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6章
元魔王様とセダンの大商会 5
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トゥーリは若いが聡明なので、モンドの様な欲深く自分の事しか考えていない様な者と婚姻して領主を奪われれば、この街が終わってしまう事が分かっている。
何よりもモンドと言う男は生理的に受け付け無い。
若く容姿の良い女を見つけるといやらしい視線を常に向けている様な男であり、正に女の敵と言った者だ。
「そっちを見た事は無いが、子供に手を出すのか?」
トゥーリは大人びた発言をする子だが、まだ10歳の子供である。
結婚をするにはまだ少し早い年齢である。
「形だけでも手に入れれば構わないんだろうね。既に平民の娘が何人か、借金を盾に脅されてるから私に身体は求めて無いだろう。」
トゥーリに求められている物は肩書きだけで、身体は自分が選んだ別の娘達に求めているのだ。
「見逃していていいのか?」
「うーん、借金をしていたのは本当の事だから、モンドを一方的には責めるに責めづらいと言うのが現状だね。当然このまま見過ごすつもりも無いんだけど、それは君の返答で大きく変わってくるだろうね。」
モンドに制裁を与えたくても難しい状況が、ジルの返答次第で覆るとでも言いたそうである。
「一応聞いておくが、何をさせられる予定なんだ?」
「簡単に言えば少し暴れて敵勢力を減らしてもらおうと考えているよ。君の実力の高さは聞いているからね。」
そう言ってトゥーリはミラを指差す。
ミラの方を見るとジルに向かって手を合わせて頭を下げて謝っていた。
勝手に実力を話した事を怒られるとでも思ったのかもしれない。
確かに目立ちたくは無いが、ランク選定試験の段階で多くの者に見られているので今更である。
「我の事は知られている。中には通してもらえないと思うぞ?」
外から攻撃してもいいが当然建物も壊れる事になり、周りの建物にまで被害が及ぶ可能性もある。
「それはこちらで情報操作しておくよ。近日中にモンドから招待される事になると思うよ。」
お膳立ては任せろとトゥーリが引き受ける。
何かしら作戦があるのかもしれない。
「その時に中で暴れればいいのか?」
「そう言う事!強い人達を引き受けてくれれば、私の勢力も自由に動きやすいと思うからね。」
ジルが暴れるどさくさに紛れてトゥーリの勢力を向かわせるらしい。
ある程度敵を減らしてくれれば領主の勢力だけでも太刀打ち出来る様になる。
そして直接悪事の形跡を集め、裏が取れ次第捕縛する。
モンドさえ捕らえてしまえば、領主の権限で商会はどうとでも出来るのだ。
「ふむ、領主に恩を売っておくのもありか。」
「そう言う事は面と向かって言わないでほしいけどね。」
領主は一先ずジルが依頼を受けてくれた事にホッとするのだった。
早速モンドから屋敷に招待させる様動く為にトゥーリとの話し合いはお開きとなった。
翌日、普段通りに過ごしていてくれればいいと言われていたので、宿屋の部屋でシキと一緒にのんびりしていた。
「ジルさん、今大丈夫?」
リュカが少し困った様にノックをして尋ねてきた。
「ああ、何か用か?」
「えっと、ジルさんにお客さんなんだけど…。」
リュカは少し歯切れの悪い様子で言う。
一先ず下で待ってもらっていると言う事なので向かってみると、先日借金の取り立てに来た四人がいた。
「なんだ、また我にやられにきたのか?」
「ふざけんじゃねえ!てめえのせいでどんだけ治療費が掛かったと思ってやがる!」
先日ジルにデコピンで吹き飛ばされた男が言う。
相当腫れ上がっていたので、綺麗に治っているところを見ると魔法による治療だろう。
「文句は自分の行いを改めてから言うんだな。」
ジルはシキを怯えさせられたので吹き飛ばしただけだ。
大事な仲間に危害を加えられそうになったので、文句を言われる筋合いは無い。
「けっ、気に入らねえ野郎だ。」
「リーダー、ムカつくのも分かりますが要件を伝えませんと。」
付き従っている一人がイライラしているリーダーを宥める様に言う。
「分あってるよ。ちっ、何故モンド様はよりにもよってこんな奴を、ほらよ。」
そう言ってリーダーの男は封筒を渡してきた。
受け取って開けてみると、ジルと契約した精霊を屋敷に招待したいと言った内容が書かれていた。
「ふむ、今直ぐに訪ねてこいか。随分と急で上から目線な呼び付けだな。」
口ではそう言っておくが、トゥーリから聞いていたので直ぐにでも行く事は出来る。
「俺は封筒を渡すまでが仕事だ。てめえがどうしようと知った事じゃねえが、モンド様の命令に叛くとどうなるかくらいは分かるだろう?」
ジル達がビーク商会や関係者達と売買を行えなくしている事について言っているのだろう。
状況は変わっておらずジル達は街で買い物が出来無いままである。
「既に被害を受けて苦しい状況だろうしな。モンド様からの救いの手だと思った方がいいぜ。」
無限倉庫や異世界通販のおかげで特に困ってはいないのだが、トゥーリからの依頼もあるし断る訳にはいかない。
「分かった、従うとしよう。」
「だったら付いて来い。」
ジルとシキは男達に付き従って宿屋を出る。
女将とリュカは心配そうにしていたが、軽く事情は話しているので特に問題無いだろう。
何よりもモンドと言う男は生理的に受け付け無い。
若く容姿の良い女を見つけるといやらしい視線を常に向けている様な男であり、正に女の敵と言った者だ。
「そっちを見た事は無いが、子供に手を出すのか?」
トゥーリは大人びた発言をする子だが、まだ10歳の子供である。
結婚をするにはまだ少し早い年齢である。
「形だけでも手に入れれば構わないんだろうね。既に平民の娘が何人か、借金を盾に脅されてるから私に身体は求めて無いだろう。」
トゥーリに求められている物は肩書きだけで、身体は自分が選んだ別の娘達に求めているのだ。
「見逃していていいのか?」
「うーん、借金をしていたのは本当の事だから、モンドを一方的には責めるに責めづらいと言うのが現状だね。当然このまま見過ごすつもりも無いんだけど、それは君の返答で大きく変わってくるだろうね。」
モンドに制裁を与えたくても難しい状況が、ジルの返答次第で覆るとでも言いたそうである。
「一応聞いておくが、何をさせられる予定なんだ?」
「簡単に言えば少し暴れて敵勢力を減らしてもらおうと考えているよ。君の実力の高さは聞いているからね。」
そう言ってトゥーリはミラを指差す。
ミラの方を見るとジルに向かって手を合わせて頭を下げて謝っていた。
勝手に実力を話した事を怒られるとでも思ったのかもしれない。
確かに目立ちたくは無いが、ランク選定試験の段階で多くの者に見られているので今更である。
「我の事は知られている。中には通してもらえないと思うぞ?」
外から攻撃してもいいが当然建物も壊れる事になり、周りの建物にまで被害が及ぶ可能性もある。
「それはこちらで情報操作しておくよ。近日中にモンドから招待される事になると思うよ。」
お膳立ては任せろとトゥーリが引き受ける。
何かしら作戦があるのかもしれない。
「その時に中で暴れればいいのか?」
「そう言う事!強い人達を引き受けてくれれば、私の勢力も自由に動きやすいと思うからね。」
ジルが暴れるどさくさに紛れてトゥーリの勢力を向かわせるらしい。
ある程度敵を減らしてくれれば領主の勢力だけでも太刀打ち出来る様になる。
そして直接悪事の形跡を集め、裏が取れ次第捕縛する。
モンドさえ捕らえてしまえば、領主の権限で商会はどうとでも出来るのだ。
「ふむ、領主に恩を売っておくのもありか。」
「そう言う事は面と向かって言わないでほしいけどね。」
領主は一先ずジルが依頼を受けてくれた事にホッとするのだった。
早速モンドから屋敷に招待させる様動く為にトゥーリとの話し合いはお開きとなった。
翌日、普段通りに過ごしていてくれればいいと言われていたので、宿屋の部屋でシキと一緒にのんびりしていた。
「ジルさん、今大丈夫?」
リュカが少し困った様にノックをして尋ねてきた。
「ああ、何か用か?」
「えっと、ジルさんにお客さんなんだけど…。」
リュカは少し歯切れの悪い様子で言う。
一先ず下で待ってもらっていると言う事なので向かってみると、先日借金の取り立てに来た四人がいた。
「なんだ、また我にやられにきたのか?」
「ふざけんじゃねえ!てめえのせいでどんだけ治療費が掛かったと思ってやがる!」
先日ジルにデコピンで吹き飛ばされた男が言う。
相当腫れ上がっていたので、綺麗に治っているところを見ると魔法による治療だろう。
「文句は自分の行いを改めてから言うんだな。」
ジルはシキを怯えさせられたので吹き飛ばしただけだ。
大事な仲間に危害を加えられそうになったので、文句を言われる筋合いは無い。
「けっ、気に入らねえ野郎だ。」
「リーダー、ムカつくのも分かりますが要件を伝えませんと。」
付き従っている一人がイライラしているリーダーを宥める様に言う。
「分あってるよ。ちっ、何故モンド様はよりにもよってこんな奴を、ほらよ。」
そう言ってリーダーの男は封筒を渡してきた。
受け取って開けてみると、ジルと契約した精霊を屋敷に招待したいと言った内容が書かれていた。
「ふむ、今直ぐに訪ねてこいか。随分と急で上から目線な呼び付けだな。」
口ではそう言っておくが、トゥーリから聞いていたので直ぐにでも行く事は出来る。
「俺は封筒を渡すまでが仕事だ。てめえがどうしようと知った事じゃねえが、モンド様の命令に叛くとどうなるかくらいは分かるだろう?」
ジル達がビーク商会や関係者達と売買を行えなくしている事について言っているのだろう。
状況は変わっておらずジル達は街で買い物が出来無いままである。
「既に被害を受けて苦しい状況だろうしな。モンド様からの救いの手だと思った方がいいぜ。」
無限倉庫や異世界通販のおかげで特に困ってはいないのだが、トゥーリからの依頼もあるし断る訳にはいかない。
「分かった、従うとしよう。」
「だったら付いて来い。」
ジルとシキは男達に付き従って宿屋を出る。
女将とリュカは心配そうにしていたが、軽く事情は話しているので特に問題無いだろう。
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