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114章
元魔王様と記憶の欠如 8
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ノワールの発言に皆が驚いた反応を示す。
「はぁ!?好きですって!?」
「わ、悪いのか?」
ルルネットの絶叫にノワールが顔を逸らす。
その表情は赤く染まっている。
「悪いに決まってるでしょ!あんな態度を取っていたら嫌われるに決まっているじゃない!」
「うぐっ。だ、だから悪かったと謝っているだろうが!」
「謝って済む話しじゃ無いって言ってるの!」
「ふ、二人共落ち着いて。」
熱くなって言い合いする二人を話しの中心人物であるセレーナが抑えている。
突然のノワールの告白にセレーナも困惑気味の様子だ。
「何だか予想外の話しになってきたな。」
「そうですね。」
ジルやサリーも突然の事に驚いている。
まさかノワールがセレーナに対してそんな思いを秘めているとは思わなかった。
「何でセレーナの事が好きなのにあんなに虐めていたのよ!」
「す、素直な気持ちを伝えるのなんて恥ずかしいだろうが!」
ノワールの今までの態度は貴族らしく育てられてきたのもあるが、好きな者の前で正直になれないと言う理由もあったそうだ。
「だから虐めたって言うの?セレーナの事が好きなのに?馬鹿じゃない?」
「うぐっ。」
これに関しては何も言い返す事が出来無い。
セレーナに気持ちが届いていなかったのを見るに自分の態度が相応しく無かったのは事実だ。
「ルルネット、その辺にしてあげよ?」
「優しいセレーナに免じてね。まあ、セレーナの受けた痛みはこんなものじゃ無かったでしょうけどね。」
「だから悪かった!反省している!もう二度とそんな態度は取らん!」
そう言って再び深々と頭を下げるノワール。
今は心の底から反省しているのが伝わってくる。
「うん、一先ずノワールの気持ちは分かったよ。」
「本当か!」
「直ぐには応えられないけど。」
「当然だ。俺に記憶が無いとは言え、やったのは俺みたいだからな。信用してもらえる様にこれからの対応に気を付けるつもりだ。」
セレーナに気持ちが伝わっただけでもノワールからすれば大きな一歩だ。
「セレーナが認めても私は認めないけどね!」
「部外者は黙っていろ!」
「何ですって!」
「何だ!」
「もう喧嘩はやめてってば!」
至近距離で睨み合っている二人を仲裁するセレーナ。
一先ずジルの疑いは晴れたので衛兵達が牢屋から出してくれた。
「やっと出られたか。」
「無実の罪で拘束して悪かった。」
「全くだ。貸し一つにしておいてやる。」
「俺が貴族と知りながら遠慮の無い平民だ。」
どちらにも悪気があった訳では無いのでこれ以上大事にするつもりは無い。
「はぁ、それにしても一体俺の身に何が起こっているんだ。話しを聞けば聞く程記憶に無い事ばかりで頭が痛くなる。」
「それを全部気付かなかったって言うの?そんな事あり得るかしら?」
まだ疑いの目を向けているのはルルネットだ。
ノワールの言葉を完全に信じる事が出来ていない。
「俺自身その違和感が凄まじい。意識するまで全く気にもならなかったなんて異常だ。」
これにはノワール自身が一番驚愕しているのだ。
自分の直近の記憶の筈なのに、記憶が無い事を指摘されるまで全く気付く事が出来無かった。
「ジル、これって魔法とかスキル?」
「かもしれないな。魔法であれば陣形魔法くらいしか思い当たらんがスキルは千差万別だ。ノワールの記憶の一部を消したり、二重人格みたいにする事が出来てもおかしくない。」
スキルは多過ぎてジルでも全て把握している訳では無い。
しかし該当する魔法が少ないのでスキルの可能性は高いだろう。
「マスター、魅了魔法の可能性もありませんか?」
「記憶まで操作出来るとなると相当な適性が必要となるからな。サキュバス種でも一握りではないか?」
テスラであれば可能かもしれないが、直近の記憶が消えているとなると魅了魔法の場合は頻繁に会っていた事になる。
それにサキュバスプリンセスと呼ばれたテスラに並ぶ魅了魔法の使い手は中々いないだろう。
「当然私もそれ並みの適性ですけどね!」
「分かった分かった、お前は凄いよ。」
「えっへん!」
ジルの言葉にタイプDが満足気に胸を張る。
魅了魔法を使えばテスラと同じ事も可能だろう。
魔法に関してだけはどんな種族にも劣らないのだ。
「それで解決法はないのか?」
「犯人を見つけ出すしかないだろうな。これだけの力となれば少なくとも接触はしていると思うが。」
魔法にしろスキルにしろ遠距離から一方的に使い続けるのは難しい。
接触した時に使われたと考えるのが自然だ。
「ノワール、誰か怪しい人に会った記憶とかはないの?」
「怪しい人物、怪しい人物か。多過ぎて見当も付かないな。」
思い当たる節があり過ぎて逆に困惑している。
「やっぱり嘘付いてるんじゃないの?」
「今は正常だ。お前達も貴族ならば分かるだろう?貴族に取り入って甘い汁を啜ろうと呼んでもいないのに様々な者達が訪ねて来る。その中に紛れていたのかもしれない。」
平民にとって貴族と縁が出来るのは大きな意味を持つ。
ジルの様に無関心な者も一定数いるが、大半は一攫千金を夢見て取り入りたいと思うだろう。
「魔族もその中にいたのかな?」
「分からん。俺の記憶では魔族と接触した事は無い。最初の会合も分からんが後は全て俺では無い人格が会った筈だ。」
記憶を遡ってみるもそれらしい記憶は見つからなかった。
「と言う事は情報無しか。」
「使えないわね。」
「何だと!」
「何よ!」
「喧嘩は止めてってば!」
再び言い合いを始めた二人をセレーナが仲裁する。
「喧嘩する程仲が良いか。」
「「誰がこんな奴と!」」
ジルの言葉に対して綺麗に揃って反論する二人だった。
「はぁ!?好きですって!?」
「わ、悪いのか?」
ルルネットの絶叫にノワールが顔を逸らす。
その表情は赤く染まっている。
「悪いに決まってるでしょ!あんな態度を取っていたら嫌われるに決まっているじゃない!」
「うぐっ。だ、だから悪かったと謝っているだろうが!」
「謝って済む話しじゃ無いって言ってるの!」
「ふ、二人共落ち着いて。」
熱くなって言い合いする二人を話しの中心人物であるセレーナが抑えている。
突然のノワールの告白にセレーナも困惑気味の様子だ。
「何だか予想外の話しになってきたな。」
「そうですね。」
ジルやサリーも突然の事に驚いている。
まさかノワールがセレーナに対してそんな思いを秘めているとは思わなかった。
「何でセレーナの事が好きなのにあんなに虐めていたのよ!」
「す、素直な気持ちを伝えるのなんて恥ずかしいだろうが!」
ノワールの今までの態度は貴族らしく育てられてきたのもあるが、好きな者の前で正直になれないと言う理由もあったそうだ。
「だから虐めたって言うの?セレーナの事が好きなのに?馬鹿じゃない?」
「うぐっ。」
これに関しては何も言い返す事が出来無い。
セレーナに気持ちが届いていなかったのを見るに自分の態度が相応しく無かったのは事実だ。
「ルルネット、その辺にしてあげよ?」
「優しいセレーナに免じてね。まあ、セレーナの受けた痛みはこんなものじゃ無かったでしょうけどね。」
「だから悪かった!反省している!もう二度とそんな態度は取らん!」
そう言って再び深々と頭を下げるノワール。
今は心の底から反省しているのが伝わってくる。
「うん、一先ずノワールの気持ちは分かったよ。」
「本当か!」
「直ぐには応えられないけど。」
「当然だ。俺に記憶が無いとは言え、やったのは俺みたいだからな。信用してもらえる様にこれからの対応に気を付けるつもりだ。」
セレーナに気持ちが伝わっただけでもノワールからすれば大きな一歩だ。
「セレーナが認めても私は認めないけどね!」
「部外者は黙っていろ!」
「何ですって!」
「何だ!」
「もう喧嘩はやめてってば!」
至近距離で睨み合っている二人を仲裁するセレーナ。
一先ずジルの疑いは晴れたので衛兵達が牢屋から出してくれた。
「やっと出られたか。」
「無実の罪で拘束して悪かった。」
「全くだ。貸し一つにしておいてやる。」
「俺が貴族と知りながら遠慮の無い平民だ。」
どちらにも悪気があった訳では無いのでこれ以上大事にするつもりは無い。
「はぁ、それにしても一体俺の身に何が起こっているんだ。話しを聞けば聞く程記憶に無い事ばかりで頭が痛くなる。」
「それを全部気付かなかったって言うの?そんな事あり得るかしら?」
まだ疑いの目を向けているのはルルネットだ。
ノワールの言葉を完全に信じる事が出来ていない。
「俺自身その違和感が凄まじい。意識するまで全く気にもならなかったなんて異常だ。」
これにはノワール自身が一番驚愕しているのだ。
自分の直近の記憶の筈なのに、記憶が無い事を指摘されるまで全く気付く事が出来無かった。
「ジル、これって魔法とかスキル?」
「かもしれないな。魔法であれば陣形魔法くらいしか思い当たらんがスキルは千差万別だ。ノワールの記憶の一部を消したり、二重人格みたいにする事が出来てもおかしくない。」
スキルは多過ぎてジルでも全て把握している訳では無い。
しかし該当する魔法が少ないのでスキルの可能性は高いだろう。
「マスター、魅了魔法の可能性もありませんか?」
「記憶まで操作出来るとなると相当な適性が必要となるからな。サキュバス種でも一握りではないか?」
テスラであれば可能かもしれないが、直近の記憶が消えているとなると魅了魔法の場合は頻繁に会っていた事になる。
それにサキュバスプリンセスと呼ばれたテスラに並ぶ魅了魔法の使い手は中々いないだろう。
「当然私もそれ並みの適性ですけどね!」
「分かった分かった、お前は凄いよ。」
「えっへん!」
ジルの言葉にタイプDが満足気に胸を張る。
魅了魔法を使えばテスラと同じ事も可能だろう。
魔法に関してだけはどんな種族にも劣らないのだ。
「それで解決法はないのか?」
「犯人を見つけ出すしかないだろうな。これだけの力となれば少なくとも接触はしていると思うが。」
魔法にしろスキルにしろ遠距離から一方的に使い続けるのは難しい。
接触した時に使われたと考えるのが自然だ。
「ノワール、誰か怪しい人に会った記憶とかはないの?」
「怪しい人物、怪しい人物か。多過ぎて見当も付かないな。」
思い当たる節があり過ぎて逆に困惑している。
「やっぱり嘘付いてるんじゃないの?」
「今は正常だ。お前達も貴族ならば分かるだろう?貴族に取り入って甘い汁を啜ろうと呼んでもいないのに様々な者達が訪ねて来る。その中に紛れていたのかもしれない。」
平民にとって貴族と縁が出来るのは大きな意味を持つ。
ジルの様に無関心な者も一定数いるが、大半は一攫千金を夢見て取り入りたいと思うだろう。
「魔族もその中にいたのかな?」
「分からん。俺の記憶では魔族と接触した事は無い。最初の会合も分からんが後は全て俺では無い人格が会った筈だ。」
記憶を遡ってみるもそれらしい記憶は見つからなかった。
「と言う事は情報無しか。」
「使えないわね。」
「何だと!」
「何よ!」
「喧嘩は止めてってば!」
再び言い合いを始めた二人をセレーナが仲裁する。
「喧嘩する程仲が良いか。」
「「誰がこんな奴と!」」
ジルの言葉に対して綺麗に揃って反論する二人だった。
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