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21章
知識の精霊と金策兎 5
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小1時間も経つとリュカの持ってきた採取用の鞄は入り切らなくなっていた。
花やハーブを沢山回収した後はシキの知識によって薬草類をひたすら回収してまわった。
普段雑草にしか思っていなかった物も様々な用途によって使い道があると知り、リュカも勉強になる採取活動だった。
と言ってもシキ程の知識がある者となると専門家くらいなので、ミハラ草原で回収してまわっている者なんて稀だろう。
「これくらいで充分なのです。鞄も仕舞ってあげるのです。」
「助かる~。まさか鞄に入り切らないとは思わなかったよ。」
いっぱいになった鞄を無限倉庫のスキルに収納する。
それ以外にも鞄に入り切らなかった分は無限倉庫に収納済みだ。
「そろそろ引き上げるとするのです。成果は上々なのです。」
お小遣い稼ぎで薬草の採取を張り切ってくれたおかげで予想以上の収穫となった。
ナキナとライムの方もラピッドラビット狩りは順調の様で沢山持ってきてくれたので金策は大成功である。
「そうしよっか。そう言えば二人は?」
「最後ら辺は戻ってきてないのです。」
ラピッドラビットの血抜きや解体はギルドに任せる事にして取り敢えず仕舞った。
届ける作業があるので定期的にナキナが走ってきていたのだが、ここ10分くらいは見ていない。
「狩り尽くして遠くにいってるとかかな?」
「ちょっと見てみるのです。」
シキはリュカの肩から飛び出して上に上がっていく。
高い位置まで飛び上がると遠くまでよく見渡せる。
精霊眼による遠視でナキナとライムを探す。
「見つけたのです。こっちなのです。」
姿を確認したシキが肩に降り立ち遠くに見つけたナキナ達の方向を指差す。
リュカが歩いて向かうとナキナの後ろ姿が見えてくる。
「ナキナ~ライム~、そろそろ帰るのです。」
「お?そうじゃったか。それならば丁度良かったのじゃ。」
ナキナが嬉しそうに振り向いて言ってくる。
「丁度良いのです?」
「うむ、少し大きめのラピッドラビットを見つけてのう。仕留めるのに苦労したのじゃ。」
ナキナの陰になってシキには見えていなかったが、地面には通常よりも倍のサイズはあろうかと言う程のラピッドラビットが力無く横たわっていた。
「うわ、大きいね。」
「うむ、片足が石化しておったのに無事な足だけでも逃げようとして大変じゃった。」
ライムもその言葉に同意する様に揺れている。
「ま、間違い無いのです。これはキングラピッドラビットなのです!」
大きなラピッドラビットを見てシキが驚きの声を上げる。
どうやらただのラピッドラビットとは違うらしい。
「キングラピッドラビット?」
「普通のとは違うと言う事かのう?」
リュカもナキナも初めて聞く名前であり知らない様子だ。
「全然別物なのです!と言うか上位種なのです!通常種よりも素早くて狩猟難易度は遥かに上なのです!」
「そうじゃったか。通りで苦労させられた訳じゃ。」
それを聞いてナキナは納得する様に頷いている。
他のラピッドラビットはライムの石化のスキルのおかげで簡単に倒せていたのに、このキングラピッドラビットだけ異常に苦戦させられた。
石化のスキルを使ってなお、ナキナが身体強化や魔装を使わないと倒せなかったくらいだ。
上位種ならば通常種以上の素早さを持っていても不思議では無い。
「ねえねえ、上位種って事は高く売れるって事?」
同じ種類の魔物であれば上位種の素材の方が高く売れる。
それはキングラピッドラビットにも当て嵌まる話しだ。
「ラピッドラビットよりも数倍の値段が付くと思うのです。でも売らない方がいいのです。」
「何か使い道があるんじゃな?」
「単純に上位種のお肉の方がすっっっごく美味しいのです!売っても数匹分なら食べた方がお得なのです!」
既にラピッドラビットはナキナとライムが大量に狩ってくれた。
数匹分の値段にしかならないのならば、食べ比べでもした方がいいだろう。
「おおお!それは楽しみじゃのう!」
「帰ったらジル様も含めて皆で食べるのです!」
シキのご主人様であるジルは食に目がない。
転生前に欲求を全て抑え込み強くなる事だけに注力してきた反動なのかもしれない。
「そうじゃな。女将殿とリュカ殿に料理してもらえば間違い無かろう。」
「まっかせて!腕によりを掛けて作るから!」
二人の料理はセダンの街を訪れてからナキナもずっと食べている。
閉鎖的な集落にいた頃と違って様々な美味しい料理を食べられるのでとても気に入っているのだ。
「ならば二人にもお礼として食べてもらわなくてはな。」
「さっすがナキナさん!このパーティー皆気前良くて最高ね!」
「それじゃあ帰るのです。」
最初は苦戦したラピッドラビットを大量に狩れたのとリュカに褒められてナキナは上機嫌であった。
その影響か帰りは来る時よりも何割増しか速い移動となりリュカの悲鳴も割り増していた気がする。
キングラピッドラビットの肉料理に思い馳せてシキ達はギルドに帰還した。
自分達の食べる分を残しつつラピッドラビットや薬草を売り払うのだ。
ミラに買い取りを頼んだが、一度にこれだけの量を持ってきた者はいないと驚かれた。
取れる人が少ないのに需要はあるのでそれなりの金額となり金策は大成功であった。
皆が気分を良くしていると巨漢の女性?がギルドに入ってきて依頼の報告をしてきた。
それを聞いてもう帰ってきたのかとミラが酷く驚いていた。
目の前で話すので聞いていると、どうやらジルと一緒に依頼を受けたらしい。
珍しいと思いながらも丁度会えたので一緒に帰ろうと二人の後を追って外に向かうと、荷車に力無く倒れるジルが目に入ってきた。
花やハーブを沢山回収した後はシキの知識によって薬草類をひたすら回収してまわった。
普段雑草にしか思っていなかった物も様々な用途によって使い道があると知り、リュカも勉強になる採取活動だった。
と言ってもシキ程の知識がある者となると専門家くらいなので、ミハラ草原で回収してまわっている者なんて稀だろう。
「これくらいで充分なのです。鞄も仕舞ってあげるのです。」
「助かる~。まさか鞄に入り切らないとは思わなかったよ。」
いっぱいになった鞄を無限倉庫のスキルに収納する。
それ以外にも鞄に入り切らなかった分は無限倉庫に収納済みだ。
「そろそろ引き上げるとするのです。成果は上々なのです。」
お小遣い稼ぎで薬草の採取を張り切ってくれたおかげで予想以上の収穫となった。
ナキナとライムの方もラピッドラビット狩りは順調の様で沢山持ってきてくれたので金策は大成功である。
「そうしよっか。そう言えば二人は?」
「最後ら辺は戻ってきてないのです。」
ラピッドラビットの血抜きや解体はギルドに任せる事にして取り敢えず仕舞った。
届ける作業があるので定期的にナキナが走ってきていたのだが、ここ10分くらいは見ていない。
「狩り尽くして遠くにいってるとかかな?」
「ちょっと見てみるのです。」
シキはリュカの肩から飛び出して上に上がっていく。
高い位置まで飛び上がると遠くまでよく見渡せる。
精霊眼による遠視でナキナとライムを探す。
「見つけたのです。こっちなのです。」
姿を確認したシキが肩に降り立ち遠くに見つけたナキナ達の方向を指差す。
リュカが歩いて向かうとナキナの後ろ姿が見えてくる。
「ナキナ~ライム~、そろそろ帰るのです。」
「お?そうじゃったか。それならば丁度良かったのじゃ。」
ナキナが嬉しそうに振り向いて言ってくる。
「丁度良いのです?」
「うむ、少し大きめのラピッドラビットを見つけてのう。仕留めるのに苦労したのじゃ。」
ナキナの陰になってシキには見えていなかったが、地面には通常よりも倍のサイズはあろうかと言う程のラピッドラビットが力無く横たわっていた。
「うわ、大きいね。」
「うむ、片足が石化しておったのに無事な足だけでも逃げようとして大変じゃった。」
ライムもその言葉に同意する様に揺れている。
「ま、間違い無いのです。これはキングラピッドラビットなのです!」
大きなラピッドラビットを見てシキが驚きの声を上げる。
どうやらただのラピッドラビットとは違うらしい。
「キングラピッドラビット?」
「普通のとは違うと言う事かのう?」
リュカもナキナも初めて聞く名前であり知らない様子だ。
「全然別物なのです!と言うか上位種なのです!通常種よりも素早くて狩猟難易度は遥かに上なのです!」
「そうじゃったか。通りで苦労させられた訳じゃ。」
それを聞いてナキナは納得する様に頷いている。
他のラピッドラビットはライムの石化のスキルのおかげで簡単に倒せていたのに、このキングラピッドラビットだけ異常に苦戦させられた。
石化のスキルを使ってなお、ナキナが身体強化や魔装を使わないと倒せなかったくらいだ。
上位種ならば通常種以上の素早さを持っていても不思議では無い。
「ねえねえ、上位種って事は高く売れるって事?」
同じ種類の魔物であれば上位種の素材の方が高く売れる。
それはキングラピッドラビットにも当て嵌まる話しだ。
「ラピッドラビットよりも数倍の値段が付くと思うのです。でも売らない方がいいのです。」
「何か使い道があるんじゃな?」
「単純に上位種のお肉の方がすっっっごく美味しいのです!売っても数匹分なら食べた方がお得なのです!」
既にラピッドラビットはナキナとライムが大量に狩ってくれた。
数匹分の値段にしかならないのならば、食べ比べでもした方がいいだろう。
「おおお!それは楽しみじゃのう!」
「帰ったらジル様も含めて皆で食べるのです!」
シキのご主人様であるジルは食に目がない。
転生前に欲求を全て抑え込み強くなる事だけに注力してきた反動なのかもしれない。
「そうじゃな。女将殿とリュカ殿に料理してもらえば間違い無かろう。」
「まっかせて!腕によりを掛けて作るから!」
二人の料理はセダンの街を訪れてからナキナもずっと食べている。
閉鎖的な集落にいた頃と違って様々な美味しい料理を食べられるのでとても気に入っているのだ。
「ならば二人にもお礼として食べてもらわなくてはな。」
「さっすがナキナさん!このパーティー皆気前良くて最高ね!」
「それじゃあ帰るのです。」
最初は苦戦したラピッドラビットを大量に狩れたのとリュカに褒められてナキナは上機嫌であった。
その影響か帰りは来る時よりも何割増しか速い移動となりリュカの悲鳴も割り増していた気がする。
キングラピッドラビットの肉料理に思い馳せてシキ達はギルドに帰還した。
自分達の食べる分を残しつつラピッドラビットや薬草を売り払うのだ。
ミラに買い取りを頼んだが、一度にこれだけの量を持ってきた者はいないと驚かれた。
取れる人が少ないのに需要はあるのでそれなりの金額となり金策は大成功であった。
皆が気分を良くしていると巨漢の女性?がギルドに入ってきて依頼の報告をしてきた。
それを聞いてもう帰ってきたのかとミラが酷く驚いていた。
目の前で話すので聞いていると、どうやらジルと一緒に依頼を受けたらしい。
珍しいと思いながらも丁度会えたので一緒に帰ろうと二人の後を追って外に向かうと、荷車に力無く倒れるジルが目に入ってきた。
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