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114章
元魔王様と記憶の欠如 1
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ルルネットとサリーにセレーナの方を任せて、ジルは浮島へと空間置換で戻った。
暇そうにしていたタイプDを捕まえて、セダンとアイフ間の空間置換役をお願いする。
長距離で人数も多いので魔力消費が尋常では無いのだ。
「マスタ~、これで全員です~。」
タイプDがアイフから最後の奴隷達を精霊商店に連れて来てくれた。
これであの地下の牢屋の中は空っぽだ。
「ご苦労、お前に任せて正解だったな。」
「メイドゴーレム使いが荒いですよ~。自分が疲れたく無いからって~。」
タイプDが疲れた様子で不満を口にする。
セダンとアイフは結構な距離があり、そこを空間置換で移動するとなると魔力消費量が尋常では無い。
ジルがタイプDに声を掛ける為にセダンに戻った一回だけで殆どの魔力を使い切ってしまった程だ。
「これだけの人数をセダンまで連れて来るとなると我よりも魔力量の多いタイプDの方が適任だろう?」
ジルは転生した事によって魔力量が大きく減っている。
そこで移動役を何倍もの魔力量を誇るタイプDにお願いしたのだ。
「マスターだってポーションを使えば可能じゃないんですか?」
「疲れるからな。」
「それは私も同じですよ!」
ジルの場合は毎回魔法を使う度にポーションを使う必要がある。
しかしタイプDならばポーションを使わずとも素の魔力量だけで何とかなってしまうのだ。
「まあ、そう怒るな。我もその間仕事をしていたのだ。情報収集も大事だからな。」
タイプDが働いている間のんびりしていた訳では無い。
奴隷商人を呼んで奴隷解放の作業を進めつつ、メレーナや元奴隷達にも事情を聞いていたのだ。
「まさか一瞬でセダン伯爵領に来られるとは。時空間魔法とはとんでもないな。」
「そうでしょうそうでしょう、マスターでは無く私に感謝して下さいね!」
「ああ、皆を代表して礼を言う。」
一先ず現状危険なアイフ男爵領からセダンに避難する事が出来た。
皆がタイプDに頭を下げており、タイプDも大量の魔力を使った甲斐があったと満足そうにしている。
「ではアイフ男爵、メレーナ、貴族には狭苦しいからもしれないが、皆と共に暫しこの店で待機してくれ。」
ジルはこの後アイフ男爵領に戻る事になる。
皆の相手をする事は出来無いので浮島の住人や精霊商店の店員に任せる事にした。
「ジルさん、本当にありがとうございました。そしてセレーナの事もお願いします。」
「任せておけ。」
メレーナが深々と頭を下げて頼んでくる。
無事に異種化の症状も治ってアイフ男爵同様元気になってくれた。
「マスター、皆さんにお食事を配ろうと思うのですが宜しいでしょうか?」
「皆さん健康状態が悪いです。このまま放置しておくと栄養失調や脱水症状で倒れる可能性があります。」
世話役として呼んでおいたタイプBやタイプCが提案してくる。
確かに薄暗い牢屋の中で気付かなかったが痩せ細っている者も多い。
魔族達から満足な食事を与えられていなかったのだろう。
「ずっと地下に閉じ込められていたらしいからな。美味い物を腹一杯食わせてやってくれ。」
「「お任せ下さい。」」
「そう言う事ならタイプEも連れて来たらどうだ?あっちに客が来ないと暇そうだぞ?」
「そうだな、タイプEにも頼むとしよう。」
タイプAの提案にジルが頷く。
シキがジルのメイドゴーレム達を参考にして使ったタイプEは浮島の料理人だ。
来る者が限られる浮島よりもこちらの方が腕を振るえるのでタイプEも嬉しいだろう。
「それじゃあ俺は魔物狩りでもして食材となる肉を確保してくるとするか。」
「私も手伝いましょう!」
タイプAの魔物狩りにタイプDも同行したいと言い出す。
大量に魔力を消費したばかりだと言うのにタイプDの戦闘意欲は衰える事を知らないらしい。
「お前は加減を知らないから却下だ。肉では無く消し炭にしてしまう。」
「これでも前よりは火力の調整が出来る様になってますよ!」
「俺一人で充分だからもっと訓練してろ。じゃあな。」
「むうー!」
タイプAは後ろ向きに手を振って浮島へと戻って行った。
置いていかれたタイプDが不満そうな表情をしている。
「それならタイプD、もう一仕事するか?」
タイプAに同行を断られたのでタイプDは暇になった。
ジルとしては共にアイフ男爵領に付いて来てもらいたい。
「えー、また疲れる事させようとしてます?」
「どうだろうな、相手次第だ。だが戦いに発展すれば厄介な敵が現れるかもしれないぞ?我も先程苦戦させられたからな。」
まだ魔族達が潜んでいたり新たに攻めてくる可能性が無いとも言えない。
キルゾールは何とか撃退出来たが、更に強い者が攻めて来た場合、ジルだけで対処出来るか分からない。
そこにタイプDがいてくれればとても安心出来る。
「マスターが苦戦ですか?そんな相手本当にいるんですか?」
「今代の魔族達だ。我が前世で作った魔法道具が魔族達に利用されていてな。厄介な進化を遂げている。」
「ほほう、それは少し興味を唆られますね。」
好戦的な笑みを浮かべるタイプD。
進化した魔族と言うのが気になった様子だ。
「我が戦った相手は五大将軍と言う肩書きを持つ魔族だ。我が二人始末しているから、三人は残っている筈だ。それに四天王とかもな。」
「分かりました!強敵と戦えるとあれば、マスターの頼みを聞きましょう!」
「確実に戦える保証は無いのだがな。」
やる気になっているタイプDの耳にはジルの呟きは届かなかった。
暇そうにしていたタイプDを捕まえて、セダンとアイフ間の空間置換役をお願いする。
長距離で人数も多いので魔力消費が尋常では無いのだ。
「マスタ~、これで全員です~。」
タイプDがアイフから最後の奴隷達を精霊商店に連れて来てくれた。
これであの地下の牢屋の中は空っぽだ。
「ご苦労、お前に任せて正解だったな。」
「メイドゴーレム使いが荒いですよ~。自分が疲れたく無いからって~。」
タイプDが疲れた様子で不満を口にする。
セダンとアイフは結構な距離があり、そこを空間置換で移動するとなると魔力消費量が尋常では無い。
ジルがタイプDに声を掛ける為にセダンに戻った一回だけで殆どの魔力を使い切ってしまった程だ。
「これだけの人数をセダンまで連れて来るとなると我よりも魔力量の多いタイプDの方が適任だろう?」
ジルは転生した事によって魔力量が大きく減っている。
そこで移動役を何倍もの魔力量を誇るタイプDにお願いしたのだ。
「マスターだってポーションを使えば可能じゃないんですか?」
「疲れるからな。」
「それは私も同じですよ!」
ジルの場合は毎回魔法を使う度にポーションを使う必要がある。
しかしタイプDならばポーションを使わずとも素の魔力量だけで何とかなってしまうのだ。
「まあ、そう怒るな。我もその間仕事をしていたのだ。情報収集も大事だからな。」
タイプDが働いている間のんびりしていた訳では無い。
奴隷商人を呼んで奴隷解放の作業を進めつつ、メレーナや元奴隷達にも事情を聞いていたのだ。
「まさか一瞬でセダン伯爵領に来られるとは。時空間魔法とはとんでもないな。」
「そうでしょうそうでしょう、マスターでは無く私に感謝して下さいね!」
「ああ、皆を代表して礼を言う。」
一先ず現状危険なアイフ男爵領からセダンに避難する事が出来た。
皆がタイプDに頭を下げており、タイプDも大量の魔力を使った甲斐があったと満足そうにしている。
「ではアイフ男爵、メレーナ、貴族には狭苦しいからもしれないが、皆と共に暫しこの店で待機してくれ。」
ジルはこの後アイフ男爵領に戻る事になる。
皆の相手をする事は出来無いので浮島の住人や精霊商店の店員に任せる事にした。
「ジルさん、本当にありがとうございました。そしてセレーナの事もお願いします。」
「任せておけ。」
メレーナが深々と頭を下げて頼んでくる。
無事に異種化の症状も治ってアイフ男爵同様元気になってくれた。
「マスター、皆さんにお食事を配ろうと思うのですが宜しいでしょうか?」
「皆さん健康状態が悪いです。このまま放置しておくと栄養失調や脱水症状で倒れる可能性があります。」
世話役として呼んでおいたタイプBやタイプCが提案してくる。
確かに薄暗い牢屋の中で気付かなかったが痩せ細っている者も多い。
魔族達から満足な食事を与えられていなかったのだろう。
「ずっと地下に閉じ込められていたらしいからな。美味い物を腹一杯食わせてやってくれ。」
「「お任せ下さい。」」
「そう言う事ならタイプEも連れて来たらどうだ?あっちに客が来ないと暇そうだぞ?」
「そうだな、タイプEにも頼むとしよう。」
タイプAの提案にジルが頷く。
シキがジルのメイドゴーレム達を参考にして使ったタイプEは浮島の料理人だ。
来る者が限られる浮島よりもこちらの方が腕を振るえるのでタイプEも嬉しいだろう。
「それじゃあ俺は魔物狩りでもして食材となる肉を確保してくるとするか。」
「私も手伝いましょう!」
タイプAの魔物狩りにタイプDも同行したいと言い出す。
大量に魔力を消費したばかりだと言うのにタイプDの戦闘意欲は衰える事を知らないらしい。
「お前は加減を知らないから却下だ。肉では無く消し炭にしてしまう。」
「これでも前よりは火力の調整が出来る様になってますよ!」
「俺一人で充分だからもっと訓練してろ。じゃあな。」
「むうー!」
タイプAは後ろ向きに手を振って浮島へと戻って行った。
置いていかれたタイプDが不満そうな表情をしている。
「それならタイプD、もう一仕事するか?」
タイプAに同行を断られたのでタイプDは暇になった。
ジルとしては共にアイフ男爵領に付いて来てもらいたい。
「えー、また疲れる事させようとしてます?」
「どうだろうな、相手次第だ。だが戦いに発展すれば厄介な敵が現れるかもしれないぞ?我も先程苦戦させられたからな。」
まだ魔族達が潜んでいたり新たに攻めてくる可能性が無いとも言えない。
キルゾールは何とか撃退出来たが、更に強い者が攻めて来た場合、ジルだけで対処出来るか分からない。
そこにタイプDがいてくれればとても安心出来る。
「マスターが苦戦ですか?そんな相手本当にいるんですか?」
「今代の魔族達だ。我が前世で作った魔法道具が魔族達に利用されていてな。厄介な進化を遂げている。」
「ほほう、それは少し興味を唆られますね。」
好戦的な笑みを浮かべるタイプD。
進化した魔族と言うのが気になった様子だ。
「我が戦った相手は五大将軍と言う肩書きを持つ魔族だ。我が二人始末しているから、三人は残っている筈だ。それに四天王とかもな。」
「分かりました!強敵と戦えるとあれば、マスターの頼みを聞きましょう!」
「確実に戦える保証は無いのだがな。」
やる気になっているタイプDの耳にはジルの呟きは届かなかった。
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