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72章
元魔王様と観光デート 7
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酒場で食事し終わったジル達は街を見て回っている。
リュシエルの案内でお勧めの場所を幾つか教えてもらうがここでとある事に気が付く。
「お嬢、今更だが本当に自分の住んでいる街の事を知らないんだな。」
「し、仕方無いではありませんか!最近までずっと屋敷で過ごす生活を送っていて街に出る事は無かったんですから!」
リュシエルが顔を赤くしながら反論する。
今日に向けて頑張って行き先を考えていたリュシエルだが、自分が案内出来る場所なんて限られていた。
アンレローゼや護衛の騎士達にもお勧めを聞いて少し場所を増やしたくらいだ。
「それでよく案内しようなんて言えたな。」
「これでも幼少期の記憶を思い出してお勧めの場所を選んでいるんですよ?」
「それも10年近く前の話しだろう?先程もお勧めの場所と言われて向かったが別の建物だったり更地になっていたりしたしな。」
「うっ。」
リュシエルが子供の時の街が今も同じ形で残っている訳は無い。
それだけ時間が経てば街並みも変わる。
「で、ですが今度は大丈夫な筈です。」
「次はどこに向かうんだ?」
「孤児院です。こう見えても小さい頃はよく通っていたんですよ。それに今も健在なのは確認済みです。」
次に向かう孤児院は事前に確認済みらしく安心だと言う。
「貴族令嬢が孤児院に通っていたのか?」
「身分の差なんて関係ありません。私はシャルルメルトの領民には幸せに過ごしてほしい。それは孤児であっても変わりません。なので定期的に個人的な援助を送っているのです。」
「ほう、貴族にしては立派な考えだな。」
トゥーリもだが孤児院に寄付や援助をする貴族は少ない方だ。
領地の利益となるかも分からない孤児院にお金を使うよりは他に資金を当てたいと考えるのだろう。
「貴族にしてはですか。普通は領民の生活を一番に考えて行動するのが貴族なんですけどね。ジルの言いたい事も分かりますけど。」
こればかりはそう言った偏見を持たれていても仕方無いとリュシエルも思う。
それだけ領民を蔑ろにして私服を肥やす貴族が多過ぎるのだ。
「こんにちは。」
「邪魔するぞ。」
孤児院に到着したジルとリュシエルが孤児院の庭を掃除をしているシスターに声を掛ける。
「当孤児院に何か御用でしょうか?」
「シスター、お久しぶりですね!」
「どちら様でしょう?」
フードを被っているのと随分と久しぶりに訪れたのでシスターは誰なのか分かっていない様だ。
「私です!」
フードを取って見せるとシスターが驚いた様な表情になる。
「ま、まさかリュシエル様!?」
「はい、幼少期以来ですね。」
「こんなにご立派になられて。」
「少し恥ずかしいですね。」
昔お世話になったシスターに成長した姿を褒められてリュシエルは照れている。
貴族と領民の関係ではあるがジルとトゥーリの様に身分の差を超えた関係が出来上がっていそうな雰囲気だ。
「そちらの方は?」
「私の護衛の冒険者です。街案内をしていたところで寄らせてもらいました。」
「案内する程詳しくは無かったけどな。」
「悪かったですね。」
ジルの言葉にリュシエルが頬を膨らませながら軽く睨んでくる。
その可愛らしい仕草にシスターが笑っている。
「そうでしたか。ここには何もありませんがリュシエル様が尋ねてこられたと聞けば子供達も喜ぶかと。」
「孤児院の皆さんは元気にやられていますか?」
「え、ええ。」
リュシエルの質問に歯切れの悪い回答をするシスター。
そしてその言葉の意味を説明する様にこちらに孤児院の子供達がやってきた。
「シスター。」
「どうかしました?」
「お腹空いたよ。」
「い、今はお客様の対応中ですから少し待って下さい。」
「うん。」
子供達がお腹を抱えてシスターに空腹を訴えている。
シスターもかなり細いと思ったが、子供達も痩せ細っている者が多い。
「援助を受けている様には見えんな。不健康そうな子供だったぞ?」
「シスター、これはどう言う事なのですか?お父様の援助の他にも私も孤児院には定期的な援助をしている筈ですが?」
責める訳では無くリュシエルが心配する様な表情でシスターに尋ねる。
お金は届いている筈なのに適切に使われていない様子だ。
「これを話してしまえば私の命は無くなってしまうかもしれません。ですが子供達の事を考えるならリュシエル様のお耳に入れるのが最善でしょう。」
「一体何があったのですか?」
物騒な台詞と覚悟を決めた様な表情をするシスターを見てリュシエルも不穏な空気を感じる。
「この孤児院は暫く前からまともに食事を食べられる様な状況にありません。院長が援助のお金を着服しているのです。」
「…何ですって?」
シスターからそれを聞いたリュシエルは怒りの表情を露わにした。
リュシエルの案内でお勧めの場所を幾つか教えてもらうがここでとある事に気が付く。
「お嬢、今更だが本当に自分の住んでいる街の事を知らないんだな。」
「し、仕方無いではありませんか!最近までずっと屋敷で過ごす生活を送っていて街に出る事は無かったんですから!」
リュシエルが顔を赤くしながら反論する。
今日に向けて頑張って行き先を考えていたリュシエルだが、自分が案内出来る場所なんて限られていた。
アンレローゼや護衛の騎士達にもお勧めを聞いて少し場所を増やしたくらいだ。
「それでよく案内しようなんて言えたな。」
「これでも幼少期の記憶を思い出してお勧めの場所を選んでいるんですよ?」
「それも10年近く前の話しだろう?先程もお勧めの場所と言われて向かったが別の建物だったり更地になっていたりしたしな。」
「うっ。」
リュシエルが子供の時の街が今も同じ形で残っている訳は無い。
それだけ時間が経てば街並みも変わる。
「で、ですが今度は大丈夫な筈です。」
「次はどこに向かうんだ?」
「孤児院です。こう見えても小さい頃はよく通っていたんですよ。それに今も健在なのは確認済みです。」
次に向かう孤児院は事前に確認済みらしく安心だと言う。
「貴族令嬢が孤児院に通っていたのか?」
「身分の差なんて関係ありません。私はシャルルメルトの領民には幸せに過ごしてほしい。それは孤児であっても変わりません。なので定期的に個人的な援助を送っているのです。」
「ほう、貴族にしては立派な考えだな。」
トゥーリもだが孤児院に寄付や援助をする貴族は少ない方だ。
領地の利益となるかも分からない孤児院にお金を使うよりは他に資金を当てたいと考えるのだろう。
「貴族にしてはですか。普通は領民の生活を一番に考えて行動するのが貴族なんですけどね。ジルの言いたい事も分かりますけど。」
こればかりはそう言った偏見を持たれていても仕方無いとリュシエルも思う。
それだけ領民を蔑ろにして私服を肥やす貴族が多過ぎるのだ。
「こんにちは。」
「邪魔するぞ。」
孤児院に到着したジルとリュシエルが孤児院の庭を掃除をしているシスターに声を掛ける。
「当孤児院に何か御用でしょうか?」
「シスター、お久しぶりですね!」
「どちら様でしょう?」
フードを被っているのと随分と久しぶりに訪れたのでシスターは誰なのか分かっていない様だ。
「私です!」
フードを取って見せるとシスターが驚いた様な表情になる。
「ま、まさかリュシエル様!?」
「はい、幼少期以来ですね。」
「こんなにご立派になられて。」
「少し恥ずかしいですね。」
昔お世話になったシスターに成長した姿を褒められてリュシエルは照れている。
貴族と領民の関係ではあるがジルとトゥーリの様に身分の差を超えた関係が出来上がっていそうな雰囲気だ。
「そちらの方は?」
「私の護衛の冒険者です。街案内をしていたところで寄らせてもらいました。」
「案内する程詳しくは無かったけどな。」
「悪かったですね。」
ジルの言葉にリュシエルが頬を膨らませながら軽く睨んでくる。
その可愛らしい仕草にシスターが笑っている。
「そうでしたか。ここには何もありませんがリュシエル様が尋ねてこられたと聞けば子供達も喜ぶかと。」
「孤児院の皆さんは元気にやられていますか?」
「え、ええ。」
リュシエルの質問に歯切れの悪い回答をするシスター。
そしてその言葉の意味を説明する様にこちらに孤児院の子供達がやってきた。
「シスター。」
「どうかしました?」
「お腹空いたよ。」
「い、今はお客様の対応中ですから少し待って下さい。」
「うん。」
子供達がお腹を抱えてシスターに空腹を訴えている。
シスターもかなり細いと思ったが、子供達も痩せ細っている者が多い。
「援助を受けている様には見えんな。不健康そうな子供だったぞ?」
「シスター、これはどう言う事なのですか?お父様の援助の他にも私も孤児院には定期的な援助をしている筈ですが?」
責める訳では無くリュシエルが心配する様な表情でシスターに尋ねる。
お金は届いている筈なのに適切に使われていない様子だ。
「これを話してしまえば私の命は無くなってしまうかもしれません。ですが子供達の事を考えるならリュシエル様のお耳に入れるのが最善でしょう。」
「一体何があったのですか?」
物騒な台詞と覚悟を決めた様な表情をするシスターを見てリュシエルも不穏な空気を感じる。
「この孤児院は暫く前からまともに食事を食べられる様な状況にありません。院長が援助のお金を着服しているのです。」
「…何ですって?」
シスターからそれを聞いたリュシエルは怒りの表情を露わにした。
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