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46章
元魔王様とエルフの里 4
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里の中は特に戦闘の跡は見られないがエルフは全くいない。
先程のエルフ達の様に里から少し離れた場所で待機しているのだろう。
「魔物は世界樹に引っ付いてる。里の中にはいない。」
「あくまでも世界樹の魔力が狙いと言う事か。」
「そう。」
世界樹にしか興味が無いのでエルフ達が何もしてこなければ魔物も何もしないらしい。
しかし世界樹から恵みを受けるエルフからすれば世界樹を守る事が使命なので放置は出来無い。
戦う事は避けられず、何度も返り討ちにあっている。
「どんな魔物なんだ?」
「おっきな蛾。長老はギガントモスって言ってた。」
その名前は前世で聞き覚えがあった。
瞬殺だったが直接見た事もあったので容姿は分かる。
ギガントモスはSランクの魔物であり、殆どの攻撃に対してかなり高い耐性を持ち合わせているが、唯一火魔法が弱点だった筈だ。
「エルフ達で対処出来無いのも納得だ。世界樹に接触しているんだからな。」
「世界樹から離れてれば里の皆で倒せた。でもあいつはずっと世界樹から離れない。」
魔力を世界樹から吸収していない時でも世界樹にくっ付いているらしい。
そうなると世界樹に危害を加える強大な魔法は使えない。
ただでさえ高い耐性を持っているのに、主力となる魔法を十全に発揮出来無いのでは引き剥がすのに苦労するだろう。
「だからエルミネルが引き剥がしに掛かった訳か。」
「そう。途中まではいい感じだった。でも呪いで無理だった。」
話しを聞くとエルミネルは一度世界樹から引き剥がす事に成功したらしい。
しかし直ぐにギガントモスから攻撃を受けて地面に降ろされ、戦いの最中に受けた呪いでそれ以上の追撃は難しかったと言う。
「我と二人掛かりならいけると言う事か。」
「いけると思う。」
制限を解除すればそんな魔物は簡単に対処可能だが、それはエルミネルに教えてはいない。
二人で対処出来るなら別に使う必要も無いだろう。
「あれがギガントモス。」
「おいおい、随分と大きいな。」
前世に見たギガントモスとは比較にならない。
広がった不気味な両羽の直径は世界樹の巨木に並ぶ程の大きさだ。
「あれは世界樹の魔力を吸って育ってる。最初はあんなに大きく無かった。」
「それだけ魔物にとっては極上の餌と言う事か。」
現在も口から伸ばした触手が世界樹に空けられた窪みに伸ばされ美味しそうに食事中だ。
そして世界樹は枝や葉がその影響を受けて現在進行形で枯れていっている。
昔見た世界樹は生い茂る枝葉で神々しい程の存在感を放っていたが、今は見る影も無いくらい痩せ細っている印象だ。
地面には枯れ落ちた大きな枝葉が大量に落ちている。
本来なら世界樹から取れる枝葉は貴重な素材となるのだが、こうなっては使い物にならず勿体無いと感じる。
「早速排除する。世界樹が可哀想。」
「どう言う感じでやるんだ?」
「私が殴って引き剥がす。ジルが燃やして終わり。」
随分とシンプルな作戦内容だ。
しかしある程度世界樹から離さなければ火魔法を使うのは難しい。
あの巨体を燃やすとなるとそれなりの火魔法を使う必要があるのだ。
「引き剥がすのは我も協力する。呪いに掛からない様にだけ気を付けておけ。」
「分かった。最初の攻撃は任せる。」
エルミネルはそう言うと真上を見ながら膝を折り曲げてしゃがむ。
そして身体全体が魔装されていく。
そのまま地面を蹴り矢の様に解き放たれたエルミネルは真っ直ぐギガントモスに向けて突っ込む。
「武闘術・手式、破拳!」
勢いのままに片手を膨大な魔力で魔装してギガントモスを殴り付ける。
ギガントモスの身体にエルミネルの拳が少し埋まる。
「キシー!」
ギガントモスは甲高い悲鳴の様な声を上げている。
エルミネルの攻撃でダメージは与えられた様だ。
しかし身体に穴を空けるどころか血の一滴すら吹き出していない。
高い耐性を持つ魔物の厄介なところだ。
「前回よりも硬い。」
「それだけ成長していると言う事だろう、な!」
いつの間にか隣りにきていたジルが銀月でギガントモスに斬り掛かっている。
しかし刀も身体に少し埋まるだけで切れてはおらず、押し返されてしまう。
「弾力性のある身体だな。」
「どうする?」
「世界樹とギガントモスの間から同時攻撃といくか。攻撃は効いていない訳じゃ無い様だしな。」
「分かった。」
二人は世界樹の表面の凹凸を利用して上に駆け上がる。
すると上の方から黒いモヤが降り注いできた。
「呪いがくる。」
「当たらない様に気を付けろよ。」
駆け上がりながら二人は器用にギガントモスの魔法を回避する。
あれを受ければ様々な呪いを受けて行動に支障をきたし、戦闘すらも困難になってしまう。
「いけるか?」
「いつでも。」
駆け上がった二人はギガントモスの身体の中腹辺りにいた。
ジルの銀月とエルミネルの手に魔力が集約する。
タイミングを合わせて二人はギガントモスに攻撃を放つ。
「抜刀術・断界!」
「武闘術・手式、掌撃!」
ジルの斬撃とエルミネルの掌底がギガントモスに襲い掛かるが、高い耐性により見た目の負傷は一切無い。
しかし二人の攻撃力によりギガントモスは強制的に世界樹から引き剥がされて、その巨体は空中に浮いた。
先程のエルフ達の様に里から少し離れた場所で待機しているのだろう。
「魔物は世界樹に引っ付いてる。里の中にはいない。」
「あくまでも世界樹の魔力が狙いと言う事か。」
「そう。」
世界樹にしか興味が無いのでエルフ達が何もしてこなければ魔物も何もしないらしい。
しかし世界樹から恵みを受けるエルフからすれば世界樹を守る事が使命なので放置は出来無い。
戦う事は避けられず、何度も返り討ちにあっている。
「どんな魔物なんだ?」
「おっきな蛾。長老はギガントモスって言ってた。」
その名前は前世で聞き覚えがあった。
瞬殺だったが直接見た事もあったので容姿は分かる。
ギガントモスはSランクの魔物であり、殆どの攻撃に対してかなり高い耐性を持ち合わせているが、唯一火魔法が弱点だった筈だ。
「エルフ達で対処出来無いのも納得だ。世界樹に接触しているんだからな。」
「世界樹から離れてれば里の皆で倒せた。でもあいつはずっと世界樹から離れない。」
魔力を世界樹から吸収していない時でも世界樹にくっ付いているらしい。
そうなると世界樹に危害を加える強大な魔法は使えない。
ただでさえ高い耐性を持っているのに、主力となる魔法を十全に発揮出来無いのでは引き剥がすのに苦労するだろう。
「だからエルミネルが引き剥がしに掛かった訳か。」
「そう。途中まではいい感じだった。でも呪いで無理だった。」
話しを聞くとエルミネルは一度世界樹から引き剥がす事に成功したらしい。
しかし直ぐにギガントモスから攻撃を受けて地面に降ろされ、戦いの最中に受けた呪いでそれ以上の追撃は難しかったと言う。
「我と二人掛かりならいけると言う事か。」
「いけると思う。」
制限を解除すればそんな魔物は簡単に対処可能だが、それはエルミネルに教えてはいない。
二人で対処出来るなら別に使う必要も無いだろう。
「あれがギガントモス。」
「おいおい、随分と大きいな。」
前世に見たギガントモスとは比較にならない。
広がった不気味な両羽の直径は世界樹の巨木に並ぶ程の大きさだ。
「あれは世界樹の魔力を吸って育ってる。最初はあんなに大きく無かった。」
「それだけ魔物にとっては極上の餌と言う事か。」
現在も口から伸ばした触手が世界樹に空けられた窪みに伸ばされ美味しそうに食事中だ。
そして世界樹は枝や葉がその影響を受けて現在進行形で枯れていっている。
昔見た世界樹は生い茂る枝葉で神々しい程の存在感を放っていたが、今は見る影も無いくらい痩せ細っている印象だ。
地面には枯れ落ちた大きな枝葉が大量に落ちている。
本来なら世界樹から取れる枝葉は貴重な素材となるのだが、こうなっては使い物にならず勿体無いと感じる。
「早速排除する。世界樹が可哀想。」
「どう言う感じでやるんだ?」
「私が殴って引き剥がす。ジルが燃やして終わり。」
随分とシンプルな作戦内容だ。
しかしある程度世界樹から離さなければ火魔法を使うのは難しい。
あの巨体を燃やすとなるとそれなりの火魔法を使う必要があるのだ。
「引き剥がすのは我も協力する。呪いに掛からない様にだけ気を付けておけ。」
「分かった。最初の攻撃は任せる。」
エルミネルはそう言うと真上を見ながら膝を折り曲げてしゃがむ。
そして身体全体が魔装されていく。
そのまま地面を蹴り矢の様に解き放たれたエルミネルは真っ直ぐギガントモスに向けて突っ込む。
「武闘術・手式、破拳!」
勢いのままに片手を膨大な魔力で魔装してギガントモスを殴り付ける。
ギガントモスの身体にエルミネルの拳が少し埋まる。
「キシー!」
ギガントモスは甲高い悲鳴の様な声を上げている。
エルミネルの攻撃でダメージは与えられた様だ。
しかし身体に穴を空けるどころか血の一滴すら吹き出していない。
高い耐性を持つ魔物の厄介なところだ。
「前回よりも硬い。」
「それだけ成長していると言う事だろう、な!」
いつの間にか隣りにきていたジルが銀月でギガントモスに斬り掛かっている。
しかし刀も身体に少し埋まるだけで切れてはおらず、押し返されてしまう。
「弾力性のある身体だな。」
「どうする?」
「世界樹とギガントモスの間から同時攻撃といくか。攻撃は効いていない訳じゃ無い様だしな。」
「分かった。」
二人は世界樹の表面の凹凸を利用して上に駆け上がる。
すると上の方から黒いモヤが降り注いできた。
「呪いがくる。」
「当たらない様に気を付けろよ。」
駆け上がりながら二人は器用にギガントモスの魔法を回避する。
あれを受ければ様々な呪いを受けて行動に支障をきたし、戦闘すらも困難になってしまう。
「いけるか?」
「いつでも。」
駆け上がった二人はギガントモスの身体の中腹辺りにいた。
ジルの銀月とエルミネルの手に魔力が集約する。
タイミングを合わせて二人はギガントモスに攻撃を放つ。
「抜刀術・断界!」
「武闘術・手式、掌撃!」
ジルの斬撃とエルミネルの掌底がギガントモスに襲い掛かるが、高い耐性により見た目の負傷は一切無い。
しかし二人の攻撃力によりギガントモスは強制的に世界樹から引き剥がされて、その巨体は空中に浮いた。
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