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62章
元魔王様と街巡り 4
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突然アレンが天使について尋ねてきたが、何かあったかと言われれば心当たりは当然ある。
「何故そう思ったんだ?」
天使族との交戦回数は二回ある。
一回目はナキナを奴隷にした上級天使。
そして二回目は魔の森でライエルに襲撃された時だ。
だがどちらも天使族意外に話しが漏れる様な事は無かった筈だ。
上級天使はジルの魔法によって爆殺したので、仲間内以外だと見ていたのはダナンしかいない。
そしてライエルとの交戦時も、最後に魔法で自爆するまで近くに仲間以外の者はいなかった。
なのでダナンが漏らさない限り話しは広まらない筈だ。
「最近天使の目撃情報が多いのは知ってるか?」
「シキもそんな事を言っていたな。王都近辺では聞かなかったけどな。」
セダンに戻ってきた時にその報告は受けている。
「既に聞いてたか。確かに俺も行動が活発的に感じた。何かを探してる見てえにな。」
「魔族じゃないのか?」
天使族は大々的に魔族の殲滅を公言している。
何かを探しているとなると魔族の可能性が高いだろう。
「天使の行動理由ってなると大体それだからな。だが今回は別件もあるらしい。」
「別件?」
「天使族が探しているのはお前だジル。」
「そう。」
アレンの言葉にこくこくとエルミネルが頷く。
「ふむ、心当たりは無くもないが何故我だと断言出来る?」
「聞いたからだ。」
「誰にだ?」
「天使にだな。」
ダナンから話しが広がっているのかと思えば、なんと天使族に直接聞いたとアレンは言ってきた。
「天使に聞いた?知り合いでもいるのか?」
「はっ、あんなまともに話しも出来ねえ連中に知り合いなんていねえよ。それに俺だって直接聞いた訳じゃねえ。」
嫌そうな表情で手をひらひらと振りながら否定する。
アレンも天使族の事は良く思っていない様だ。
「となるとお前かエルミネル。」
「そう言う事だ。今日の出来事だから精霊からも情報は無いだろう。」
どうやら直近の出来事らしい。
確かにセダン近辺で起こった事ならシキが把握していない筈がない。
「何があったか聞いてもいいのか?」
「構わねえぜ。本人が説明してくれるのが楽なんだがな。」
「沢山話すの疲れる。」
アレンの言葉にエルミネルが首を横に振る。
当事者なのにアレンに話した事をもう一度説明するのは嫌らしい。
「こう言う奴なのはパーティー組んだから理解してる。だから説明を受けた俺がざっくりと説明する。」
もう慣れているのかアレンが諦めた様に溜め息を吐く。
そして今日の出来事を語っていく。
「今日は二人で依頼を受けて魔の森に向かっていた。討伐依頼だったんだが中々魔物が現れなくてな。一人でも苦戦はしないだろうと手分けして探す事にした。」
二人共実力者なので単独でも大抵の魔物とは戦える。
なので探す効率を高める為に別行動をしたらしい。
「俺はその魔物を見つける事が出来てな、エルミネルを探しにいく時間が面倒で先に討伐した。んで倒し終わったタイミングで爆音が遠くから聞こえてきた。」
それ程離れている訳では無かったのでしっかりとその音が聞こえたらしい。
そしてそちらの方向から木々が倒れる音も聞こえたと言う。
「最初はエルミネルも討伐対象を見つけたと思ったんだが、爆音が中々鳴り止まなくてな。こいつの火力はジルも知ってるだろ?」
「ああ、膨大な魔力による一撃は普通の魔物なら耐えられん。」
エルミネルはエルフと獣人のハーフであり、魔法や弓の適性が無い代わりに高い魔力量と体術のセンスを持っている。
エルフとは違って魔法や弓で戦わない武闘派エルフだ。
「そう言う事だ。だから高ランクの化け物でも出たのかと急いで向かったんだ。その途中で一際でかい爆音がした後に静かになった。」
エルフの里ではSランクの魔物を相手に共闘した事もある。
あの破壊力にいつまでも耐えられる魔物はいないのでその一撃で倒されたのだろう。
「エルミネルが敵を倒し終わったと言う事か。」
「今こいつが生きてるからそうなるな。現地に向かって俺が見たのは少し予想外の光景ではあったが。」
「予想外と言うと、それが魔物では無く天使か?」
「ああ、魔物だと思って駆け付けてみれば、地面に横たわっていたのは複数の天使族だった。んで側で呆けていたのがこいつだ。」
「呆けてない。」
アレンの言葉にエルミネルが否定しながらムッとしている。
「分かった分かった、本人曰く中々手応えがあって戦いの余韻に浸ってたんだとよ。」
「ナンバーズか?」
「違う。」
「あれは上級天使が率いる一個団体だな。上級以外は中級以下の天使だ。」
ライエルも複数の天使族を引き連れていたが中級以下とはあの無感情な天使族達の事だろう。
「そもそも何故戦ったんだ?」
「エルミネルが上級天使に話し掛けられて、その結果ボコったらしいぞ。だが内容までは俺も詳しく知らん。後はこいつに聞け。」
自分が説明するのはここまでだと言わんばかりにアレンがエルミネルに視線を移した。
「何故そう思ったんだ?」
天使族との交戦回数は二回ある。
一回目はナキナを奴隷にした上級天使。
そして二回目は魔の森でライエルに襲撃された時だ。
だがどちらも天使族意外に話しが漏れる様な事は無かった筈だ。
上級天使はジルの魔法によって爆殺したので、仲間内以外だと見ていたのはダナンしかいない。
そしてライエルとの交戦時も、最後に魔法で自爆するまで近くに仲間以外の者はいなかった。
なのでダナンが漏らさない限り話しは広まらない筈だ。
「最近天使の目撃情報が多いのは知ってるか?」
「シキもそんな事を言っていたな。王都近辺では聞かなかったけどな。」
セダンに戻ってきた時にその報告は受けている。
「既に聞いてたか。確かに俺も行動が活発的に感じた。何かを探してる見てえにな。」
「魔族じゃないのか?」
天使族は大々的に魔族の殲滅を公言している。
何かを探しているとなると魔族の可能性が高いだろう。
「天使の行動理由ってなると大体それだからな。だが今回は別件もあるらしい。」
「別件?」
「天使族が探しているのはお前だジル。」
「そう。」
アレンの言葉にこくこくとエルミネルが頷く。
「ふむ、心当たりは無くもないが何故我だと断言出来る?」
「聞いたからだ。」
「誰にだ?」
「天使にだな。」
ダナンから話しが広がっているのかと思えば、なんと天使族に直接聞いたとアレンは言ってきた。
「天使に聞いた?知り合いでもいるのか?」
「はっ、あんなまともに話しも出来ねえ連中に知り合いなんていねえよ。それに俺だって直接聞いた訳じゃねえ。」
嫌そうな表情で手をひらひらと振りながら否定する。
アレンも天使族の事は良く思っていない様だ。
「となるとお前かエルミネル。」
「そう言う事だ。今日の出来事だから精霊からも情報は無いだろう。」
どうやら直近の出来事らしい。
確かにセダン近辺で起こった事ならシキが把握していない筈がない。
「何があったか聞いてもいいのか?」
「構わねえぜ。本人が説明してくれるのが楽なんだがな。」
「沢山話すの疲れる。」
アレンの言葉にエルミネルが首を横に振る。
当事者なのにアレンに話した事をもう一度説明するのは嫌らしい。
「こう言う奴なのはパーティー組んだから理解してる。だから説明を受けた俺がざっくりと説明する。」
もう慣れているのかアレンが諦めた様に溜め息を吐く。
そして今日の出来事を語っていく。
「今日は二人で依頼を受けて魔の森に向かっていた。討伐依頼だったんだが中々魔物が現れなくてな。一人でも苦戦はしないだろうと手分けして探す事にした。」
二人共実力者なので単独でも大抵の魔物とは戦える。
なので探す効率を高める為に別行動をしたらしい。
「俺はその魔物を見つける事が出来てな、エルミネルを探しにいく時間が面倒で先に討伐した。んで倒し終わったタイミングで爆音が遠くから聞こえてきた。」
それ程離れている訳では無かったのでしっかりとその音が聞こえたらしい。
そしてそちらの方向から木々が倒れる音も聞こえたと言う。
「最初はエルミネルも討伐対象を見つけたと思ったんだが、爆音が中々鳴り止まなくてな。こいつの火力はジルも知ってるだろ?」
「ああ、膨大な魔力による一撃は普通の魔物なら耐えられん。」
エルミネルはエルフと獣人のハーフであり、魔法や弓の適性が無い代わりに高い魔力量と体術のセンスを持っている。
エルフとは違って魔法や弓で戦わない武闘派エルフだ。
「そう言う事だ。だから高ランクの化け物でも出たのかと急いで向かったんだ。その途中で一際でかい爆音がした後に静かになった。」
エルフの里ではSランクの魔物を相手に共闘した事もある。
あの破壊力にいつまでも耐えられる魔物はいないのでその一撃で倒されたのだろう。
「エルミネルが敵を倒し終わったと言う事か。」
「今こいつが生きてるからそうなるな。現地に向かって俺が見たのは少し予想外の光景ではあったが。」
「予想外と言うと、それが魔物では無く天使か?」
「ああ、魔物だと思って駆け付けてみれば、地面に横たわっていたのは複数の天使族だった。んで側で呆けていたのがこいつだ。」
「呆けてない。」
アレンの言葉にエルミネルが否定しながらムッとしている。
「分かった分かった、本人曰く中々手応えがあって戦いの余韻に浸ってたんだとよ。」
「ナンバーズか?」
「違う。」
「あれは上級天使が率いる一個団体だな。上級以外は中級以下の天使だ。」
ライエルも複数の天使族を引き連れていたが中級以下とはあの無感情な天使族達の事だろう。
「そもそも何故戦ったんだ?」
「エルミネルが上級天使に話し掛けられて、その結果ボコったらしいぞ。だが内容までは俺も詳しく知らん。後はこいつに聞け。」
自分が説明するのはここまでだと言わんばかりにアレンがエルミネルに視線を移した。
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