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19章
元魔王様と領主の依頼 7
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奴隷から解放されたナキナは嬉しそうに自分の首を何度も触っており、シキとライムもその肩に乗って一緒に触って喜んでいる。
「これで用は済んだし、我らは退散するか。」
ナキナの奴隷解放が目的だったのでもう留まる必要は無い。
それどころか先程まで二人が何かを話していたので邪魔になってしまう。
「話しの邪魔をして申し訳無かったのじゃ。」
ナキナもジルと同じ気持ちの様で二人に頭を下げている。
「まあまあ、そう言わずにもう少しゆっくりしていきなよ。」
帰ろうとしたジルの背中をトゥーリが押して部屋の中に引き入れる。
そのままソファーに座らせられ、ナキナも同じくトゥーリにされるがまま運ばれて座らせられた。
「何かシュミットと話しをしていたのではないのか?」
邪魔になると思っての言葉だったのだが二人はまだいてほしい様子だ。
「うん、少し頼み事をしていたんだ。」
「領主のトゥーリ様から頼まれたら断る訳にもいかんやろ?せやから引き受けるしかないんやけどな。」
シュミットは笑いながら言う。
ほぼ強制的な頼み事みたいだが嫌と言う訳では無いらしい。
「引き受けてくれて助かったよ。これからは同じセダンの街を盛り上げる商会同士、良い関係を築いていきたいからね。」
「モンドの阿保やったら絶対無かったやろうな。」
トゥーリがニコニコと笑いながら差し出した手をシュミットが取って握手している。
どうやら商会長同士のやり取りが行われていたらしい。
「商会の取り引きか?」
ジルと騒動のあった元ビーク商会の商会長であったモンドは捕まり、その後釜にトゥーリが収まった。
商会長としてはシュミットの方が経験が長いので何か頼んだのだろうと推測する。
「大体そんな感じだね。」
「トゥーリ様から買い付けを頼まれたんや。」
シュミットへの頼み事は欲しい商品の仕入れらしい。
領主であるトゥーリは余程の事情が無ければ長期間領地を離れる事は出来無いので代行を頼まれたのだ。
「普通なら自分の商会の者にさせる事ではないのか?」
トゥーリはビーク商会の商会長となったのだから、買い付けも普通であればビーク商会の者に任せる筈だ。
「そうなんだけどビーク商会は行商にきてもらって商品を仕入れてたから、買い付け慣れしている人がいないんだ。」
遠くの場所から物の仕入れを行うのは結構大変な事なのだ。
長旅になる程に魔物や盗賊に襲われる危険が増える。
そうなれば当然護衛は疲弊していくし、馬や商会員も無事に切り抜けられるか分からない。
不慣れな素人を向かわせたく無いのはそう言った経験が圧倒的に足りていないので生き残れる確率が低いと見たからだ。
そうなれば商会員だけで無く馬や馬車も失う事になり、商会としては手痛い出費をしてしまう事となる。
それを考えるとブリジット達が来た時に商会の護衛として騎士を同行させていたのも、用心深いと思う者はいるかもしれないが安全を優先した結果なのだろう。
「そこでわいの出番って訳や。行商に買い付けはお手のものやからな。」
シュミットは高笑いしながら言う。
魔の森で初めて出会った時も行商をしていたらしいし、普段からしているのだろう。
それならば慣れているシュミットに頼むトゥーリの気持ちも分かる。
「成る程な。そんなに何を仕入れたいんだ?」
ビーク商会とて今までに行商してもらっていた伝手があるので、それでも仕入れる量が足りないか新たな商品に手を出そうとしているかのどちらかだろう。
「はぁ~、塩だよ塩。誰のせいで苦労する羽目になったと思ってるんだよ。」
溜め息を吐きながら文句と共にジルを見る。
トゥーリの表情にはジルに苦労させられたと書いてあるかの様だ。
「ジルさんが広めたフライドポテトは最高やで!その最高の料理の為の買い付けや。」
「そう言う事か。」
今セダンの街ではフライドポテトブームと言っていい程に街全体で売られている。
シュミットもその美味しさの虜になっている様だし、それだけの規模となれば塩の供給が追い付かないのも当然だ。
「フライドポテトはとっても美味しいから塩が足りなくなるのも納得なのです。」
最初はジル達の泊まる宿屋だけだったのだが、そこから屋台が増えて街全体に広まるまでに時間は掛からなかった。
今では街を歩けば直ぐにでも見掛ける事が出来る。
「そんなに美味い物があったとは。妾も食べてみたいのう。」
皆の会話を聞いて一人食べた事の無いナキナは羨ましそうにしている。
「宿屋で今日頼むのです!」
「おおお、楽しみじゃ!」
ナキナは晩御飯に食べれると聞いて楽しみにしている。
奴隷から解放されたので出来る事が一気に増えて嬉しいのだろう。
「話しが少し逸れたけど、それでシュミットに海沿いの街に買い付けにいってもらう予定なんだ。」
塩は海水から作れるので海沿いの街では塩の取り引きは盛んだ。
大量に仕入れたい様だし行き先はそうなるだろう。
「ふむ、それを我に話してどうする?」
ジルのせいで塩が足りないから行商すると文句を言いたかっただけなのであればもう帰りたい気持ちだ。
「ジル君がよければ護衛依頼としてシュミットに付いていってもらえないかと思ってね。」
ジルへの護衛の依頼、トゥーリの狙いはこれであった。
「これで用は済んだし、我らは退散するか。」
ナキナの奴隷解放が目的だったのでもう留まる必要は無い。
それどころか先程まで二人が何かを話していたので邪魔になってしまう。
「話しの邪魔をして申し訳無かったのじゃ。」
ナキナもジルと同じ気持ちの様で二人に頭を下げている。
「まあまあ、そう言わずにもう少しゆっくりしていきなよ。」
帰ろうとしたジルの背中をトゥーリが押して部屋の中に引き入れる。
そのままソファーに座らせられ、ナキナも同じくトゥーリにされるがまま運ばれて座らせられた。
「何かシュミットと話しをしていたのではないのか?」
邪魔になると思っての言葉だったのだが二人はまだいてほしい様子だ。
「うん、少し頼み事をしていたんだ。」
「領主のトゥーリ様から頼まれたら断る訳にもいかんやろ?せやから引き受けるしかないんやけどな。」
シュミットは笑いながら言う。
ほぼ強制的な頼み事みたいだが嫌と言う訳では無いらしい。
「引き受けてくれて助かったよ。これからは同じセダンの街を盛り上げる商会同士、良い関係を築いていきたいからね。」
「モンドの阿保やったら絶対無かったやろうな。」
トゥーリがニコニコと笑いながら差し出した手をシュミットが取って握手している。
どうやら商会長同士のやり取りが行われていたらしい。
「商会の取り引きか?」
ジルと騒動のあった元ビーク商会の商会長であったモンドは捕まり、その後釜にトゥーリが収まった。
商会長としてはシュミットの方が経験が長いので何か頼んだのだろうと推測する。
「大体そんな感じだね。」
「トゥーリ様から買い付けを頼まれたんや。」
シュミットへの頼み事は欲しい商品の仕入れらしい。
領主であるトゥーリは余程の事情が無ければ長期間領地を離れる事は出来無いので代行を頼まれたのだ。
「普通なら自分の商会の者にさせる事ではないのか?」
トゥーリはビーク商会の商会長となったのだから、買い付けも普通であればビーク商会の者に任せる筈だ。
「そうなんだけどビーク商会は行商にきてもらって商品を仕入れてたから、買い付け慣れしている人がいないんだ。」
遠くの場所から物の仕入れを行うのは結構大変な事なのだ。
長旅になる程に魔物や盗賊に襲われる危険が増える。
そうなれば当然護衛は疲弊していくし、馬や商会員も無事に切り抜けられるか分からない。
不慣れな素人を向かわせたく無いのはそう言った経験が圧倒的に足りていないので生き残れる確率が低いと見たからだ。
そうなれば商会員だけで無く馬や馬車も失う事になり、商会としては手痛い出費をしてしまう事となる。
それを考えるとブリジット達が来た時に商会の護衛として騎士を同行させていたのも、用心深いと思う者はいるかもしれないが安全を優先した結果なのだろう。
「そこでわいの出番って訳や。行商に買い付けはお手のものやからな。」
シュミットは高笑いしながら言う。
魔の森で初めて出会った時も行商をしていたらしいし、普段からしているのだろう。
それならば慣れているシュミットに頼むトゥーリの気持ちも分かる。
「成る程な。そんなに何を仕入れたいんだ?」
ビーク商会とて今までに行商してもらっていた伝手があるので、それでも仕入れる量が足りないか新たな商品に手を出そうとしているかのどちらかだろう。
「はぁ~、塩だよ塩。誰のせいで苦労する羽目になったと思ってるんだよ。」
溜め息を吐きながら文句と共にジルを見る。
トゥーリの表情にはジルに苦労させられたと書いてあるかの様だ。
「ジルさんが広めたフライドポテトは最高やで!その最高の料理の為の買い付けや。」
「そう言う事か。」
今セダンの街ではフライドポテトブームと言っていい程に街全体で売られている。
シュミットもその美味しさの虜になっている様だし、それだけの規模となれば塩の供給が追い付かないのも当然だ。
「フライドポテトはとっても美味しいから塩が足りなくなるのも納得なのです。」
最初はジル達の泊まる宿屋だけだったのだが、そこから屋台が増えて街全体に広まるまでに時間は掛からなかった。
今では街を歩けば直ぐにでも見掛ける事が出来る。
「そんなに美味い物があったとは。妾も食べてみたいのう。」
皆の会話を聞いて一人食べた事の無いナキナは羨ましそうにしている。
「宿屋で今日頼むのです!」
「おおお、楽しみじゃ!」
ナキナは晩御飯に食べれると聞いて楽しみにしている。
奴隷から解放されたので出来る事が一気に増えて嬉しいのだろう。
「話しが少し逸れたけど、それでシュミットに海沿いの街に買い付けにいってもらう予定なんだ。」
塩は海水から作れるので海沿いの街では塩の取り引きは盛んだ。
大量に仕入れたい様だし行き先はそうなるだろう。
「ふむ、それを我に話してどうする?」
ジルのせいで塩が足りないから行商すると文句を言いたかっただけなのであればもう帰りたい気持ちだ。
「ジル君がよければ護衛依頼としてシュミットに付いていってもらえないかと思ってね。」
ジルへの護衛の依頼、トゥーリの狙いはこれであった。
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