【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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29章

元魔王様と成り行きテイム 2

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 タイプCを加えたジル達は13階層を突破して14階層まで降りてきていた。
ここまでくるとルルネットと互角以上の魔物が多くなってきて、一人では毎回苦戦してくる。

「ふぅ、なんとか倒せたわね。」

 ルルネットが額の汗を拭いながら一息付く。
タイプCに魔物を解析してもらい、情報を貰っての戦闘で何とか互角であった。
後方からのサポートがあればまだ戦えるレベルだ。

「ルルネット様、タオルをどうぞ。」

「ありがと。」

 ここには専属メイドのサリーがいないので、タイプCが真似事をしている。

「索敵だけは欠かさずにやっておくんだぞ。この階層からルルネットにとっては更に危険になっていくんだからな。」

 自分の攻撃では魔物を一撃で倒したり出来無いのに、相手の攻撃では一撃で致命傷になる。
攻撃特化の戦闘スタイルなので防御は紙同然だ。

「分かってるわよ。小まめにやって…って魔物!?こんな近くにいつの間に!?」

 感知のスキルを使うと直ぐ近くに反応があった。
あまりの近さに少し慌ててしまっている。

「だから油断するなと言っているだろうが。取り敢えず慌てず構えろ。位置は掴んでいるんだからな。」

 感知スキルを使ったが姿はまだ視界に映っていない。
それでも位置は把握しているので、その方向を注意していれば問題無い。

「出てこないわね。」

 数十秒構えを解かないで待ち受けているのだが動きが全く無い。

「気付かれていないのかもしれないな。それなら奇襲もありかもしれない。」

「分かったわ。さあ、私に狩られなさ…あれ?」

「どうした?」

 ルルネットが奇襲を仕掛けようと曲がり角を勢い良く曲がっていったのだが、何故か減速して途中で止まってしまった。
続いてジルも曲がり角を曲がると、そこにはルルネットと小さな一匹の魔物がいた。

「か、か、かわいいいい!」

 ルルネットは魔物を見てそう叫んでいる。
どうやら目の前にいる魔物に心を奪われた様だ。

「クォオ。」

 警戒する様に魔物は見てくるが、足を怪我しているので逃げられない様だ。
魔物は小さな狐の様な見た目をしているが動物では無い。
その証拠に尻尾が二つ生えている。

 この魔物の名前はディバースフォクスと言って見た目が狐に似ており、成長すると尻尾の数が増えていくのが特徴の魔物である。

 そして尻尾の数だけ魔法の適性を得る事が出来る少し特殊な魔物でもある。
現在の尻尾の数は二つなので、二つの魔法適性を持っている事になる。

「ジル、どうしよう!可愛過ぎて倒せないよ!」

 ディバースフォクスを前に短剣を構えながらルルネットがウロウロしている。
目が完全にハートマークになっておりメロメロであった。

「それなら我が変わってやろう。」

「マスターのお手を煩わせるまでもありません。ここは私にお任せ下さい。」

「ちょっと待ったあああ!」

 ルルネットはディバースフォクスを後ろに庇いながら、銀月の刀に手を添えたり、連動外装を取り出したりしている物騒な二人の視界から隠す。

「ルルネット、魔物を目の前にして何をしている。」

「手負いの相手とは言え背中を向けるなんて駄目ですよ。」

 魔物は様々な能力を持っているのでどんな相手でも倒すまで油断は出来無い。
背中を向けるなんて最悪な選択肢と言える。

「こおおおんなに可愛い魔物なのに平然と倒せるの!?」

 なんの躊躇も無くディバースフォクスを倒そうとした二人を見て尋ねる。
人の心が無いのではないかとルルネットは思ったくらいだ。

「何を今更、お前だってここにくるまで様々な魔物を倒してきたではないか?少し見た目が気に入っただけで見逃すのか?」

「外見に違いはあれど全て同じ魔物には変わりありません。ダンジョン探索が目的なのですから討伐して進むのが一番です。」

 ジルとタイプCは討伐と言う意見で一致している。
それに高ランクの魔物を倒せばドロップアイテムにも期待出来るので、強さに自信があるのならダンジョンでは積極的に狩るべきである。

「二人には人としての心は無いの!?」

 ルルネットはこんなに可愛い魔物を見た事が無かった。
もう狩る対象として見る事なんて出来無い。

「先程万能薬を渡してやっただろ?我程の人格者はそういない。」

「私はそもそも人ではありませんので。」

「じ、じゃあ私がテイムする!それなら文句無いでしょ?」

 二人にドロップアイテムに変えられるくらいなら自分の従魔にする。
とにかくこの子を倒さず生かしてあげたかった。

「ダンジョンについては学んだんだろう?ダンジョン内の魔物はテイム不可だぞ?」

 ジルの言う通りダンジョンで生成された魔物は全て、テイムの対象外となっている。
普通の魔物とダンジョンの魔物は異なる存在なのか、そう言う条件があるのだ。
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