【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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61章

元魔王様と旅の報告 1

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 ジル達がいない間に随分と報告内容が溜まっていたがやっと全部聞き終える事が出来た。
なので次は王都に行っていたジル達の番だ。

「では次は我の方からの報告か。」

「ジル様達も沢山ありそうなのです。」

「いや、我の方はお前達程では無いと思うぞ?そうだな、一先ずは先程も見たと思うがハニービーについて話そうか。」

 仲間になったきっかけは極上蜂蜜を手に入れる為に王都のギルドで依頼を受けた事だった。
ハニービーを狙う魔物の巣を壊滅させた後で、外敵から身を守ってもらう為に一部のハニービーがジルに庇護を求めた。

「成る程のう、助けて懐かれたと言う事じゃな。友好的な魔物とは珍しいのう。」

「ナキナ、これはもっと感激する様な事なのです!そんなしょぼい感想じゃ駄目駄目なのです!」

「しょ、しょぼい…。」

 興奮したシキの言葉に少しショックを受けている。
しかしそんな事には気付かずシキの言葉は続く。

「ハニービーは定着して巣作りをすると好みの花の蜜から蜂蜜を作って巣の中に蓄えてくれるのです。」

「世間では極上蜂蜜と呼ばれている。王都でもかなり需要のある物だったな。」

「そうなのです!極上蜂蜜はとっっっても美味しいのです!それが幾らでも手に入る様になるのは素晴らしい事なのです!」

 需要の高い極上蜂蜜の価値をよく分かっている。
しかもセダンではあまり出回っていないので王都よりも価値が上がるだろう。

「そんなに良い物なのか。妾はまだ食べた事が無いから味わってみたいのう。」

「王都の巣から極上蜂蜜は貰ってきている。後で何か甘味を作って食べてみるといい。」

「おおお、感謝するのじゃ。」

 極上蜂蜜の入った瓶を手渡してやると嬉しそうに抱き抱えている。
ナキナも甘味は大好物なのだ。

「主様!」

「ホッコ、戻ったか。」

「ハニービー達に浮島を案内してきたの。」

「そうか、気に入りそうか?」

「早速ハニービー達がお気に入りの木を見つけたの。巣作りを始めたいらしいから許可を貰いにきたの。」

 ハニービーを連れていないと思ったら既に巣にしたい木が決まって待機しているとの事らしい。

「早速なのです!?それは素晴らしい事なのです!巣作りは直ぐにでも取り掛かってもらうべきなのです!」

 極上蜂蜜を量産するには巣を完成させる必要がある。
時間が掛かるのでシキとしては早めに取り掛かってもらいたい。

「そうだな、極上蜂蜜の安定した供給が望める様になったら自分達で食べる以外にも使い道は多そうだ。それでどこに作りたいと言ってるんだ?」

「案内するの。こっちなの。」

 ホッコに案内されて向かうと一本の巨木の周りを嬉しそうに飛び回るハニービー達を見つけた。

「成る程、この木か。」

「げっ、この木なのです?」

 シキはその木を見て少しだけ嫌そうな表情を浮かべている。

「確かこれは王都出発前に異世界通販で購入していた果物の木だったか?」

「はいなのです。欲した果物を実らせてくれる異世界植物なのです。この木のおかげでドライフルーツの量産は順調に進んでいるのです。」

 ハニービー達が気に入って巣を作りたいと選んだのは、異世界通販で購入したこの世界には存在しない木であった。

「この木を気に入ったのか。」

「本当にこの木で間違い無いのです?」

「間違い無いの。同じ姿に変化して聞いたの。」

 ホッコは変化のスキルでハニービーの姿になる事で意思疎通が可能となる。
直接聞いたのならば間違いは無いだろう。

「ならばハニービー達がこの木を気に入ったのは事実だろうな。ところでシキは何故悩ましい顔をしているのだ?」

「この木はこの世界には無い植物なのです。ハニービーの巣作りとなると木の中に巨大な空間が作られて大量の蜂蜜が貯蓄されるのです。」

「知っているぞ、実際に見てきたからな。」

「甘々な幸せ空間だったの。」

 王都のハニービーの巣は木の中が極上蜂蜜で満たされていた。
あれを再現するとなればこの果物の木の中も空洞が作られる事になるだろう。

「その巣が出来上がったら果物の木が正常に機能するか分からないのです。本来の姿から大分変わっちゃうのです。」

 異世界の特殊な植物なので手を加えた後にどうなるか分からない。
異世界通販のスキルで手に入れた高い買い物なので躊躇しているのだろう。

「確かに果物が生成出来無くなる可能性もあるか。まあ、その場合は追加で果物の木を購入すればいいだけだ。金ならまだあるから購入に当ててもいいし、植える場所もあるだろう?」

「それなら問題無いのです。高い買い物だから追加は悩んでたのですがジル様が許可するなら遠慮無く使ってほしいのです。」

「やったの!ハニービー達も喜んでいるの!」

 ホッコの言葉を肯定する様にジル達の頭上をハニービー達が嬉しそうにクルクルと回っていた。
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