【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

文字の大きさ
364 / 1,122
42章

元魔王様と浮島の第一住民 1

しおりを挟む
 浮島に戻ると早速手が加えられていた。
ログハウスが既に二つ建てられており、三つ目をタイプBとタイプCが作っている。

「そんなに作ってどうするんだ?」

 浮島の住人はジル達だけなのでそんなに家がほしいとは思えない。

「お帰りなさいなのです。これは同じ様に見えて用途が違うのです。」

「用途?」

「一つは拠点なのです。シキ達が浮島で生活するときに使うのです。」

 そう言われて中を見ると居住用の家具が色々と置かれている。
快適な暮らしが出来る様に高級宿にも劣らない家具や装飾となっている。

「二つ目は実験場なのです。異世界の物を作ったり育てたりするのに使うのです。」

 確かに同じ見た目の建物だが中身は全然違う。
怪しい研究施設とでも言ったところだ。

「三つ目は?」

「それも実験場なのです。その後にも幾つか作るのですけど、全部実験場なのです。」

「実験場しかないじゃないか。」

 そんなに必要なのかとジルは疑問に思った。

「仕方無いのです。そう言った場所をシキはずっと求めていたのです。」

 知識を得てもそれを好き勝手に活用出来る場所は少なかった。
シキの知識はこの世界にとっては貴重なものも多いので、簡単に教え広める訳にはいかないのである。

「それくらい場所が無いと足りないと言う事か。」

「プライベート空間だから好き勝手したいのです。」

「まあ、そう言う目的で購入したんだしな。好きにするといい。」

「やったのです!」

 シキは喜びを表す様に空中をくるくると回りながら飛んでいる。
浮島は何かと秘密の多い自分達が気兼ね無く暮らせる為に買ったプライベートな場所なので、自由に過ごせるのが一番である。

「ナキナはまだ戻ってないのか?」

「魔の森で魔物狩りを楽しんでいるのです。影丸の雄叫びが何回か聞こえてきたのです。」

 ナキナと影丸は浮島の魔の森で狩りを楽しんでいる様だ。
地上のと比べると小規模ではあるが、それでもかなりの広さがあるので魔物も沢山いる筈だ。
戦闘訓練にはもってこいである。

「それなりの範囲の魔の森を貰えたが、魔物の強さはどうなんだろうな?」

「高ランクは浮島の外周部くらいじゃないのです?」

「そうだろうな、中心に近い部分は低ランクの魔物ばかりだろう。」

 浮島を形成する土地の半分くらいは魔の森であり、もう半分くらいは平原となっている。
地上の魔の森の外周部が浮島の中心近くになっているので、逆に浮島の外周部の方が高ランクの魔物が生息している事になる。

「それでも魔物の対策はしておく必要があるな。」

 自分達の拠点となる建物は魔の森の近くに建てられている。
セダンの街と比べても大分近くにあるので、対策しておかなければ魔の森から現れる魔物に破壊されるかもしれない。

「どんな対策をするのです?」

「無限倉庫の肥やしとなっている魔法道具が大量にあるし、こう言う時こそ出番だな。」

 無限倉庫のスキルから良さげな魔法道具を探して取り出す。
ジルの身長の二倍近くはありそうな筒状の物体だ。

「確か魔法塔と言う魔法道具だったのです。」

「正解だ。周囲の敵対生物に対して自動的に魔法を放って攻撃してくれる。」

 攻撃対象を設定すればこの魔法道具が自動的に迎撃してくれる。
魔物で言うとマジックモニュメントの様な機能だ。

「これを拠点と魔の森の間に等間隔で設置しておけば、魔物が害を及ぼす事も無いだろう。」

 低ランクの魔物では破壊出来無いくらい頑丈である。
しかも魔法による攻撃力も高いので触れる事も難しいだろう。

「他の人が聞いたら絶対欲しがるのです。無人防衛装置なんて門や屋敷に幾らでも設置したいのです。」

 王侯貴族であれば誰もが欲しがりそうな魔法道具だ。
魔法道具の近くにいれば護衛の代わりにもなる。

「だろうな。だが封印指定の魔法道具だから譲るのは無理だな。」

 シキの仕分けによって世の中には出さない方がいいと封印された物だ。
なので浮島に設置するくらいしか使い道が無い。

「明らかに現代では作れないレベルの魔法道具なのです。世に出回ったら大変なのです。」

 対象は人にも設定出来るので悪用されれば被害はかなり大きくなるだろう。
これの存在を欲深い者達に気付かれてしまえば、世の中はお手軽戦争時代に突入してしまう。

「色々と出来ておるのう。」

「戻ったか。」

「狩りは終わったのです?」

 二人が話していると影丸に乗ったナキナが魔の森の方から戻ってきた。

「その事なのじゃが、報告の為に一度戻ってきたのじゃ。」

「何かあったのか?」

「うむ、影丸と共に魔の森を探索していたのじゃが、少し奥に入った場所に魔物の集落を発見したのじゃ。」

 そう言ってナキナが魔の森を指差した。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。

白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。 王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。 物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。 そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。 原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。 彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。 マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが― 「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」 なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。 こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。 ※他小説投稿サイトにも投稿中

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...