565 / 1,122
66章
元魔王様と公爵令嬢 1
しおりを挟む
鉱山に潜った日から二日が経過した。
なんとこの日でジル達は採掘を終わらせてしまった。
「今日も大量だった。これでわしとジルが買い取る分は余裕で掘れただろう。」
予想よりも早く終わってしまった。
それだけ先に入った者達の採掘の仕方が雑だったと言うのもあるが、ジルとダナンのコンビが採掘特化し過ぎていた。
「あれだけ採掘していればそうなるだろうな。むしろ多いのではないか?」
「余剰分は公爵が採掘の謝礼を払って引き取ってくれるらしいのです。シャルルメルトの交易品としてこれから使われるのです。」
採掘した物は全て買い取ってくれるので手に入るだけお得だ。
「結晶石を取り引き出来るとなればシャルルメルトも安泰そうだな。」
「そうなればいいのだがな。」
ジルの言葉に難しそうな表情をするダナン。
「何だ?やはり公爵令嬢のスキルか?」
「あまり人前で大きな声では言うなよ?シャルルメルトに住む物達はこの手の話題は嫌っている。」
ダナンがもっと小声で話せとでも言わんばかりに辺りを見回して小声で言う。
今いる領民達はシャルルメルト公爵家のスキル事情を知っていながら残っている者達だ。
悪く言われて良い気持ちはしないだろう。
「ジル様、この話しは自領の領主の娘を悪く言ってるのと変わらないのです。注意した方がいいのです。」
「分かっている。今は周りに誰もいないだろう?」
ジルも周りに人がいないのは確認済みだ。
自ら喧嘩を売る様な面倒な事はしない。
「話しを戻すがジルの言う通りスキルが原因だ。あの様な強い力を持つスキルは使い方を誤れば大きな災厄となるからな。」
魅力的な交易物質を持っていても取り引き相手はどうしても気になってしまうだろう。
「国落としすらも出来るかもしれないと昨日聞いたな。」
「そうだ、警戒するのは当然だと思わないか?自分の治める街や暮らしている国が一人の少女に滅ぼされる可能性がある。」
シャルルメルトと付き合うだけでそう言ったリスクが付きまとう。
上に立つ者であれば自分の判断一つで多くの者を危険に晒す事になるので慎重になるだろう。
「まあ、そう思う者もいるのだろうな。」
「ジルは違うのか?」
「あのスキルは魔物を呼び寄せる類いだろう?別に魔物が大量に押し寄せてこようと全て排除すればいいだけだ。」
口にはしないがスキルだけで無く、魔法でも国落としをしようと思えば出来る。
魔王時代に地図を大きく変えてしまう程の被害を魔法によって生み出した事もある。
今のジルでも極級魔法を何度か使えば同じ事が出来る筈だ。
「確かにジル様ならそれが出来そうなのです。もちろんライムもなのですよ。」
自分の従魔を撫でながらシキが言うと、ライムが嬉しそうにプルプルと揺れている。
今はまだ難しいがいずれはその様な規格外なスライムへと育つだろう。
「やれやれ、お前達は規格外過ぎるな。普通ならば脅威と感じて恐れるものなのだが。」
感性が違い過ぎてダナンが溜め息を吐く。
脅威をまるで脅威と感じていない。
「我と一緒にいる間は護衛として守ってやるからダナンも安心していいぞ。」
「ジルを雇えた段階で安心はしている。戦力で言えばこれ以上は中々無いからな。」
脅威と感じているスキルの件もジルがいるからこそ安心出来る。
そうでなければシャルルメルトに訪れてはいない。
「さて、わしは先行して少しだけ買い取った結晶石を持って工房を借りてくる。早速何かを作ってみたいからな。」
結晶石は大量に手に入ったので査定に大きく時間が掛かる。
なので少量だけ先に手に入れておいたらしい。
「武具でも作るのか?」
「悩み中だ。結晶石は武具よりも装飾品の方に扱われる事が多いからな。まあ、思うままに試して売ってみるとしよう。大量に買い取るにはもう少し資金が必要だ。」
持ってきた金額も相当だったのだが、採掘出来た量を見るともう少しお金が欲しい。
なので現地調達をしてみる事にした。
エルダードワーフの手掛ける物なら相当な価値になりそうだ。
「色々と試してみるといい。暫くはシャルルメルトに滞在するのだからな。」
「シキ達も色々と見て回るのです。」
結晶石の採掘は終わったので今日から自由時間だ。
公爵の好意にあまえて暫く屋敷で過ごしながらのんびりするつもりだ。
その内街の観光ややりたい事も見つかるだろう。
「ああ、そうさせてもらう。今日までの結晶石を合わせれば、わしらの合計買い取り量を大きく上回っている筈だ。買い取り額も期待出来るし、これくらいは小遣いとして渡しておく。好きな物でも食べるといい。」
そう言って金貨を数枚渡してからダナンは去っていった。
この後結晶石を売却に向かうのだがジル達以外の結晶石の査定待ちもあるので直ぐに現金は支払われない。
後々大量に支払われるので先行報酬と言ったところだ。
「大量に採掘した臨時収入だな。」
「ダナンは太っ腹なのです。」
ジル達だからこそこれだけ待遇が良いのだ。
普通の冒険者でこれだけ待遇の良い指名依頼なんて滅多に存在しない。
「結晶石を預けたら何か美味い物でも食べにいくか。」
「賛成なのです。シャルルメルトの美味しい料理があったら無限倉庫に蓄えたいのです。」
ジル達は採掘した結晶石を渡す為にギルドへと向かった。
なんとこの日でジル達は採掘を終わらせてしまった。
「今日も大量だった。これでわしとジルが買い取る分は余裕で掘れただろう。」
予想よりも早く終わってしまった。
それだけ先に入った者達の採掘の仕方が雑だったと言うのもあるが、ジルとダナンのコンビが採掘特化し過ぎていた。
「あれだけ採掘していればそうなるだろうな。むしろ多いのではないか?」
「余剰分は公爵が採掘の謝礼を払って引き取ってくれるらしいのです。シャルルメルトの交易品としてこれから使われるのです。」
採掘した物は全て買い取ってくれるので手に入るだけお得だ。
「結晶石を取り引き出来るとなればシャルルメルトも安泰そうだな。」
「そうなればいいのだがな。」
ジルの言葉に難しそうな表情をするダナン。
「何だ?やはり公爵令嬢のスキルか?」
「あまり人前で大きな声では言うなよ?シャルルメルトに住む物達はこの手の話題は嫌っている。」
ダナンがもっと小声で話せとでも言わんばかりに辺りを見回して小声で言う。
今いる領民達はシャルルメルト公爵家のスキル事情を知っていながら残っている者達だ。
悪く言われて良い気持ちはしないだろう。
「ジル様、この話しは自領の領主の娘を悪く言ってるのと変わらないのです。注意した方がいいのです。」
「分かっている。今は周りに誰もいないだろう?」
ジルも周りに人がいないのは確認済みだ。
自ら喧嘩を売る様な面倒な事はしない。
「話しを戻すがジルの言う通りスキルが原因だ。あの様な強い力を持つスキルは使い方を誤れば大きな災厄となるからな。」
魅力的な交易物質を持っていても取り引き相手はどうしても気になってしまうだろう。
「国落としすらも出来るかもしれないと昨日聞いたな。」
「そうだ、警戒するのは当然だと思わないか?自分の治める街や暮らしている国が一人の少女に滅ぼされる可能性がある。」
シャルルメルトと付き合うだけでそう言ったリスクが付きまとう。
上に立つ者であれば自分の判断一つで多くの者を危険に晒す事になるので慎重になるだろう。
「まあ、そう思う者もいるのだろうな。」
「ジルは違うのか?」
「あのスキルは魔物を呼び寄せる類いだろう?別に魔物が大量に押し寄せてこようと全て排除すればいいだけだ。」
口にはしないがスキルだけで無く、魔法でも国落としをしようと思えば出来る。
魔王時代に地図を大きく変えてしまう程の被害を魔法によって生み出した事もある。
今のジルでも極級魔法を何度か使えば同じ事が出来る筈だ。
「確かにジル様ならそれが出来そうなのです。もちろんライムもなのですよ。」
自分の従魔を撫でながらシキが言うと、ライムが嬉しそうにプルプルと揺れている。
今はまだ難しいがいずれはその様な規格外なスライムへと育つだろう。
「やれやれ、お前達は規格外過ぎるな。普通ならば脅威と感じて恐れるものなのだが。」
感性が違い過ぎてダナンが溜め息を吐く。
脅威をまるで脅威と感じていない。
「我と一緒にいる間は護衛として守ってやるからダナンも安心していいぞ。」
「ジルを雇えた段階で安心はしている。戦力で言えばこれ以上は中々無いからな。」
脅威と感じているスキルの件もジルがいるからこそ安心出来る。
そうでなければシャルルメルトに訪れてはいない。
「さて、わしは先行して少しだけ買い取った結晶石を持って工房を借りてくる。早速何かを作ってみたいからな。」
結晶石は大量に手に入ったので査定に大きく時間が掛かる。
なので少量だけ先に手に入れておいたらしい。
「武具でも作るのか?」
「悩み中だ。結晶石は武具よりも装飾品の方に扱われる事が多いからな。まあ、思うままに試して売ってみるとしよう。大量に買い取るにはもう少し資金が必要だ。」
持ってきた金額も相当だったのだが、採掘出来た量を見るともう少しお金が欲しい。
なので現地調達をしてみる事にした。
エルダードワーフの手掛ける物なら相当な価値になりそうだ。
「色々と試してみるといい。暫くはシャルルメルトに滞在するのだからな。」
「シキ達も色々と見て回るのです。」
結晶石の採掘は終わったので今日から自由時間だ。
公爵の好意にあまえて暫く屋敷で過ごしながらのんびりするつもりだ。
その内街の観光ややりたい事も見つかるだろう。
「ああ、そうさせてもらう。今日までの結晶石を合わせれば、わしらの合計買い取り量を大きく上回っている筈だ。買い取り額も期待出来るし、これくらいは小遣いとして渡しておく。好きな物でも食べるといい。」
そう言って金貨を数枚渡してからダナンは去っていった。
この後結晶石を売却に向かうのだがジル達以外の結晶石の査定待ちもあるので直ぐに現金は支払われない。
後々大量に支払われるので先行報酬と言ったところだ。
「大量に採掘した臨時収入だな。」
「ダナンは太っ腹なのです。」
ジル達だからこそこれだけ待遇が良いのだ。
普通の冒険者でこれだけ待遇の良い指名依頼なんて滅多に存在しない。
「結晶石を預けたら何か美味い物でも食べにいくか。」
「賛成なのです。シャルルメルトの美味しい料理があったら無限倉庫に蓄えたいのです。」
ジル達は採掘した結晶石を渡す為にギルドへと向かった。
15
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる