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43章
元魔王様と天使族の襲来 1
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浮島で様々な魔法道具の実験をして日々を過ごしているとダナンから連絡があった。
頼んでいたタイプB用の刀が出来上がったらしいので早速受け取りに向かう。
「ジル、待っていたぞ。」
「随分と早かったな。」
「高純度のミスリルを使っての武器製作はわしも楽しいからな。つい夢中になってのめり込んでしまった。」
ダナンは満足そうな表情で言うが目元には隈が出来ている。
あまり睡眠を取らずに武器を打つ事に時間を注ぎ込んでいた様だ。
有り難い事だがいつか熱中し過ぎて倒れないか心配である。
「出来はどうだ?」
「誰に言っている。エルダードワーフのわしが打ったんだ、最高の出来に決まっている。」
テーブルに置かれた刀を鞘から抜いていく。
綺麗で薄い白い刀身が特徴的な刀である。
「名前は決まっているのか?」
「ジルが手を加えるんだろう?名はその後だな。」
しっかりと刀が完成してから命名したい様だ。
ダナンなりの拘りなのだろう。
「そうだったか。実はどう手を加えようか決めてはいないのだ。何か良い案はあるか?」
手を加えて強化するのは確定事項だが方向性は決まっていない。
タイプBであればどんな物でも喜ぶと思うので、強化に関しては刀を製作したダナンの意見を参考にしようと思っていた。
「そもそも魔法武具にすると言っているがどうやってするんだ?」
普通は刀を打つ段階までに魔法武具にする為の素材を使用しているのだが、今回は刀が完成した後の後付けだ。
普通であればこの段階から魔法武具にする一般的な手段は無い。
なのでダナンは方法が気になっていた。
「魔物の素材や特殊な鉱石を刀に取り込ませ、新たな能力を付加するのだ。そう言うスキルを持っている。」
ジルが持つスキルが無ければ後付けなんて方法は出来はしない。
大量のスキルを所持していた魔王の頃の恩恵と言ったところだ。
「成る程、羨ましいスキルを持っているな。ならば無難ではあるが火系統の能力なんていいんじゃないか?硬い魔物が相手でもこのミスリルの刀に火を纏わせれば、簡単に焼き斬れるだろう。」
「火か、無難だが悪くはないな。」
刀による斬撃や刺突の威力を分かりやすく高めてくれる。
タイプBの装備の中に属性効果を持つ物も無かったので丁度良いだろう。
「何か良い素材は…、あれにしよう。」
無限倉庫のスキルを使用して良い素材がないか探していると、ついこの前手に入れた丁度良さそうな素材を見つけた。
大きな魔石を取り出してテーブルに置く。
「随分と立派な魔石だな。高ランクの魔物か?」
「ああ、火を吐くのが得意な魔物の魔石だ。使い道を決めていなかったから丁度良い。」
これはスタンピードの時に魔の森の研究施設で倒したドラゴンの魔石だ。
魔物の中で言えば最高峰の素材である。
下手に名前を出せば色々と追求されるかもしれないのでドラゴンとは口にしない。
解体に関してもギルドに持ち込めば騒ぎになるのは目に見えているので、多少解体経験のあるナキナに頑張ってもらって解体したのだ。
そしてドラゴンの魔石と刀をジルの持つ融合のスキルで混ぜ合わせて、刀に魔石の力を取り込ませる。
「白い刀身に模様が付いたな。」
魔石を取り込ませた事により刀身が少し変化した。
一瞬で終わったが強化は完了である。
「綺麗な朱色だ、見た目は悪くない。」
「後は使い勝手だな。多分魔装すれば。」
ジルが手に持った刀を魔装すると刀身が荒々しい炎に包まれる。
「魔装させると刀が炎を纏う様だな。上級火魔法、フレイムエンチャントの強化版と言ったところか。」
かなりの攻撃力が期待出来そうな魔法武具となった。
魔王時代に作ったタイプBの武器にも負けていないだろう。
「良い魔法道具になったな。ではダナン、命名してくれ。」
「名は白焔としよう。白き刀身に薄く朱色の模様が混ざっている事からそう名付ける。使い手次第だが、銀月を超える業物かもしれんな。」
命名した白焔を手に持って満足そうに頷いている。
ジルの強化作業にも満足してくれた様である。
「我の仲間が使うからそれくらいで丁度良い。助かったぞ。」
「また何か武器を頼みたい時は来るといい。当然お代はミスリルで貰う事になるがな。」
もうダナンはジルの持つ高純度のミスリル鉱石クラスでなければ扱いたくないのかもしれない。
それ程優れた鉱石なのだ。
「もう相当数のミスリルを渡していると思うが、まだ足りないのか?」
無限倉庫の中には文字通り山の様に在庫があるが、ダナンにもかなりの量を渡している筈だ。
そしてインゴットの売却や武器製作以外のミスリル鉱石はダナンの手持ちとして受け取っているので、相当数所持している筈である。
「世界中探しても滅多に見つからない高純度のミスリルなんだぞ?どれだけ在庫を確保出来てもわしは欲するぞ。」
「ならば次もミスリル鉱石で依頼させてもらう。刀は確かに受け取った。」
「ミスリルは他のところに流さず全部わしの元へ持ってくるんだぞ。」
店を出る時にそう声を掛けられるが勿論そのつもりだ。
魔王時代に石ころ感覚で拾っていたので無限倉庫の中のミスリル鉱石の在庫はそう簡単には尽きない。
これがある限り世界一レベルの腕を持つダナンに依頼を断られる事は無さそうなので今後も贔屓にさせてもらう予定だ。
頼んでいたタイプB用の刀が出来上がったらしいので早速受け取りに向かう。
「ジル、待っていたぞ。」
「随分と早かったな。」
「高純度のミスリルを使っての武器製作はわしも楽しいからな。つい夢中になってのめり込んでしまった。」
ダナンは満足そうな表情で言うが目元には隈が出来ている。
あまり睡眠を取らずに武器を打つ事に時間を注ぎ込んでいた様だ。
有り難い事だがいつか熱中し過ぎて倒れないか心配である。
「出来はどうだ?」
「誰に言っている。エルダードワーフのわしが打ったんだ、最高の出来に決まっている。」
テーブルに置かれた刀を鞘から抜いていく。
綺麗で薄い白い刀身が特徴的な刀である。
「名前は決まっているのか?」
「ジルが手を加えるんだろう?名はその後だな。」
しっかりと刀が完成してから命名したい様だ。
ダナンなりの拘りなのだろう。
「そうだったか。実はどう手を加えようか決めてはいないのだ。何か良い案はあるか?」
手を加えて強化するのは確定事項だが方向性は決まっていない。
タイプBであればどんな物でも喜ぶと思うので、強化に関しては刀を製作したダナンの意見を参考にしようと思っていた。
「そもそも魔法武具にすると言っているがどうやってするんだ?」
普通は刀を打つ段階までに魔法武具にする為の素材を使用しているのだが、今回は刀が完成した後の後付けだ。
普通であればこの段階から魔法武具にする一般的な手段は無い。
なのでダナンは方法が気になっていた。
「魔物の素材や特殊な鉱石を刀に取り込ませ、新たな能力を付加するのだ。そう言うスキルを持っている。」
ジルが持つスキルが無ければ後付けなんて方法は出来はしない。
大量のスキルを所持していた魔王の頃の恩恵と言ったところだ。
「成る程、羨ましいスキルを持っているな。ならば無難ではあるが火系統の能力なんていいんじゃないか?硬い魔物が相手でもこのミスリルの刀に火を纏わせれば、簡単に焼き斬れるだろう。」
「火か、無難だが悪くはないな。」
刀による斬撃や刺突の威力を分かりやすく高めてくれる。
タイプBの装備の中に属性効果を持つ物も無かったので丁度良いだろう。
「何か良い素材は…、あれにしよう。」
無限倉庫のスキルを使用して良い素材がないか探していると、ついこの前手に入れた丁度良さそうな素材を見つけた。
大きな魔石を取り出してテーブルに置く。
「随分と立派な魔石だな。高ランクの魔物か?」
「ああ、火を吐くのが得意な魔物の魔石だ。使い道を決めていなかったから丁度良い。」
これはスタンピードの時に魔の森の研究施設で倒したドラゴンの魔石だ。
魔物の中で言えば最高峰の素材である。
下手に名前を出せば色々と追求されるかもしれないのでドラゴンとは口にしない。
解体に関してもギルドに持ち込めば騒ぎになるのは目に見えているので、多少解体経験のあるナキナに頑張ってもらって解体したのだ。
そしてドラゴンの魔石と刀をジルの持つ融合のスキルで混ぜ合わせて、刀に魔石の力を取り込ませる。
「白い刀身に模様が付いたな。」
魔石を取り込ませた事により刀身が少し変化した。
一瞬で終わったが強化は完了である。
「綺麗な朱色だ、見た目は悪くない。」
「後は使い勝手だな。多分魔装すれば。」
ジルが手に持った刀を魔装すると刀身が荒々しい炎に包まれる。
「魔装させると刀が炎を纏う様だな。上級火魔法、フレイムエンチャントの強化版と言ったところか。」
かなりの攻撃力が期待出来そうな魔法武具となった。
魔王時代に作ったタイプBの武器にも負けていないだろう。
「良い魔法道具になったな。ではダナン、命名してくれ。」
「名は白焔としよう。白き刀身に薄く朱色の模様が混ざっている事からそう名付ける。使い手次第だが、銀月を超える業物かもしれんな。」
命名した白焔を手に持って満足そうに頷いている。
ジルの強化作業にも満足してくれた様である。
「我の仲間が使うからそれくらいで丁度良い。助かったぞ。」
「また何か武器を頼みたい時は来るといい。当然お代はミスリルで貰う事になるがな。」
もうダナンはジルの持つ高純度のミスリル鉱石クラスでなければ扱いたくないのかもしれない。
それ程優れた鉱石なのだ。
「もう相当数のミスリルを渡していると思うが、まだ足りないのか?」
無限倉庫の中には文字通り山の様に在庫があるが、ダナンにもかなりの量を渡している筈だ。
そしてインゴットの売却や武器製作以外のミスリル鉱石はダナンの手持ちとして受け取っているので、相当数所持している筈である。
「世界中探しても滅多に見つからない高純度のミスリルなんだぞ?どれだけ在庫を確保出来てもわしは欲するぞ。」
「ならば次もミスリル鉱石で依頼させてもらう。刀は確かに受け取った。」
「ミスリルは他のところに流さず全部わしの元へ持ってくるんだぞ。」
店を出る時にそう声を掛けられるが勿論そのつもりだ。
魔王時代に石ころ感覚で拾っていたので無限倉庫の中のミスリル鉱石の在庫はそう簡単には尽きない。
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