでいる。
人数が多いのでブロックも相当数ある。

「妾は一番乗りの第一ブロックじゃな。」

「ホッコは第八ブロックなの。」

「私は第二ね。ジルは?」

「我は第十ブロックだな。」

 全員予選はバラけているが皆早めに行われる。
各闘技場に割り振られて同時進行で予選は進むので、仲間達の予選を見るのは難しいかもしれない。

「がーん。誰も被ってないじゃない。」

 予選で共闘が難しいと分かってルルネットが肩を落としている。

「各々で頑張るしかなさそうじゃな。しかし妾には影丸と言う心強い味方がおる。予選はもらったも同然じゃ。」

 そう言ってナキナは一人余裕の表情をしている。
従魔である影丸がいれば乱戦だろうと問題無い。

「言い忘れていましたが個人戦で従魔の参加は駄目ですよ。従魔戦が設けられているのはその為なので。」

「何じゃと!?」

 ユメノの言葉に驚いているナキナ。
影丸がいれば予選は楽勝だろうと思っていたのに参加は出来無いらしい。

「ナキナも油断出来無くなったわね?」

「なんの、影丸抜きでも妾は勝ち抜いてみせるのじゃ。」

「ウォン。」

 ナキナの影から少しだけ顔を出した影丸が頑張れとでも言う様に一鳴きする。
影丸としても主人であるナキナを手伝いたいところだが、それは従魔戦までお預けとなりそうだ。

「おいおい、見たか?第二と第十地獄だったぜ?」

「ああ、近隣諸国でも有名な高ランクの冒険者が固まっていたな。」

「それだけじゃ無いわよ。どっちもSランクが二人ずつって、生き残るのは至難の業だわ。」

「あっさり全滅させられて生き残りはSランク二人しかいませんって事になりそうだよね。」

「可哀想だけど他の種目で頑張ってもらうしかないね。」

 対戦表を見ていた参加者達が第二ブロックと第十ブロックに参加する者達を憐れむ様に話している。
どうやら強者が多く割り振られているらしく、中には複数のSランク冒険者までいるらしい。

 それを聞いた第二ブロックや第十ブロックの参加者と思われる者達が、膝から崩れ落ちたり発狂したりと既に勝負を諦めている様子だ。
それだけSランク冒険者とは次元の違う存在なのだ。

「ルルネット殿、妾達の応援を頼んだのじゃ。」

「ルルネットの分まで頑張って勝ち上がるの。」

「何で私がもう負けたみたいになってるのよ!やってみないと分からないでしょうが!」

 ナキナとホッコの哀れみの視線を受けて腕を振り上げて怒るルルネットだった。
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