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13章
元魔王様と商会長との交渉術 4
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ジルとの追加の取り引きを回避出来た事により、これ以上は赤字を増やさなくて済みそうだ。
ただでさえモンドのやらかしてきた事による補填として、方々に金を流出しまくっているので、これ以上は商会の存続に響いてしまう一大事となってしまう。
「さすがに貰い過ぎるのも悪いか。塩の礼に一つ助言してやろう。」
やり過ぎた気も少なからずするので、ジルは塩のお礼をする事にした。
「助言?」
「次に仕入れをする際には、塩を多めに仕入れた方がいいぞ。」
キクナの様な予知に関するスキルがある訳では無いが、近々塩が大量に必要になってくると言うこの予想は、ジルの中で殆ど確信に近いものと言えた。
「理由は?」
「それはもう直ぐ分かる事だ。」
「えー、そんな曖昧な理由だと判断しづらいな。」
商会長として適当な仕入れをする事は出来無い。
その商会の存続に関わる事なので、必要な物や需要のある物を正確に見極めて選ぶ事が重要なのだ。
判断を誤れば不要な在庫を抱える事になり、利益が上がらなくなってしまう。
「もし余っても我が幾らか引き取ってやろう。」
無限倉庫のスキルがあるジルなら、食材を腐らせる心配も無ければ置き場所に困る心配も無い。
「うーん、それなら少し増やしてみようかな?」
余っても引き取ってくれると言うならば、幾らか多めに仕入れても問題無さそうだと思った。
「またその時には交渉に出向くとしよう。」
「絶対交渉に私はこないけどね!」
また様々な理由を付けられて値切られたら困るので、ジルとの取り引きにトゥーリが顔を出すつもりは無い。
そもそも今回はお詫びをする為にきたので、普通の取り引きは普段から交渉を行なっている商会の者達に任せる。
「領主様を脅すなんて、さすがジルさんだね…。」
「私は寿命が縮まった気持ちだよ。」
交渉が一先ず終わった事で、リュカは呆れつつ女将は安心した様に息を吐いてそう言った。
取り敢えず予想外の量の塩を手に入れる事が出来たので、交渉は大成功と言えた。
「じゃあ塩を持ってくる様に言っておくから、少し待っててね。」
交渉に足を運んでいながらもトゥーリは非常に忙しいらしく、後は他の者に任せて出ていった。
少しすると商会員が大きな塩の入った袋を持ってやってきた。
お金を払って塩を受け取って取り引き終了となる。
予想以上に大量の塩を仕入れる事が出来たので、女将もリュカも上機嫌でビーク商会を後にして宿屋に戻ってきた。
「さて、早速今日の夜から出してみようかね。私は作り方を知らないから、教えてくれるかいリュカ?」
「はーい、簡単だから直ぐに覚えられるよ。」
二人は塩を大量に入手出来た事もあり、早速今日の夜からフライドポテトをメニューとして出してみるらしい。
「我々は退散するか。」
「はいなのです。晩御飯にまたフライドポテトが食べられると思うと嬉しいのです!」
先程大量に食べたと言うのに、シキはまだまだ食べ足りないと言った様子である。
それはジルも同じであり、また早く異世界の料理を食べたいと思っていた。
「二人のおかげで塩を沢山仕入れられたからね、晩御飯はサービスしてあげるよ。」
領主との取り引きではジル達がいなければこれ程の塩を手に入れる事は出来無かっただろう。
その点は女将達も感謝している様で、晩御飯に期待しておいてくれと言われた。
「それは有り難いな。」
「て言うか本当にいらないの?」
リュカが尋ねてきたのは塩についてだ。
予定よりもかなり多く手に入れたのはジル達の交渉があったからだ。
なので手に入った塩から幾らかを融通すると女将達は言ったのである。
しかしジル達は全部女将達で使って構わないと断っていた。
サービスもしてくれるみたいなので、それで充分と判断したのである。
「気にせず使ってくれ。せっかく沢山あるのだから、少しだけ無料の試食として配ってみるのもいいのではないか?」
「確かに最初は高くて注文しづらいかもなのです。美味しさを知ってもらう作戦としてはありなのです。」
いきなり新メニューとして追加して、しかもそれが他の料理に比べて割高な銀貨3枚もするとなれば、高くて誰も頼まない可能性がある。
なので試食として先ずはフライドポテトの美味しさを知ってもらえば、たとえ高くても注文する者は増えると思われる。
「それはいいね。だったら大量に作らないといけないね。」
「接客までの間、私も厨房に入るね。」
早速二人は厨房に向かっていった。
今から夜までの間に仕込みをするのだろう。
ジル達は部屋に戻り、夕食の時間までのんびり寛いで過ごした。
「そろそろ飯にするか。」
ジル達は待ち切れないと言う事もあり、普段なら人が少ない時間帯を狙って遅くいくのだが、今日は少し早い時間帯に食事処へ向かう事にした。
人の入りはまだ少ないが、時間がもう少し過ぎれば客は増えていくので丁度良い。
「あれ?今日は早く食べるのね。」
いつもより早い時間帯にきたので、リュカが不思議そうに尋ねてくる。
宿屋にずっと泊まっているので食事の時間も大体把握されているのだ。
「ああ、せっかくなら売れ行きを見たいからな。」
美味しさには文句無いが、値段で売れ行きが伸びない可能性はある。
今後も宿屋の食事のバリエーションを増やす目的で異世界料理を教えていく予定なので、参考までに客の反応をある程度見ておきたいと思ったのだ。
「成る程ね。せっかくだし客寄せになってもらってもいい?」
「客寄せ?」
リュカの提案に嫌そうな表情を浮かべるジル。
その言葉から何か目立つ事をさせられるのかと思ったからだ。
「うん、と言っても普通にフライドポテトを食べてくれればいいよ。」
「それなら別にいいぞ。」
しかし特に変な事は無く、普通に食事をしてくれればいいと言われた。
それならば特に断る必要も無さそうである。
「分かった、じゃあ早速持ってくるね。」
そう言ってリュカは厨房に向かった。
ただでさえモンドのやらかしてきた事による補填として、方々に金を流出しまくっているので、これ以上は商会の存続に響いてしまう一大事となってしまう。
「さすがに貰い過ぎるのも悪いか。塩の礼に一つ助言してやろう。」
やり過ぎた気も少なからずするので、ジルは塩のお礼をする事にした。
「助言?」
「次に仕入れをする際には、塩を多めに仕入れた方がいいぞ。」
キクナの様な予知に関するスキルがある訳では無いが、近々塩が大量に必要になってくると言うこの予想は、ジルの中で殆ど確信に近いものと言えた。
「理由は?」
「それはもう直ぐ分かる事だ。」
「えー、そんな曖昧な理由だと判断しづらいな。」
商会長として適当な仕入れをする事は出来無い。
その商会の存続に関わる事なので、必要な物や需要のある物を正確に見極めて選ぶ事が重要なのだ。
判断を誤れば不要な在庫を抱える事になり、利益が上がらなくなってしまう。
「もし余っても我が幾らか引き取ってやろう。」
無限倉庫のスキルがあるジルなら、食材を腐らせる心配も無ければ置き場所に困る心配も無い。
「うーん、それなら少し増やしてみようかな?」
余っても引き取ってくれると言うならば、幾らか多めに仕入れても問題無さそうだと思った。
「またその時には交渉に出向くとしよう。」
「絶対交渉に私はこないけどね!」
また様々な理由を付けられて値切られたら困るので、ジルとの取り引きにトゥーリが顔を出すつもりは無い。
そもそも今回はお詫びをする為にきたので、普通の取り引きは普段から交渉を行なっている商会の者達に任せる。
「領主様を脅すなんて、さすがジルさんだね…。」
「私は寿命が縮まった気持ちだよ。」
交渉が一先ず終わった事で、リュカは呆れつつ女将は安心した様に息を吐いてそう言った。
取り敢えず予想外の量の塩を手に入れる事が出来たので、交渉は大成功と言えた。
「じゃあ塩を持ってくる様に言っておくから、少し待っててね。」
交渉に足を運んでいながらもトゥーリは非常に忙しいらしく、後は他の者に任せて出ていった。
少しすると商会員が大きな塩の入った袋を持ってやってきた。
お金を払って塩を受け取って取り引き終了となる。
予想以上に大量の塩を仕入れる事が出来たので、女将もリュカも上機嫌でビーク商会を後にして宿屋に戻ってきた。
「さて、早速今日の夜から出してみようかね。私は作り方を知らないから、教えてくれるかいリュカ?」
「はーい、簡単だから直ぐに覚えられるよ。」
二人は塩を大量に入手出来た事もあり、早速今日の夜からフライドポテトをメニューとして出してみるらしい。
「我々は退散するか。」
「はいなのです。晩御飯にまたフライドポテトが食べられると思うと嬉しいのです!」
先程大量に食べたと言うのに、シキはまだまだ食べ足りないと言った様子である。
それはジルも同じであり、また早く異世界の料理を食べたいと思っていた。
「二人のおかげで塩を沢山仕入れられたからね、晩御飯はサービスしてあげるよ。」
領主との取り引きではジル達がいなければこれ程の塩を手に入れる事は出来無かっただろう。
その点は女将達も感謝している様で、晩御飯に期待しておいてくれと言われた。
「それは有り難いな。」
「て言うか本当にいらないの?」
リュカが尋ねてきたのは塩についてだ。
予定よりもかなり多く手に入れたのはジル達の交渉があったからだ。
なので手に入った塩から幾らかを融通すると女将達は言ったのである。
しかしジル達は全部女将達で使って構わないと断っていた。
サービスもしてくれるみたいなので、それで充分と判断したのである。
「気にせず使ってくれ。せっかく沢山あるのだから、少しだけ無料の試食として配ってみるのもいいのではないか?」
「確かに最初は高くて注文しづらいかもなのです。美味しさを知ってもらう作戦としてはありなのです。」
いきなり新メニューとして追加して、しかもそれが他の料理に比べて割高な銀貨3枚もするとなれば、高くて誰も頼まない可能性がある。
なので試食として先ずはフライドポテトの美味しさを知ってもらえば、たとえ高くても注文する者は増えると思われる。
「それはいいね。だったら大量に作らないといけないね。」
「接客までの間、私も厨房に入るね。」
早速二人は厨房に向かっていった。
今から夜までの間に仕込みをするのだろう。
ジル達は部屋に戻り、夕食の時間までのんびり寛いで過ごした。
「そろそろ飯にするか。」
ジル達は待ち切れないと言う事もあり、普段なら人が少ない時間帯を狙って遅くいくのだが、今日は少し早い時間帯に食事処へ向かう事にした。
人の入りはまだ少ないが、時間がもう少し過ぎれば客は増えていくので丁度良い。
「あれ?今日は早く食べるのね。」
いつもより早い時間帯にきたので、リュカが不思議そうに尋ねてくる。
宿屋にずっと泊まっているので食事の時間も大体把握されているのだ。
「ああ、せっかくなら売れ行きを見たいからな。」
美味しさには文句無いが、値段で売れ行きが伸びない可能性はある。
今後も宿屋の食事のバリエーションを増やす目的で異世界料理を教えていく予定なので、参考までに客の反応をある程度見ておきたいと思ったのだ。
「成る程ね。せっかくだし客寄せになってもらってもいい?」
「客寄せ?」
リュカの提案に嫌そうな表情を浮かべるジル。
その言葉から何か目立つ事をさせられるのかと思ったからだ。
「うん、と言っても普通にフライドポテトを食べてくれればいいよ。」
「それなら別にいいぞ。」
しかし特に変な事は無く、普通に食事をしてくれればいいと言われた。
それならば特に断る必要も無さそうである。
「分かった、じゃあ早速持ってくるね。」
そう言ってリュカは厨房に向かった。
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