【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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60章

元魔王様と浮島待機組の現状報告 4

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 扉を潜ると前に見た内装とは違う部屋に出た。
セダンの拠点と同じくらい中々豪華な内装だ。

「ここが浮島の扉を設置している家なのです。」

「最初の頃の家よりも豪華じゃろう?マスターの為に立派な家を建てるとメイド達が頑張っておったぞ。そして浮島にいる時はここで寝泊まりする事が多いのじゃ。」

「成る程な。」

 シキの指示に従ってタイプBとタイプCが浮島の建築を手伝っていた。
ジル達が暮らしやすい様に頑張ってくれたらしい。

「主様、もう遊んできていいの?」

 ハニービー達を従えたホッコが落ち着かない様子で尋ねてくる。
久々の浮島にワクワクしているのが表情から伝わってくる。

「大丈夫だぞ。ついでに浮島の住人やウルフ達にハニービーは仲間だと周知させてくれ。」

「了解なの。皆付いてくるの。」

 嬉しそうに駆け出したホッコにハニービー達が付いていく。

「後でハニービーの住処は用意するとして、先ずは我がいなかった期間のお前達の成果報告を聞くとするか。」

 時々意思疎通によってシキとは会話していたが、それは雑談程度のものだ。
こう言った事は後でのお楽しみにしようと殆ど話し合っていない。

「分かったのです。一先ずジル様が知っている範囲だとドライフルーツやギガントモスの解体後とかなのです?」

「そうだな。シキに全て任せて旅立ったからな。」

「じゃあ先ずはその辺りの話しをするのです。」

 ジルが旅立った直近の事をシキが説明してくれた。

「と言う事で在庫がたっぷりあるので順番に流していってるのです。なので定期的に大きな収入があるのです。」

「それはいいな。金は幾らあっても困らん。」

「異世界通販のスキルが魅力的過ぎて幾ら稼いでも足りないのです。」

 シキも真契約の恩恵によって異世界通販のスキルを使用出来る。
知識の精霊にとってこの世界に存在しない物が多種多様に購入出来る異世界通販のスキルは正に神のスキルだった。

「シキ殿にも困ったものじゃ。どれだけ稼ごうとも直ぐに使い切ってしまうからのう。」

「飽く無き知識の探究の為なのです。」

 部屋を見ればこの世界で生きてきて見た事の無い物も多い。
いない間に異世界通販のスキルを使いまくっていたのだろう。

「さすがは知識の精霊だな。まあ、今は自分で稼いでいるのだし問題無いだろう。」

「さすがはジル様なのです!」

 自分で稼いでいるので使い過ぎても多少は大目に見るつもりだ。
そんな話しをしていると床をのそのそと這って近付いてくるプルプルと揺れる魔物が目に入る。

「ライムではないか、久しぶりだな。」

「ジル殿が帰ってくると聞いて魔の森から戻ってきたのです。」

 シキの言葉を肯定する様にプルプルと揺れている。

「魔の森?何かしていたのか?」

「ライムは魔の森で日課のスキル収集中なのです。」

「スキル収集?」

 ジルの知らない間に何やらライムの日課になった事があるらしい。

「シキ殿、それもジル殿がいない間の事じゃぞ。」

「うっかりなのです。ジル様、ライムに万能鑑定を使ってみるのです。」

「万能鑑定?分かった。」

 言われた通りに万能鑑定のスキルを使用してライムを視る。

「これは。」

 表示された内容に思わず目を見開く。
そこには信じられない数のスキルが存在していた。

「さすがのジル様も驚いているのです。」

「珍しい表情じゃな。」

「これはどう言う事だ?」

 驚くジルを見て二人が満足そうに頷いている。

「実は定期的にライム殿に魔物を与えてスキルや魔力量を増やしておったのじゃが、ある時を境に自分で狩りをする様になってのう。」

「ライム自身が?」

 元がかなり弱いスライムだったので想像出来無い事だ。
最初に出会った頃は触れるだけで殺してしまいそうな程に弱々しかったのだ。

「安全を確保しながらの狩りなのです。分裂を生み出して魔の森に向かわせてスキルで魔物を狩ると言う繰り返しなのです。」

「そうして倒した魔物は分身のライム殿が変化吸収をするのじゃ。それで本体のライム殿がスキルや魔力量の恩恵を得られる事となる。」

「成る程、それでこのスキルの数か。」

 分裂のスキルを利用した上手い狩り方だ。
安全圏から狩りを行って吸収し、魔力量上昇とスキルを入手してどんどん強くなっていく。
ライムの必勝戦術が出来上がっている。

「もはやどんなスキルを持っているのか把握仕切れていないのです。でもこれこそがライムの狩りと成長の仕方だと思うのです。」

「確かにな。分裂と変化吸収が最高の組み合わせとなっている。」

 入手した多種多様なスキルで戦闘の幅も大きく向上している筈だ。
ライムの狩りはどんどん効率が上がっていくだろう。

「分裂出来る数も増えてて浮島の魔の森だけで無く、下の魔の森にも分身を派遣しているくらいなのです。」

「どれだけ強くなるのか想像も付かぬ。」

「我を超える時も近いかもしれんな。」

 三人に注目されながらいつもの通りプルプルと揺れているライムだった。
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