527 / 1,122
61章
元魔王様と旅の報告 4
しおりを挟む
ジルが温泉石や黒鋼岩の事について話し終わった後、タイミングよくホッコが戻ってきた。
「ただいまなの。」
「巣作りは順調そうか?」
「大丈夫そうなの。ホッコも少し木を掘る手伝いをしてきたの。」
そう言って龍聖剣を掲げている。
これで木を削りながら掘ったのなら随分と巣作りは捗っていそうだ。
「うっ、貴重な木が彫られているのです。」
異世界通販のスキルで購入した木が掘られたと聞いて改めてショックを受けている。
そうなる覚悟はしていたのだが、実際にやられるとやはり勿体無いと感じてしまうのだ。
「また買えばよいのじゃから許してあげるのじゃ。代わりに極上蜂蜜とやらを貰えるのじゃろう?」
「気持ちを切り替えるとするのです。極上蜂蜜の為に多少の犠牲はやむを得ないのです。」
これは極上蜂蜜の安定供給の為と考えての先行投資だ。
量が確保出来れば莫大な資金源となる。
それで懐が潤えば巣の為に捧げた果物の木も何本だって買える様になる筈だ。
「ところでホッコ殿、最初から気になっていたのじゃが、その手に持つ剣は新たに入手した物かのう?」
出発前には持っていなかった龍聖剣を見てナキナが尋ねる。
シキも少し興味がある様子だ。
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれたの!これは主様がホッコの為に用意してくれた新しい剣なの!」
ホッコが龍聖剣を振りながら自慢気に話す。
「前に使っていた剣が折れてしまってな。折れた方は適当に渡した物だったから、良い機会だと思って新しく作ったのだ。」
「凄まじい業物ではないか?」
「素人目にも強そうに感じるのです。」
ナキナとシキが龍聖剣に注目している。
素材が素材なので詳細を知らなくても、その武具の放つ存在感は隠す事が出来無い。
明らかに店売りの剣と質が違うのが分かる。
「当然最強に凄いの!この剣のおかげでホッコは更に強くなったの!」
「名を龍聖剣と言ってとにかく素材が豪華でな。先程話した混成装具師に作ってもらったのだ。」
ドメスに頼んだからこそ注文以上の武具へと仕上げてもらえた。
自慢のスキルだと誇っているだけの事はある。
「これ程の武具を作れるとは、ただ者じゃ無いのです。」
「何でも作れると豪語するだけはあるよな。まあ、希望する素材を集められなければ、スキルは使えないのだが。」
「成る程なのです。」
逆に言えば要求された素材を集められるのであれば何でも作る事が出来ると言う事だ。
スキルの中でも破格の性能と言える。
「それは魔法武具かのう?何かスキルがついておるのか?」
「沢山付いてるの。最強の剣なの。」
「後で見せてもらうといい。スキルの中でも龍爪と言うスキルは格段に強いぞ。身構えていなければ我もその威力に吹き飛ばされていただろう。」
試し撃ちの時に自分に向かって放たせてよかったと思っている。
他の者や道具では受け止めきれずに大惨事になっていた可能性が高い。
「ジル様をなのです!?さすがは龍の名を持つスキルなのです。」
「龍と言うと魔物の頂点に君臨するドラゴン種の攻撃クラスの威力と言う事かのう?」
「まあ、それよりは若干劣るくらいじゃないか?」
「それでも凄まじい威力じゃろうな。」
ドラゴンと言うだけで最高ランクに位置付けられる程に魔物の中でも強さの次元が違う。
そんなドラゴン種が使う攻撃を意味する名が付けられているとなれば、凄まじい威力なのも納得だ。
「ホッコ、普通の人族と戦う時には使わない様にな?うっかり殺してしまうかもしれん。」
「分かったの。」
「使うならワーウルフ達を除く浮島の住人との模擬戦か、魔物との戦闘、我らに敵対行動を取る殺しても構わない者達だけにするんだぞ。」
気軽に使用するには威力が高過ぎる。
ここぞと言う時に使う切り札と思っておいた方がいいだろう。
「その浮島の住人の中に含めないでほしいのじゃが?龍の攻撃じゃろう?妾でも死ぬぞ?」
ナキナがジルの言葉に思わず突っ込む。
浮島の住人は規格外の化け物ばかりで、鬼人族トップクラスの実力を持っていたナキナであっても実力に差があると思わずにはいられない。
話しを聞く限り受け止められる気が全くしない。
「さすがに本物の威力に比べれば劣るから心配するな。まともに受けても半殺しくらいで済む筈だ。」
「充分物騒なのじゃ!ホッコ殿、絶対に妾には模擬戦でも使ってはならんぞ!」
「わ、分かったの。」
ホッコに鬼気迫る様子で確認すると首を縦に振ってくれたのでナキナは一安心である。
最初に比べてジルに実力が追い付いてきたのではないかとナキナは思っていたのだが、まだまだその背中は遠そうだと感じる会話だった。
「ただいまなの。」
「巣作りは順調そうか?」
「大丈夫そうなの。ホッコも少し木を掘る手伝いをしてきたの。」
そう言って龍聖剣を掲げている。
これで木を削りながら掘ったのなら随分と巣作りは捗っていそうだ。
「うっ、貴重な木が彫られているのです。」
異世界通販のスキルで購入した木が掘られたと聞いて改めてショックを受けている。
そうなる覚悟はしていたのだが、実際にやられるとやはり勿体無いと感じてしまうのだ。
「また買えばよいのじゃから許してあげるのじゃ。代わりに極上蜂蜜とやらを貰えるのじゃろう?」
「気持ちを切り替えるとするのです。極上蜂蜜の為に多少の犠牲はやむを得ないのです。」
これは極上蜂蜜の安定供給の為と考えての先行投資だ。
量が確保出来れば莫大な資金源となる。
それで懐が潤えば巣の為に捧げた果物の木も何本だって買える様になる筈だ。
「ところでホッコ殿、最初から気になっていたのじゃが、その手に持つ剣は新たに入手した物かのう?」
出発前には持っていなかった龍聖剣を見てナキナが尋ねる。
シキも少し興味がある様子だ。
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれたの!これは主様がホッコの為に用意してくれた新しい剣なの!」
ホッコが龍聖剣を振りながら自慢気に話す。
「前に使っていた剣が折れてしまってな。折れた方は適当に渡した物だったから、良い機会だと思って新しく作ったのだ。」
「凄まじい業物ではないか?」
「素人目にも強そうに感じるのです。」
ナキナとシキが龍聖剣に注目している。
素材が素材なので詳細を知らなくても、その武具の放つ存在感は隠す事が出来無い。
明らかに店売りの剣と質が違うのが分かる。
「当然最強に凄いの!この剣のおかげでホッコは更に強くなったの!」
「名を龍聖剣と言ってとにかく素材が豪華でな。先程話した混成装具師に作ってもらったのだ。」
ドメスに頼んだからこそ注文以上の武具へと仕上げてもらえた。
自慢のスキルだと誇っているだけの事はある。
「これ程の武具を作れるとは、ただ者じゃ無いのです。」
「何でも作れると豪語するだけはあるよな。まあ、希望する素材を集められなければ、スキルは使えないのだが。」
「成る程なのです。」
逆に言えば要求された素材を集められるのであれば何でも作る事が出来ると言う事だ。
スキルの中でも破格の性能と言える。
「それは魔法武具かのう?何かスキルがついておるのか?」
「沢山付いてるの。最強の剣なの。」
「後で見せてもらうといい。スキルの中でも龍爪と言うスキルは格段に強いぞ。身構えていなければ我もその威力に吹き飛ばされていただろう。」
試し撃ちの時に自分に向かって放たせてよかったと思っている。
他の者や道具では受け止めきれずに大惨事になっていた可能性が高い。
「ジル様をなのです!?さすがは龍の名を持つスキルなのです。」
「龍と言うと魔物の頂点に君臨するドラゴン種の攻撃クラスの威力と言う事かのう?」
「まあ、それよりは若干劣るくらいじゃないか?」
「それでも凄まじい威力じゃろうな。」
ドラゴンと言うだけで最高ランクに位置付けられる程に魔物の中でも強さの次元が違う。
そんなドラゴン種が使う攻撃を意味する名が付けられているとなれば、凄まじい威力なのも納得だ。
「ホッコ、普通の人族と戦う時には使わない様にな?うっかり殺してしまうかもしれん。」
「分かったの。」
「使うならワーウルフ達を除く浮島の住人との模擬戦か、魔物との戦闘、我らに敵対行動を取る殺しても構わない者達だけにするんだぞ。」
気軽に使用するには威力が高過ぎる。
ここぞと言う時に使う切り札と思っておいた方がいいだろう。
「その浮島の住人の中に含めないでほしいのじゃが?龍の攻撃じゃろう?妾でも死ぬぞ?」
ナキナがジルの言葉に思わず突っ込む。
浮島の住人は規格外の化け物ばかりで、鬼人族トップクラスの実力を持っていたナキナであっても実力に差があると思わずにはいられない。
話しを聞く限り受け止められる気が全くしない。
「さすがに本物の威力に比べれば劣るから心配するな。まともに受けても半殺しくらいで済む筈だ。」
「充分物騒なのじゃ!ホッコ殿、絶対に妾には模擬戦でも使ってはならんぞ!」
「わ、分かったの。」
ホッコに鬼気迫る様子で確認すると首を縦に振ってくれたのでナキナは一安心である。
最初に比べてジルに実力が追い付いてきたのではないかとナキナは思っていたのだが、まだまだその背中は遠そうだと感じる会話だった。
15
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。
王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。
物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。
そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。
原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。
彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。
マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが―
「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」
なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。
こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。
※他小説投稿サイトにも投稿中
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる