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69章
元魔王様と記憶喪失の天使族 6
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公爵家の屋敷に戻ってきたリュシエルは早速ベリッシ湖であった出来事を公爵に報告しに向かった。
長年悩まされた魔物を倒した事や天使族を連れ帰ってきた事と報告内容が多いので長い話し合いになりそうだ。
「ここがリュシエルの屋敷。」
人族の部屋が珍しいと感じているのか辺りを興味深そうに見回している。
「大人しくしておくんだぞ。お前が暴れる様な事があれば我は容赦しないからな。」
「ジル、怖い。」
少しだけ怖がる素振りをしながら天使の少女が言う。
と言っても現状のジルからはそこまで敵意を感じていないので本気で怖がっている訳でも無い。
「お前達天使族が我をそうさせるんだ。」
「天使と何かあったの?」
「まあな。だがそれよりも今はお前の事だ。」
「私?」
少女が自分を指差して首を傾げる。
「我のスキルでもお前の情報が視えん。これは初めての事だ。」
「ジル様の万能鑑定でも視えないのです?それは不思議なのです。」
シキが少し驚きながら少女を見る。
鑑定系の中でも上位互換のスキルである万能鑑定で視えないなんて事は滅多に無い。
強力な鑑定を妨害する魔法道具くらいしか経験が無かった。
「それは鑑定系のスキル?」
「そうだ。普通なら名前、スキル、魔法適性なんかが視えるのだが、お前に使うと霧がかった様によく視えない。」
再度試してみるがやはりはっきりと視えない。
明らかに何かの力が作用している。
「鑑定妨害系のスキルでもジル様の万能鑑定なら完全に妨害するのは無理なのです。鑑定妨害系の魔法道具なら可能なのですけど特に見当たらないのです。」
シキが少女の周りを飛び回って魔法道具を探すがそれらしい物は無い。
「ああ、だからこれはスキルでも魔法道具でも無くこの世界には無い力だろう。」
「聖痕?」
「そう言う事だ。」
少女が自分の手の甲にある聖痕を指差して首を傾げる。
上位の天使族だけが持つこの世界には無い力だ。
「理由は分からんが天使の誰かがお前に聖痕の力を使ったと我は考えている。」
聖痕の力ならば万能鑑定を妨害する事も可能かもしれない。
「仲間にそんな事をするのです?」
「天使も一枚岩では無いと言う事だろう。」
ライエルを直接見たからこそ言える。
あの天使は部下である同族を駒としか考えておらず、ジル達を倒す為に軽々と犠牲にした。
そんな天使族ならば例え上位の存在同士であっても裏切りは発生するのではないかと思った。
「私は誰かに裏切られたの?」
「確証は無い。あくまでも我の予想だ。」
「そう。」
少女は特に悲しむ様子も無く平然と呟く。
「まあ、記憶を取り戻すまでのお前は無害そうだから保護されておけばいい。だが我の前に立ちはだかり戦闘の意思を見せる時は覚悟しろよ。」
「ジルは強そうだから戦いたくない。」
ジルの言葉に首を横に振っている。
戦闘の意思は全く無いと宣言する。
「今はそうでも記憶を取り戻したら分からないだろう?」
元々が好戦的な性格だったり魔族を目の敵にしていたりすれば豹変してもおかしくない。
少女の言葉を間に受けて信用は出来無い。
「私は戦わないと思う。絶対に勝てない戦いをするなんて無駄死に。」
どうやら少女はジルの力を正確に見抜いている様だ。
人族と言う天使族に劣る種族ではあるが、圧倒的な力を持っていると気付いている。
「話しが分かる天使族なのです。ジル様に挑んできた天使族にも聞かせてやりたいのです。」
「奴は再戦を望んでいる様だけどな。それに天使族は種族的に見ても強い。お前もかなりの強さだと我は思っているのだがな。」
少女の見た目からは想像も出来無い強さを秘めていると感じる。
見た目に侮っていると痛い目を見るだろう。
「私は強いよ、多分。この聖痕の使い方も覚えているから。」
「その記憶は持っているのか。」
「聖痕は天使族にとっての特別な力なのです。自分の身体の一部みたいな物で、手足と同じく使い方が分かるのかもしれないのです。」
「成る程な。」
記憶を失っているからと言って身体の動かし方を忘れていたりはしていない。
聖痕も身体の一部として記憶に残っているのかもしれない。
「それでお前の聖痕の力は何なんだ?」
「睡眠の聖痕。それが私の持つ聖痕の力。」
「シキ、聞いた事はあるか?」
「初耳なのです。聖痕を持っているからナンバーズなのは確定だとは思うのです。まだ世間に知られていないナンバーズがいると言う事なのかもしれないのです。」
聖痕は天使族の中でも上位の存在だけが持つ力だ。
少なくともライエルと同等以上の存在なのは確定だ。
「それは相手を眠らせる力を持つのか?」
「それもある。眠ってみる?」
「ふむ、やってみろ。」
ジルが聖痕の力を自分に使う事を許可する。
「ジル様、危険じゃないのです?」
聖痕の力はスキルにも勝る強力な力だ。
ただ眠らせるだけとは限らない。
「例えこいつが我を殺そうとしてきてもライムがいる。それに眠っているからと言って我が簡単に殺される事は無い。」
「確かにそれもそうなのです。」
「じゃあやる。」
聖痕の力を発動させた少女が手を向けてくるとジルの意識は薄れていった。
長年悩まされた魔物を倒した事や天使族を連れ帰ってきた事と報告内容が多いので長い話し合いになりそうだ。
「ここがリュシエルの屋敷。」
人族の部屋が珍しいと感じているのか辺りを興味深そうに見回している。
「大人しくしておくんだぞ。お前が暴れる様な事があれば我は容赦しないからな。」
「ジル、怖い。」
少しだけ怖がる素振りをしながら天使の少女が言う。
と言っても現状のジルからはそこまで敵意を感じていないので本気で怖がっている訳でも無い。
「お前達天使族が我をそうさせるんだ。」
「天使と何かあったの?」
「まあな。だがそれよりも今はお前の事だ。」
「私?」
少女が自分を指差して首を傾げる。
「我のスキルでもお前の情報が視えん。これは初めての事だ。」
「ジル様の万能鑑定でも視えないのです?それは不思議なのです。」
シキが少し驚きながら少女を見る。
鑑定系の中でも上位互換のスキルである万能鑑定で視えないなんて事は滅多に無い。
強力な鑑定を妨害する魔法道具くらいしか経験が無かった。
「それは鑑定系のスキル?」
「そうだ。普通なら名前、スキル、魔法適性なんかが視えるのだが、お前に使うと霧がかった様によく視えない。」
再度試してみるがやはりはっきりと視えない。
明らかに何かの力が作用している。
「鑑定妨害系のスキルでもジル様の万能鑑定なら完全に妨害するのは無理なのです。鑑定妨害系の魔法道具なら可能なのですけど特に見当たらないのです。」
シキが少女の周りを飛び回って魔法道具を探すがそれらしい物は無い。
「ああ、だからこれはスキルでも魔法道具でも無くこの世界には無い力だろう。」
「聖痕?」
「そう言う事だ。」
少女が自分の手の甲にある聖痕を指差して首を傾げる。
上位の天使族だけが持つこの世界には無い力だ。
「理由は分からんが天使の誰かがお前に聖痕の力を使ったと我は考えている。」
聖痕の力ならば万能鑑定を妨害する事も可能かもしれない。
「仲間にそんな事をするのです?」
「天使も一枚岩では無いと言う事だろう。」
ライエルを直接見たからこそ言える。
あの天使は部下である同族を駒としか考えておらず、ジル達を倒す為に軽々と犠牲にした。
そんな天使族ならば例え上位の存在同士であっても裏切りは発生するのではないかと思った。
「私は誰かに裏切られたの?」
「確証は無い。あくまでも我の予想だ。」
「そう。」
少女は特に悲しむ様子も無く平然と呟く。
「まあ、記憶を取り戻すまでのお前は無害そうだから保護されておけばいい。だが我の前に立ちはだかり戦闘の意思を見せる時は覚悟しろよ。」
「ジルは強そうだから戦いたくない。」
ジルの言葉に首を横に振っている。
戦闘の意思は全く無いと宣言する。
「今はそうでも記憶を取り戻したら分からないだろう?」
元々が好戦的な性格だったり魔族を目の敵にしていたりすれば豹変してもおかしくない。
少女の言葉を間に受けて信用は出来無い。
「私は戦わないと思う。絶対に勝てない戦いをするなんて無駄死に。」
どうやら少女はジルの力を正確に見抜いている様だ。
人族と言う天使族に劣る種族ではあるが、圧倒的な力を持っていると気付いている。
「話しが分かる天使族なのです。ジル様に挑んできた天使族にも聞かせてやりたいのです。」
「奴は再戦を望んでいる様だけどな。それに天使族は種族的に見ても強い。お前もかなりの強さだと我は思っているのだがな。」
少女の見た目からは想像も出来無い強さを秘めていると感じる。
見た目に侮っていると痛い目を見るだろう。
「私は強いよ、多分。この聖痕の使い方も覚えているから。」
「その記憶は持っているのか。」
「聖痕は天使族にとっての特別な力なのです。自分の身体の一部みたいな物で、手足と同じく使い方が分かるのかもしれないのです。」
「成る程な。」
記憶を失っているからと言って身体の動かし方を忘れていたりはしていない。
聖痕も身体の一部として記憶に残っているのかもしれない。
「それでお前の聖痕の力は何なんだ?」
「睡眠の聖痕。それが私の持つ聖痕の力。」
「シキ、聞いた事はあるか?」
「初耳なのです。聖痕を持っているからナンバーズなのは確定だとは思うのです。まだ世間に知られていないナンバーズがいると言う事なのかもしれないのです。」
聖痕は天使族の中でも上位の存在だけが持つ力だ。
少なくともライエルと同等以上の存在なのは確定だ。
「それは相手を眠らせる力を持つのか?」
「それもある。眠ってみる?」
「ふむ、やってみろ。」
ジルが聖痕の力を自分に使う事を許可する。
「ジル様、危険じゃないのです?」
聖痕の力はスキルにも勝る強力な力だ。
ただ眠らせるだけとは限らない。
「例えこいつが我を殺そうとしてきてもライムがいる。それに眠っているからと言って我が簡単に殺される事は無い。」
「確かにそれもそうなのです。」
「じゃあやる。」
聖痕の力を発動させた少女が手を向けてくるとジルの意識は薄れていった。
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