【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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33章

元魔王様と討伐競争 7

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 ジル達と別れたシキ達はダンジョンの敵を倒しながら通路を進んでいた。
ホッコの氷結魔法で殆どの敵は倒す事が出来るし、タイプBにとっては全て一撃で倒せる魔物ばかりなので、苦戦する事も無い。

「シキ様、このままダンジョンを徘徊して倒していては勝てないのではないですか?」

 タイプBが目の前にいるリビングアーマーを大鎌で一閃してドロップアイテムに変えながら言う。
もはや武器を振るだけで魔物は倒れるのでタイプBにとってはながら作業で充分であった。

「その通りなのです。ナキナ達とは良い勝負だとしてもジル様達には勝てないのです。」

 ジルはハンデとして魔法やスキルを使用しない事になっているが、影丸がいる事で移動速度は三チームで群を抜いている。
同じ様にダンジョンを徘徊して狩っていってもペースはジル達の方が早いだろう。

「何か作戦はないのでしょうか?」

「クォオ?」

 タイプBとホッコがシキに期待する様に尋ねてくる。
勝者のチームにはジルから賞品がある。
シキは異世界の甘味で、タイプBとホッコは別の何かを貰える事になっている。

 魔法生命体と従魔であっても欲しい物はあるので、この戦いはなんとしてでも勝ちたい。
このチームの勝利の鍵は豊富な知識を蓄えているシキの采配に掛かっているのである。

「とーーーぜんあるのです!シキにお任せなのです!」

 シキが自信満々に胸を逸らして言っており、それを聞いたタイプBとホッコは拍手する。
ホッコは器用に前足を上げて拍手していた。

「取り敢えずタイプBが適当に走ってくれたので地形が把握出来たのです。これを使って作戦を決行するのです。」

 最初適当に魔物狩りをしていた間にシキはダンジョンの複雑な地形を覚えていたのだ。
一度見聞きした情報は完全に記憶出来るシキだからこそ成せる技だ。

「ホッコ、アイスウォールをそこに使ってほしいのです。」

「クォン!」

 シキが指差した場所にホッコが氷結魔法を使うと、地面から氷の壁が出現して通路を完全に塞ぐ。
分厚い氷の壁は直接衝撃が加えられない限りそれなりの時間は保つ。

「どんどんいくのです。」

 魔物を狩りながらシキの指示する場所に氷の壁を作って通路を塞ぐ作業を繰り返していく。
暫くその作業をした後に、シキ達は行き止まりの広い部屋にやってきた。

「準備万端なのです!」

「ここで何をするのでしょうか?」

「クォオ?」

 満足気なシキと違ってタイプBとホッコは意図が分かっていないので不思議な表情を浮かべている。

「これから魔物をこの部屋で狩りまくるのです!」

「何もいませんが?」

「ダンジョンの魔物の習性を利用して来てもらうのです。」

 そう言ってシキがダンジョンの魔物達の習性について教えてくれた。
ダンジョン内の魔物は外の魔物と違う部分が幾つかある。
ホッコをテイムした時にもジルが言っていたがテイムもその内の一つだ。

 そしてその中の一つを今回シキは利用しようと考えた。
それはダンジョン内の魔物はダンジョン外の生命体に攻撃的になると言う習性だ。
ダンジョン内の魔物は、言わばダンジョンと言う城を守る為の兵士の様な役割りを担っているらしい。

 その役割りに従い侵入者を見つければダンジョンを守る為に排除しようと行動すると言う。
自分から探しにいかなくても向こうが認知してくれれば襲いにきてくれるのである。

「成る程、そんな習性があったとは知りませんでした。さすがはシキ様ですね。」

「そこでタイプBにはハンマーで派手に戦ってほしいのです。音を聞き付けて魔物達が向かってきてくれるのです。」

「分かりました。『換装!』」

 タイプBは装備を入れ替えて巨大なハンマーを取り出す。

「壁を殴ってればその内きてくれるのです。壁は自動修復するから破壊しても構わないのです。」

 タイプBはこくりと頷いて近場の壁をハンマーで殴り付ける。
すると轟音が辺りに響いてダンジョンの壁が大きく陥没する。

 そのまま数回殴っていると壁が破壊されて、壁の向こうの通路と繋がる。
すると早速音を聞き付けたのか奥の方から魔物が向かってきているのが見えた。

「壁を破壊する程魔物も入ってきやすいかもしれないですね。」

「余計な場所にいったり迷ったりしない様にホッコの魔法で通路は単純にしてるから入れ食いになる筈なのです。」

 ホッコに氷の壁を出してもらった理由がそれだ。
音を聞き付けた魔物がなるべく一直線に向かってきてくれる様に邪魔な通路を潰したのである。

「戦いは役に立たないから任せるのです。」

「お任せ下さい。」

「クォン!」

 シキの作戦通りに魔物達が次々に向かってきてくれる様になったので、ここからは自分達の出番とばかりにタイプBとホッコが意気込んで魔物に向かっていった。
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