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19章
元魔王様と領主の依頼 1
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再びバイセルの街に戻って盗賊達を引き渡し、今度こそジル達はセダンの街に向けて飛び立った。
依頼した天使や盗賊の情報を即座に把握出来ていなかったのか、街に戻っても貴族に押し掛けられる事も無かった。
「もう直ぐ到着するぞ。」
前方を見ながらスカイの背中に乗っている皆に向けてダナンが言う。
その声を聞いて眠そうにしていた者達がようやく到着かと背伸びしている。
貴族だけで無く送り込まれた天使や盗賊とも一騒動あったので早くセダンの街に帰りたかった。
夜通し飛んだ事もあり明け方には到着出来そうだ。
「あれが普段ジル殿達が過ごしておる街なんじゃな?」
遠くに見えてきた街並みを見てナキナが呟く。
「ああ、中々住み心地がいいぞ。」
「仲の良い知り合いも沢山出来たのです!」
転生してからずっと同じ街で暮らしているので良好な関係を築けた者も増えてきた。
それに街のトップである領主とも気楽な関係を築けているのは生活する上で便利である。
「妾も楽しみなのじゃ。」
「本当にこっちで暮らしていくのか?」
「うむ、ジル殿達が迷惑で無ければ、妾も近くで共に過ごさせてほしい。」
ナキナの事についてはスカイの背中で飛んでいる最中に軽く聞かせてもらった。
これからは仲間に加えてもらいセダンの街で暮らし、一緒に行動させてほしいとの事だった。
元々何も言わずに集落を出ていったジル達を探す為に旅に出たらしい。
そして会ったらお礼として役に立って恩返しをするつもりだったとか。
「我は別に構わないが、共に行動したいのなら勝手な行動はするなよ。」
ジルがすんなりと受け入れた事にナキナは驚いていた。
断られるのではないかとずっと不安だったらしく、許可されて拍子抜けした様子であった。
ジルとしてはナキナは知らない仲でも無いし、鬼人族には少なからず転生して迷惑を掛けた。
勝手な罪滅ぼしかもしれないがこちらの言う事を聞いてくれるのならば、ナキナの自由にさせる事にした。
「ジル殿の言う通りにするのじゃ。」
恩返ししにきたのであって迷惑を掛けにきた訳では無い。
人族の暮らしをしていくのだし、言われた事はしっかりと守るつもりだ。
「やったのです!またお姫様と一緒にいられるのです!」
「妾も嬉しいぞ!シキ殿とライム殿も仲良くしてくれると嬉しいのじゃ。」
シキとライムは鬼人族の集落にいた頃、ナキナと共に行動する時間が長かった。
なので今ではすっかり打ち解けている。
「到着だ。」
セダンの街から少し離れた場所にスカイを着陸させる。
出発の時と同じく街の近くに降りて他の人を驚かせない為だ。
「わしはスカイに飯を食べさせてくるからここで解散としよう。」
ダナンがスカイの上に乗ったまま言う。
「魔物狩りか?手伝うぞ?」
「狩りもスカイの楽しみの一つだから気にするな。また何かあれば店にこい。」
そう言い残してスカイは飛び立っていった。
向かっている方角は魔の森なので、魔物達はレッサーワイバーンと言う捕食者に狙われるだろう。
「我らは街に入るとするか。」
門に近付いていくと閉まっていたのだが、丁度門番が門を開けてくれた。
開門のタイミングとかち合ったらしい。
「おっ、朝から待っている者がいたか。」
「今帰ってきたところだ。」
「それはタイミングが良かったな。身分証を出してくれ。」
通行の手続きとして冒険者カードを差し出す。
シキは契約した精霊であり、ライムは従魔なので身分証は必要無い。
「そう言えばナキナは身分証を持っているのか?」
奴隷は人と言うよりは物の様に一般的に扱われるが、街の出入りに関しては身分証が無ければお金が掛かるらしい。
奴隷の街の出入りにお金が掛からないとなれば、する者がいるとは思えないが奴隷を装って無償で街を出入りしようとする者が出てこないとも限らないかららしい。
「冒険者カードならば持っておるぞ。この前作ったのじゃ。」
門番に自分の冒険者カードを渡す。
ナキナのランクはEとなっている。
ジルの時にもあったがギルドで冒険者になる時にある程度の力量を見極めてランクを決める為にランク選定試験を受ける必要がある。
試験を受けた冒険者が試験官の評価でEFGの三つのランクに分けられる。
ナキナがEランクと言う事は文句無しの実力だと判断されたのだろう。
「よし、通っていいぞ。」
街の中に入ったジル達は早速普段から泊まっている宿屋に向かう。
宿屋前には早朝から掃き掃除をしている看板娘のリュカの姿が見える。
「朝からせいがでるな。」
「ジルさん、今帰ったんだ。おかえり。」
朝から元気にリュカが挨拶してくる。
「ん?そっちの鬼人族の女の人はお客さん?」
ジル達が宿屋に泊まってからそれなりに経つので、見知らぬ人と行動していれば気になるだろう。
「ああ、我の隣りの部屋は空いているか?」
「大丈夫だよ。手続きは後でもいいから鍵渡しておくね。」
早朝に冒険者が帰ってくるのは宿屋をしていれば珍しい事でも無い。
依頼で朝帰りと言う事も多いので疲れているだろうと面倒な作業は後回しにして気を利かせてくれているのだ。
お金も後払いでいいと言うのは信用してくれているのだろう。
「悪いな。」
「感謝するのじゃ。」
リュカに見送られながら部屋に向かう。
積もる話しもあるとは思うが皆疲れているので一旦寝てゆっくり休んでから改めてと言う事になった。
依頼した天使や盗賊の情報を即座に把握出来ていなかったのか、街に戻っても貴族に押し掛けられる事も無かった。
「もう直ぐ到着するぞ。」
前方を見ながらスカイの背中に乗っている皆に向けてダナンが言う。
その声を聞いて眠そうにしていた者達がようやく到着かと背伸びしている。
貴族だけで無く送り込まれた天使や盗賊とも一騒動あったので早くセダンの街に帰りたかった。
夜通し飛んだ事もあり明け方には到着出来そうだ。
「あれが普段ジル殿達が過ごしておる街なんじゃな?」
遠くに見えてきた街並みを見てナキナが呟く。
「ああ、中々住み心地がいいぞ。」
「仲の良い知り合いも沢山出来たのです!」
転生してからずっと同じ街で暮らしているので良好な関係を築けた者も増えてきた。
それに街のトップである領主とも気楽な関係を築けているのは生活する上で便利である。
「妾も楽しみなのじゃ。」
「本当にこっちで暮らしていくのか?」
「うむ、ジル殿達が迷惑で無ければ、妾も近くで共に過ごさせてほしい。」
ナキナの事についてはスカイの背中で飛んでいる最中に軽く聞かせてもらった。
これからは仲間に加えてもらいセダンの街で暮らし、一緒に行動させてほしいとの事だった。
元々何も言わずに集落を出ていったジル達を探す為に旅に出たらしい。
そして会ったらお礼として役に立って恩返しをするつもりだったとか。
「我は別に構わないが、共に行動したいのなら勝手な行動はするなよ。」
ジルがすんなりと受け入れた事にナキナは驚いていた。
断られるのではないかとずっと不安だったらしく、許可されて拍子抜けした様子であった。
ジルとしてはナキナは知らない仲でも無いし、鬼人族には少なからず転生して迷惑を掛けた。
勝手な罪滅ぼしかもしれないがこちらの言う事を聞いてくれるのならば、ナキナの自由にさせる事にした。
「ジル殿の言う通りにするのじゃ。」
恩返ししにきたのであって迷惑を掛けにきた訳では無い。
人族の暮らしをしていくのだし、言われた事はしっかりと守るつもりだ。
「やったのです!またお姫様と一緒にいられるのです!」
「妾も嬉しいぞ!シキ殿とライム殿も仲良くしてくれると嬉しいのじゃ。」
シキとライムは鬼人族の集落にいた頃、ナキナと共に行動する時間が長かった。
なので今ではすっかり打ち解けている。
「到着だ。」
セダンの街から少し離れた場所にスカイを着陸させる。
出発の時と同じく街の近くに降りて他の人を驚かせない為だ。
「わしはスカイに飯を食べさせてくるからここで解散としよう。」
ダナンがスカイの上に乗ったまま言う。
「魔物狩りか?手伝うぞ?」
「狩りもスカイの楽しみの一つだから気にするな。また何かあれば店にこい。」
そう言い残してスカイは飛び立っていった。
向かっている方角は魔の森なので、魔物達はレッサーワイバーンと言う捕食者に狙われるだろう。
「我らは街に入るとするか。」
門に近付いていくと閉まっていたのだが、丁度門番が門を開けてくれた。
開門のタイミングとかち合ったらしい。
「おっ、朝から待っている者がいたか。」
「今帰ってきたところだ。」
「それはタイミングが良かったな。身分証を出してくれ。」
通行の手続きとして冒険者カードを差し出す。
シキは契約した精霊であり、ライムは従魔なので身分証は必要無い。
「そう言えばナキナは身分証を持っているのか?」
奴隷は人と言うよりは物の様に一般的に扱われるが、街の出入りに関しては身分証が無ければお金が掛かるらしい。
奴隷の街の出入りにお金が掛からないとなれば、する者がいるとは思えないが奴隷を装って無償で街を出入りしようとする者が出てこないとも限らないかららしい。
「冒険者カードならば持っておるぞ。この前作ったのじゃ。」
門番に自分の冒険者カードを渡す。
ナキナのランクはEとなっている。
ジルの時にもあったがギルドで冒険者になる時にある程度の力量を見極めてランクを決める為にランク選定試験を受ける必要がある。
試験を受けた冒険者が試験官の評価でEFGの三つのランクに分けられる。
ナキナがEランクと言う事は文句無しの実力だと判断されたのだろう。
「よし、通っていいぞ。」
街の中に入ったジル達は早速普段から泊まっている宿屋に向かう。
宿屋前には早朝から掃き掃除をしている看板娘のリュカの姿が見える。
「朝からせいがでるな。」
「ジルさん、今帰ったんだ。おかえり。」
朝から元気にリュカが挨拶してくる。
「ん?そっちの鬼人族の女の人はお客さん?」
ジル達が宿屋に泊まってからそれなりに経つので、見知らぬ人と行動していれば気になるだろう。
「ああ、我の隣りの部屋は空いているか?」
「大丈夫だよ。手続きは後でもいいから鍵渡しておくね。」
早朝に冒険者が帰ってくるのは宿屋をしていれば珍しい事でも無い。
依頼で朝帰りと言う事も多いので疲れているだろうと面倒な作業は後回しにして気を利かせてくれているのだ。
お金も後払いでいいと言うのは信用してくれているのだろう。
「悪いな。」
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リュカに見送られながら部屋に向かう。
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