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112章
元魔王様と新たなる国宝 5
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二人が鍛冶場にこもってから数時間、カンカンと剣を打つ音がずっと鳴り響いている。
ただ待っているのも暇なのでアルティンの荒れ果てた店を皆で掃除する事にした。
「ジル様、こちらもお願いします。」
「やれやれ、一体どれだけ溜め込んでいたのだ。」
入り口に運び出されてくる大量の酒瓶。
もちろん中身は空であり、鍛冶場のあちこちに転がっているのだ。
「鍛治師をしなくなってからずっとお酒ばかり呑んでいたらしいですからね。」
その数は軽く見積もっても百を優に超える。
さすがはドワーフ族である。
「それにしても空瓶を取っておく意味はあるのか?」
「意味は無いと思いますけど。捨てるのが面倒だったのでは?掃除も全くしていなかったみたいですし。」
箒を持っている者達が物を片付けた場所を一生懸命掃いているところだ。
掃く度に埃がどんどん出てくる。
「奥に行く程埃っぽいの。」
「こんな劣悪な環境でよく寝られたものじゃ。」
「けほっ、涙が出てくる。」
年代物の埃に皆苦戦している様子だ。
「お嬢様、あまり奥に行かれると埃まみれになってしまいます。そもそも雑事をお嬢様にさせるのはメイドとしては止めて頂きたいのですが。」
皆が掃除するのであれば自分もするとルルネットも箒を持って参戦したのだが、サリーとしてはお茶でもしながら待っていてもらいたかった。
「アルティンには最高の短剣を打ってもらっているんだもの。掃除くらい何でも無いわよ。」
普通の貴族の子女なら嫌がりそうな事だがルルネットは自ら行っている。
元々の性格から貴族らしく無かったが、ジル達と付き合う様になってからより一層その面が強くなった。
「しかしこの埃は本当に大変ですね。ジルさん、何とかなりませんか?」
「風魔法を使ってみるか?物が吹き飛ばないくらいであれば埃だけを吹き飛ばせるかもしれないぞ?」
「それは名案かもしれませんね。お願い出来ますか?」
「ならば全員外に出てこい。」
このまま箒で掃除していても終わりが見えない。
ジルの魔法で大体の埃を先に片付けてしまおうと玄関以外の窓や扉を締め切って外に出る。
「ブリーズ!」
ジルが空間把握を使用して玄関側に向けて奥から初級風魔法を使用する。
本来なら微風を起こす程度の魔法なのだが、ジルが使うと強風が生み出される。
家具をガタガタと揺らしながら大量の埃を吹き飛ばす。
「わわわっ!?」
「埃が襲い掛かってきたの!?」
玄関から少し離れた場所にいるジル達だったが、思ったよりも風の勢いが強い。
吹き飛ばされた大量の埃が自分達へと迫ってくる。
「断絶結界!」
ジルが自分達を包む結界を展開する。
これにより埃は結界に防がれて全身埃まみれにならずに済んだ。
「あ、危なかったわね。」
「ジルさんが結界を展開していなければ全身埃だらけになるところでした。」
そう思う程に埃の量が多い。
風魔法で吹き飛ばされて次々に出てくるのだ。
それから数分程魔法を使用し続けていると、さすがに埃の勢いも落ちてくる。
「大体吹き飛ばせたのではないか?」
「この埃の山があの建物の中に全てあったなんて信じられませんね。」
ジル達の周囲には幾つもの埃の山が出来上がっている。
まともに掃除していたらどれだけ時間が掛かったか分からない。
「でもジルのおかげで一気に掃除がしやすくなったわね。続きをやるわよ。」
「やるの。」
箒や雑巾を持って鍛冶場の中へと掃除の仕上げに向かう。
そこからは黙々と手分けして掃除し続けた。
「出来た出来た出来ましたよー!」
暫く掃除しているとアルナが元気な声を上げながら走ってきた。
「おっ、アルナが先か。」
「わあっ!?皆さん埃まみれですよ!?」
皆の姿を見ながらアルナが驚いている。
大なり小なり掃除によって汚れてしまった。
「一度始めたら止まらなくなっちゃったのよ。」
「随分と綺麗になった筈じゃ。」
「頑張ったの。」
埃まみれになりながらも最初と比べて綺麗になった鍛冶場に皆満足気な様子だ。
「お爺ちゃんの鍛冶場を掃除してくれていたんですね。ありがとうございます。」
アルナとしても掃除は大変だろうと思っていたので大助かりだ。
「それよりもアルナ、私の短剣が出来たのよね?」
「はい、自信作です。」
「ありがとう!」
アルナの持つ短剣を嬉しそうに受け取るルルネット。
早速鞘から抜いてみると艶のある真っ黒な刀身が現れる。
「綺麗だわ。」
「漆黒の刀身、黒鋼岩の色が出たんだろう。」
「綺麗なだけではありません。何とこの短剣は魔法武具なんですよ。お爺ちゃんが合金のスキルを使った影響だと思いますが、スキルが付加されていました。」
アルナがとても嬉しそうに語ってくれる。
後で理由を聞いたら自分で打って魔法武具を生み出したのは今回が初めてだったらしい。
魔法武具を生み出せるのは鍛治師としての腕が上がった証拠でもあるのだ。
「魔法武具!?本当!?」
「はい、スキル名は強化研磨。魔力を消費して短剣の強度と切れ味を高めてくれるスキルです。これで戦闘中に簡単に壊されたりはしなくなります。」
アルナの想いが通じたのか、スキルも思い通りのものが付加されてくれた。
「アルナ、ありがとうね!」
「こちらこそです!私も素晴らしい短剣を打てて大満足です!」
ルルネットとアルナが嬉しそうに笑い合っていた。
ただ待っているのも暇なのでアルティンの荒れ果てた店を皆で掃除する事にした。
「ジル様、こちらもお願いします。」
「やれやれ、一体どれだけ溜め込んでいたのだ。」
入り口に運び出されてくる大量の酒瓶。
もちろん中身は空であり、鍛冶場のあちこちに転がっているのだ。
「鍛治師をしなくなってからずっとお酒ばかり呑んでいたらしいですからね。」
その数は軽く見積もっても百を優に超える。
さすがはドワーフ族である。
「それにしても空瓶を取っておく意味はあるのか?」
「意味は無いと思いますけど。捨てるのが面倒だったのでは?掃除も全くしていなかったみたいですし。」
箒を持っている者達が物を片付けた場所を一生懸命掃いているところだ。
掃く度に埃がどんどん出てくる。
「奥に行く程埃っぽいの。」
「こんな劣悪な環境でよく寝られたものじゃ。」
「けほっ、涙が出てくる。」
年代物の埃に皆苦戦している様子だ。
「お嬢様、あまり奥に行かれると埃まみれになってしまいます。そもそも雑事をお嬢様にさせるのはメイドとしては止めて頂きたいのですが。」
皆が掃除するのであれば自分もするとルルネットも箒を持って参戦したのだが、サリーとしてはお茶でもしながら待っていてもらいたかった。
「アルティンには最高の短剣を打ってもらっているんだもの。掃除くらい何でも無いわよ。」
普通の貴族の子女なら嫌がりそうな事だがルルネットは自ら行っている。
元々の性格から貴族らしく無かったが、ジル達と付き合う様になってからより一層その面が強くなった。
「しかしこの埃は本当に大変ですね。ジルさん、何とかなりませんか?」
「風魔法を使ってみるか?物が吹き飛ばないくらいであれば埃だけを吹き飛ばせるかもしれないぞ?」
「それは名案かもしれませんね。お願い出来ますか?」
「ならば全員外に出てこい。」
このまま箒で掃除していても終わりが見えない。
ジルの魔法で大体の埃を先に片付けてしまおうと玄関以外の窓や扉を締め切って外に出る。
「ブリーズ!」
ジルが空間把握を使用して玄関側に向けて奥から初級風魔法を使用する。
本来なら微風を起こす程度の魔法なのだが、ジルが使うと強風が生み出される。
家具をガタガタと揺らしながら大量の埃を吹き飛ばす。
「わわわっ!?」
「埃が襲い掛かってきたの!?」
玄関から少し離れた場所にいるジル達だったが、思ったよりも風の勢いが強い。
吹き飛ばされた大量の埃が自分達へと迫ってくる。
「断絶結界!」
ジルが自分達を包む結界を展開する。
これにより埃は結界に防がれて全身埃まみれにならずに済んだ。
「あ、危なかったわね。」
「ジルさんが結界を展開していなければ全身埃だらけになるところでした。」
そう思う程に埃の量が多い。
風魔法で吹き飛ばされて次々に出てくるのだ。
それから数分程魔法を使用し続けていると、さすがに埃の勢いも落ちてくる。
「大体吹き飛ばせたのではないか?」
「この埃の山があの建物の中に全てあったなんて信じられませんね。」
ジル達の周囲には幾つもの埃の山が出来上がっている。
まともに掃除していたらどれだけ時間が掛かったか分からない。
「でもジルのおかげで一気に掃除がしやすくなったわね。続きをやるわよ。」
「やるの。」
箒や雑巾を持って鍛冶場の中へと掃除の仕上げに向かう。
そこからは黙々と手分けして掃除し続けた。
「出来た出来た出来ましたよー!」
暫く掃除しているとアルナが元気な声を上げながら走ってきた。
「おっ、アルナが先か。」
「わあっ!?皆さん埃まみれですよ!?」
皆の姿を見ながらアルナが驚いている。
大なり小なり掃除によって汚れてしまった。
「一度始めたら止まらなくなっちゃったのよ。」
「随分と綺麗になった筈じゃ。」
「頑張ったの。」
埃まみれになりながらも最初と比べて綺麗になった鍛冶場に皆満足気な様子だ。
「お爺ちゃんの鍛冶場を掃除してくれていたんですね。ありがとうございます。」
アルナとしても掃除は大変だろうと思っていたので大助かりだ。
「それよりもアルナ、私の短剣が出来たのよね?」
「はい、自信作です。」
「ありがとう!」
アルナの持つ短剣を嬉しそうに受け取るルルネット。
早速鞘から抜いてみると艶のある真っ黒な刀身が現れる。
「綺麗だわ。」
「漆黒の刀身、黒鋼岩の色が出たんだろう。」
「綺麗なだけではありません。何とこの短剣は魔法武具なんですよ。お爺ちゃんが合金のスキルを使った影響だと思いますが、スキルが付加されていました。」
アルナがとても嬉しそうに語ってくれる。
後で理由を聞いたら自分で打って魔法武具を生み出したのは今回が初めてだったらしい。
魔法武具を生み出せるのは鍛治師としての腕が上がった証拠でもあるのだ。
「魔法武具!?本当!?」
「はい、スキル名は強化研磨。魔力を消費して短剣の強度と切れ味を高めてくれるスキルです。これで戦闘中に簡単に壊されたりはしなくなります。」
アルナの想いが通じたのか、スキルも思い通りのものが付加されてくれた。
「アルナ、ありがとうね!」
「こちらこそです!私も素晴らしい短剣を打てて大満足です!」
ルルネットとアルナが嬉しそうに笑い合っていた。
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