【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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119章

元魔王様とテイムーランド探索 5

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 フルミナと一緒にディバースフォクスの子供達を愛でているとホッコが戻ってきた。

「主様!大変なの!」

 戻ってくるなりホッコが真剣な表情で言う。

「何が大変なんだ?」

「その話しはこの親達に聞いてほしいの!」

 ホッコの後ろにはディバースフォクスの親達が付いて来ていた。

「クォン。」

「クォンクォン。」

「そう言う事なの!」

 必死に何かを訴えかけてくる二匹。
そしてホッコも何とか助けてあげたい様子だ。

「いや、クォンクォンと鳴いている様にしか聞こえないぞ?」

「ホッコちゃんは同じ魔物だから理解出来るんだよね?」

「はっ!うっかりしてたの!」

 気持ちが逸るばかりに基本的な事を忘れていた。

「それで何が大変なのか改めて説明してくれ。」

「了解なの。親達の話しだとこの森にはクラウンベリーと言う美味しい木の実があるらしいの。」

「初めて聞くな。」

「クラウンベリーは木の実の王様とも呼ばれています。とっても甘くて美味しいんですよ。」

 フルミナはクラウンベリーを知っているらしく、食べた時の事を思い出してうっとりとしている。
それだけ美味しい木の実なのだろう。

「そのクラウンベリーは魔物達も大好物らしいの。この親達も子供達の為に採ってくる事が多いらしいの。」

「この子達の大好物だもんね。あれ?でも最近食べているところを見ないかも?」

 子供達が美味しそうにクラウンベリーを食べていたのは村人達も知っている。
見ているだけでこちらも幸せな気持ちになるくらい癒されるのである。
しかし最近その様子を見掛けない。

「それなのフルミナ。クラウンベリーを独占している悪い魔物がいるらしいの。」

「え!?そんなのが住み着いてたの!?」

 フルミナが驚きの表情を浮かべる。
ホッコに言われるまで全く気付かなかった。

「知らないのも仕方無いの。親達が言うには最近の事らしいの。その魔物のせいでクラウンベリーが採れなくなって皆困っているらしいの。」

 クラウンベリーはディバースフォクス達だけで無く、森で暮らす魔物達も好んでいる。
独占している魔物のせいで皆が食べられていないそうだ。

「同じディバースフォクスとして放っておけないと言う事だな?」

「はいなの。ホッコが悪い魔物をやっつけて皆が食べられる様にしてあげたいの。ついでにホッコも食べてみたいの。」

「美味い食べ物と聞いたら我も是非食べてみたいな。」

 それだけ美味しい木の実であればジルやホッコも食べてみたい。
この問題を解決したら皆に感謝されると同時にクラウンベリーも食べられて一石二鳥である。

「クラウンベリーの独占はうちの村としても困りますね。今は問題無いですけど、従魔競争で優勝したらお酒作りが出来る様になります。クラウンベリーも材料の一つなので食べ尽くされたら結局作れなくなってしまいます。」

「それはこちらとしても困るな。」

「ナキナ達が悲しむの。」

 フルミナからの情報提供によると酒作りにはクラウンベリーも使われるそうだ。
独占している魔物を何とかしない限り、従魔競争で優勝しても酒が完成しないかもしれない。
それではテイムーランドに来た意味が無い

「村ではクラウンベリーを育てたりしていないのか?」

 普通に食べても美味しくて酒にも使うのであれば村で育てた方が効率が良さそうに感じる。

「何度か挑戦しているんですけど、人の手が加わると駄目みたいなんです。自然で育つのが一番らしくて、森で育ったのを貰っている感じですね。」

 既にクラウンベリー栽培は試しているが失敗に終わっているそうだ。
なので自生しているクラウンベリーは沿岸村にとっても重要な物なのだ。

「ちなみにその魔物とは何だ?」

「凄く大きい魔物らしいの。」

「名前までは分からないか。」

 ホッコが両腕をいっぱいに広げているところを見ると相当な大きさなのだろう。
つまり食べる量も他の魔物達とは比べ物にならない。

「食べ荒らされてクラウンベリーの数が一気に減っちゃってるらしいの。早く対処しないと全部食べられちゃうの。」

「ならば早速向かうとするか。」

 自分達もクラウンベリーを食べてみたいのに食べ尽くされてしまっては困る。
一刻も早く対処する必要がありそうだ。

「き、危険ですよ!村の人達も呼んできて皆で対処した方がいいと思います。」

 相手が巨大な魔物と聞いて応援を呼ぶべきだと主張するフルミナ。

「我らなら問題無い。だがフルミナは不安ならばここで待っていた方がいい。ここなら安全らしいからな。」

「ホッコと主様は大きいだけの魔物になんて負けないの。」

 ジルとホッコは戦闘慣れしているから問題無い。
問題があるとすれば村娘で戦闘経験なんて無いフルミナの方だろう。

「わ、私も連れて行って下さい。遠くから見るだけで邪魔はしませんから。」

 ホッコの強さは昨日の村人達との模擬戦で見せてもらったが魔物との戦いは万が一がある。
もしも対処が難しそうなら自分で助けを呼びに行ける様に近くで見ていたいのだ。

「まあ、目の届く場所にいない方が危険があるかもしれないか。ならばフルミナ、同行は許可するが絶対に前に出るなよ?」

「分かりました。」

「それじゃあ早速出発するの!」

 ジル達はディバースフォクス達の案内で、その魔物がいる場所へと向かうのだった。
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