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49章
元魔王様と王都ジャミール 1
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スリープシープの一件が解決したジル達は再び王都を目指して進む。
その後は順調に進んで距離を稼げていたのだが、現在は足止めをくらっていた。
「ぐはっ!?」
ジルが向かってきた盗賊を蹴り飛ばして木に激突させる。
それだけで意識を失い地面に倒れ込む。
足止めは盗賊団によるものだ。
馬車で走っていたところを強襲されたのである。
「ひぃ!?なんだこの変態野郎は!?」
「つ、強すぎるだろ!?」
「失礼な子達ね!」
盗賊に言われ放題なラブリートは不機嫌そうに拳で盗賊達を殴り飛ばしていく。
ガタイの良い成人男性達が次々と宙を舞う。
「盗賊達も運が無いね。」
「あのお二方に戦いを挑むのであれば、数百倍の人数は必要そうです。」
「トゥーリ様まで辿り着ける盗賊はいなさそうですね。」
人数の多い盗賊団だったが、ラブリートの無双によって次々と地面に倒れていく。
更にその後ろにはジルも控えている。
運良くラブリートを避けられたとしてもジルを出し抜いてトゥーリまで辿り着ける訳が無かった。
「心配はしていないよ。君達もいるんだしね。」
トゥーリとしてはシズルとキュールネがいる事により、更に安心感を得られる。
ジルやラブリート程では無いが、この二人も相応の実力を備えているのだ。
「終わったか?」
「楽勝よ。」
最後の盗賊を倒してその辺に放り投げる。
鉄の装備を身に付けている盗賊もいたが、綺麗にラブリートの拳の形で凹んでいた。
最強の近接戦闘能力を持つラブリートには鉄の装備なんてあっても無くても変わらないのだ。
「殆ど生きているし盗賊は縛って連れて行く事にしよう。」
「捕縛はお任せ下さい。」
「手伝いますね。」
盗賊を全て倒し終えて安全になったのでシズルとキュールネが縄で盗賊達を縛ってくれる。
時間に余裕を持っての旅なので王都までの到着が多少伸びても生誕祭には確実に間に合う。
なので盗賊達は拘束して連れて行く事になった。
「わざわざ連れて行く必要があるのか?」
「王都までそれ程遠くないしそんなに苦でも無いわ。それに盗賊退治って色んなメリットがあるのよ。」
「盗品が倒した者に所有権が移るのは知っているぞ。」
だからこそ拠点を聞く為に盗賊達は生かしている。
ジルやラブリートと戦えば、戦力に圧倒的な差がある相手が無事でいられる訳が無い。
随分と手加減されていたからこそ重傷で済んでいるのだ。
「それも大きなメリットよね。王都って言う国最大の都市に近い場所で盗賊しているくらいなんだもの。そこを行き交う者を狙っているのは明白だわ。」
国の最大都市ともなれば人も物も多く集まってくる。
危険も相応に高まるが盗賊にとっては獲物が選び放題となるのだ。
「だからこそ盗賊に関する報告も集まりやすいの。長く活動している盗賊であれば、賞金を掛けられている盗賊もいるかもしれないわ。」
そう言った場合は生死を問わずに連れて来た者に褒賞がある。
今回は大規模な盗賊団であり人数も相当な数がいたので、賞金首がいる可能性は充分にある。
「そして賞金首がいなくても生きていれば奴隷として売れるわ。王都は最大都市であり働き手も幾らでも欲しいから、奴隷の需要が高くて高額で取り引きされるの。」
「成る程な、盗賊は中々おいしいと言う事か。」
連れて行く手間はあるが街に近いのであればメリットの方が大きそうだ。
「この子でいいわね。戦闘中に指示も出してたしそれなりに偉い立場でしょ。」
倒れた盗賊の中から気絶した一人を引っ張ってくる。
戦闘により流血しており、このままだと出血多量で死にそうだ。
「ホッコ、頼めるか?」
「クォン!」
ホッコの尻尾が動いて盗賊に優しい光りが降り注ぐ。
すると傷口が徐々に塞がっていき出血が止まった。
ホッコが持つ派生魔法の一つ、神聖魔法による回復である。
「ほら起きなさい。」
「うっ。」
ラブリートに頰を何度か叩かれて盗賊は意識を取り戻す。
せっかく治したのにラブリートの馬鹿力で頰が赤く腫れていく。
「盗賊団は全滅よ。大人しくアジトの場所を教えなさい。」
「はっ、誰が教えるかオカマ野郎。」
「あん?」
盗賊の言葉でラブリートの表情が般若へと変わる。
そして突然握った盗賊の指からボキッと言う嫌な音が聞こえてくる。
「ぐああああ!?」
「拒否出来る立場かしら?このまま全ての指を折っていってもいいのよ?」
「…はぁはぁ、…やれるものならやってみやがれ。」
「そう?中々強情ね。」
その後ラブリートが宣言通りに全ての指を折っていき、盗賊の悲鳴が響き渡る。
何事かとトゥーリ達が確認にやってきたが、アジトを尋問している最中だと知って盗賊の拘束作業に戻った。
領主として盗賊をしている者に慈悲は無い様子だ。
「全部の指を折っても言わないなんて根性だけはあるみたいね。それならもう一度やり直しましょうか。」
ラブリートがホッコと同じ様に盗賊の指に向けて優しい光りを注いでいく。
それにより骨折した盗賊の指が徐々に元に戻っていく。
これは基礎魔法の一つ光魔法である。
神聖魔法と同じく回復効果を持つ魔法もあるのでそれで回復させたのだろう。
大きな怪我でなければ光魔法の方が治すのに必要な魔力の効率が良かったりする。
「なっ!?」
「言うまで永遠に続けるから覚悟しなさいね。」
にっこりと微笑みながらラブリートが言うと盗賊の表情が一気に悪くなっていく。
そしてその後も盗賊の絶叫が響き渡り、次の回復の時には泣きながら降伏してきた。
その後は順調に進んで距離を稼げていたのだが、現在は足止めをくらっていた。
「ぐはっ!?」
ジルが向かってきた盗賊を蹴り飛ばして木に激突させる。
それだけで意識を失い地面に倒れ込む。
足止めは盗賊団によるものだ。
馬車で走っていたところを強襲されたのである。
「ひぃ!?なんだこの変態野郎は!?」
「つ、強すぎるだろ!?」
「失礼な子達ね!」
盗賊に言われ放題なラブリートは不機嫌そうに拳で盗賊達を殴り飛ばしていく。
ガタイの良い成人男性達が次々と宙を舞う。
「盗賊達も運が無いね。」
「あのお二方に戦いを挑むのであれば、数百倍の人数は必要そうです。」
「トゥーリ様まで辿り着ける盗賊はいなさそうですね。」
人数の多い盗賊団だったが、ラブリートの無双によって次々と地面に倒れていく。
更にその後ろにはジルも控えている。
運良くラブリートを避けられたとしてもジルを出し抜いてトゥーリまで辿り着ける訳が無かった。
「心配はしていないよ。君達もいるんだしね。」
トゥーリとしてはシズルとキュールネがいる事により、更に安心感を得られる。
ジルやラブリート程では無いが、この二人も相応の実力を備えているのだ。
「終わったか?」
「楽勝よ。」
最後の盗賊を倒してその辺に放り投げる。
鉄の装備を身に付けている盗賊もいたが、綺麗にラブリートの拳の形で凹んでいた。
最強の近接戦闘能力を持つラブリートには鉄の装備なんてあっても無くても変わらないのだ。
「殆ど生きているし盗賊は縛って連れて行く事にしよう。」
「捕縛はお任せ下さい。」
「手伝いますね。」
盗賊を全て倒し終えて安全になったのでシズルとキュールネが縄で盗賊達を縛ってくれる。
時間に余裕を持っての旅なので王都までの到着が多少伸びても生誕祭には確実に間に合う。
なので盗賊達は拘束して連れて行く事になった。
「わざわざ連れて行く必要があるのか?」
「王都までそれ程遠くないしそんなに苦でも無いわ。それに盗賊退治って色んなメリットがあるのよ。」
「盗品が倒した者に所有権が移るのは知っているぞ。」
だからこそ拠点を聞く為に盗賊達は生かしている。
ジルやラブリートと戦えば、戦力に圧倒的な差がある相手が無事でいられる訳が無い。
随分と手加減されていたからこそ重傷で済んでいるのだ。
「それも大きなメリットよね。王都って言う国最大の都市に近い場所で盗賊しているくらいなんだもの。そこを行き交う者を狙っているのは明白だわ。」
国の最大都市ともなれば人も物も多く集まってくる。
危険も相応に高まるが盗賊にとっては獲物が選び放題となるのだ。
「だからこそ盗賊に関する報告も集まりやすいの。長く活動している盗賊であれば、賞金を掛けられている盗賊もいるかもしれないわ。」
そう言った場合は生死を問わずに連れて来た者に褒賞がある。
今回は大規模な盗賊団であり人数も相当な数がいたので、賞金首がいる可能性は充分にある。
「そして賞金首がいなくても生きていれば奴隷として売れるわ。王都は最大都市であり働き手も幾らでも欲しいから、奴隷の需要が高くて高額で取り引きされるの。」
「成る程な、盗賊は中々おいしいと言う事か。」
連れて行く手間はあるが街に近いのであればメリットの方が大きそうだ。
「この子でいいわね。戦闘中に指示も出してたしそれなりに偉い立場でしょ。」
倒れた盗賊の中から気絶した一人を引っ張ってくる。
戦闘により流血しており、このままだと出血多量で死にそうだ。
「ホッコ、頼めるか?」
「クォン!」
ホッコの尻尾が動いて盗賊に優しい光りが降り注ぐ。
すると傷口が徐々に塞がっていき出血が止まった。
ホッコが持つ派生魔法の一つ、神聖魔法による回復である。
「ほら起きなさい。」
「うっ。」
ラブリートに頰を何度か叩かれて盗賊は意識を取り戻す。
せっかく治したのにラブリートの馬鹿力で頰が赤く腫れていく。
「盗賊団は全滅よ。大人しくアジトの場所を教えなさい。」
「はっ、誰が教えるかオカマ野郎。」
「あん?」
盗賊の言葉でラブリートの表情が般若へと変わる。
そして突然握った盗賊の指からボキッと言う嫌な音が聞こえてくる。
「ぐああああ!?」
「拒否出来る立場かしら?このまま全ての指を折っていってもいいのよ?」
「…はぁはぁ、…やれるものならやってみやがれ。」
「そう?中々強情ね。」
その後ラブリートが宣言通りに全ての指を折っていき、盗賊の悲鳴が響き渡る。
何事かとトゥーリ達が確認にやってきたが、アジトを尋問している最中だと知って盗賊の拘束作業に戻った。
領主として盗賊をしている者に慈悲は無い様子だ。
「全部の指を折っても言わないなんて根性だけはあるみたいね。それならもう一度やり直しましょうか。」
ラブリートがホッコと同じ様に盗賊の指に向けて優しい光りを注いでいく。
それにより骨折した盗賊の指が徐々に元に戻っていく。
これは基礎魔法の一つ光魔法である。
神聖魔法と同じく回復効果を持つ魔法もあるのでそれで回復させたのだろう。
大きな怪我でなければ光魔法の方が治すのに必要な魔力の効率が良かったりする。
「なっ!?」
「言うまで永遠に続けるから覚悟しなさいね。」
にっこりと微笑みながらラブリートが言うと盗賊の表情が一気に悪くなっていく。
そしてその後も盗賊の絶叫が響き渡り、次の回復の時には泣きながら降伏してきた。
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