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77章
魔法生命体達と浮島防衛戦 10.5
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全力で空を飛行し続ける事数日、ジャミール王国から抜け出したとある上級天使は天使族達が拠点とする聖国セントリアルの領土に入った。
上級天使は聖天司教団体の本部を目指す。
白を基調として作られた豪華で巨大な建造物。
これこそがこの世界にいるすべての天使達の拠点である。
「やっと、やっと戻ってこられた。」
ジャミール王国での戦闘により美しい天使の羽はボロボロで満身創痍の状態だ。
それでも情報だけは必ず持ち帰らなければならず、この上級天使はその一心で本国まで飛び続けたのだ。
「リコエル様が命懸けで逃して下さった。必ず情報だけでも上役の方々に。」
本部の拠点に足を踏み入れようとしたところで足がもつれて倒れる。
飲まず食わずで睡眠も取っておらずもう身体は限界だ。
「くっ、誰かいないのか。」
力が入らない身体に鞭を打って首を必死に動かして辺りを見回す。
するとこちらに近付いてくる天使がいるのに気付く。
「あららのら~、誰か倒れてるよサイエル~。」
「これは一体。」
やってきたのは聖痕持ちのディリエルとサイエルだ。
前にジルにやられたライエルを助けにきた二人組の天使である。
「取り敢えず治してみたら~?」
「そうですな。治してから事情を聞くとしましょう。」
サイエルの聖痕が輝くと倒れている天使の身体を虹色の光りが包んで癒す。
ボロボロだった身体が巻き戻されるかの様に元に戻る。
さすがに空腹までは満たされないが上司の前でいつまでも寝てはいられない。
「さ、サイエル様、私の様な者に聖痕の力を使っていただき感謝します。」
起き上がって片膝を付きながら深々と頭を下げて言う。
「構いませんよ。それよりも事情をお伺いしても宜しいですか?」
「は、はい。実は…。」
話そうと口を開いたところで腹の虫が大きく鳴る。
やはり我慢し続けるのは厳しい様だ。
「お腹空いてるの~?」
「も、申し訳ありません。数日飲まず食わずでして。」
首を傾げて聞いてくるディリエルに頭を下げながら言う。
「私の聖痕では空腹までは治せませんからね。」
「それならこれを分けてあげよう~。私は甘味食べ放題だから~。」
ディリエルの近くの空間に亀裂が入り穴が開く。
そこから幾つもの甘味を取り出して天使に分け与える。
「ディリエル様、感謝します。」
「存分に感謝してね~。」
天使が感謝しながら甘味で空腹を満たす。
一先ず空腹を鎮めなければ話しも続けられない。
「サイエルにもあげよう~。」
「頂きます。」
天使が空腹を満たすのを二人も甘味を食べて待つ事にした。
聖痕持ちの中では非常にマイペースで優しい二人なのだ。
「お腹は膨れた~?」
「はい、お二人のおかげで助かりました。」
ディリエルから貰った甘味を全て食べ尽くした天使が言う。
せっかくここまで戻ってきたのに二人がいなければ死んでいたかもしれない。
「それで何があったのですか?」
「私は数日前までジャミール王国にいました。ライエル様の招集した部隊に所属していまして、人族の拠点を攻め落とす作戦に加わっていたのです。」
「ディリエル殿が送った部隊ですな。」
「人族一人の為に沢山送ったよね~。」
ディリエルの聖痕の力で運搬してあげたので当然知っている。
戦争でもするのかと言う程の天使達をジャミール王国に送っていた。
「はい、その部隊です。おそらく私を除いて壊滅させられました。」
「それは真ですか?」
サイエルが少し驚きながら尋ね返す。
聖痕持ちもかなりの数がいたし、そう簡単にやられる人数でもなかった。
「はい、リコエル様が命を掛けて私を逃して下さいました。本国に必ず情報を持ち帰る様にと。」
「リコエル殿がやられるとは信じ難い事ですな。しかしこの様な重要案件、よくぞ持ち帰って下さいました。」
「いえ、お二人がいなければ私の命も消えていたかもしれません。運が良かったのです。」
内容はどうであれ一先ず情報が持ち帰られたのは喜ばしい事だ。
聖痕持ちを含む大量の天使達が死んで何も分かりませんでは話しにならない。
「うが~!」
「っ!?」
突然ディリエルが両手を振り上げて吠える。
それだけで無く不機嫌そうな表情も浮かべている。
「ディリエル殿、突然発狂されてどうされました?」
「部隊が壊滅~、それはつまりライエルも死んだって事~?」
「お、おそらくは。」
不機嫌そうなディリエルに尋ねられて天使が怯えながら頷く。
「私の甘味食べ放題が~。」
前にライエルを助けた時に約束した件を気にしているのだ。
約束した本人が死んでしまったのならこれ以上約束が果たされる事は無くなったと言う事だ。
「成る程、そう言う事でしたか。甘味であれば私が幾らでもご馳走しますよ。」
「さすがサイエル~。愛してる~。」
サイエルの言葉で一気に機嫌を戻すディリエル。
ライエルの死も既に気にしていない様子だ。
「話しを戻しますが部隊が全滅となるとかなりの数のナンバーズがいなくなった事になりますね。」
「えーっと~、光剣、探知、強靭、斬撃、発症、疾風、光線、透明、統率、遠見、火炎だよね~?」
「はい、あの作戦に加わったナンバーズの方々は合計十一名です。」
遠見と火炎の聖痕持ちは最後にタイプBとタイプDが戦っていた者達で、しっかり敗北している。
「これは序列の見直しや新たなナンバーズの再編成が必要になりそうですな。ディリエル殿、ナンバーズを招集して会議する必要があるかと。」
「え~、会議嫌い~。」
サイエルの言葉に嫌そうな表情をしながらディリエルが答える。
「そう言わずに。序列1位の貴方の招集が一番集まりが良いのですから。」
なんとかその気になってもらおうとサイエルが説得する。
序列の高い者の言葉の方が聖痕持ち達も従ってくれるのだ。
「う~、サイエルが言うなら仕方無い~。そこの上級天使君も参加して~。」
「他の方々への説明も必要ですからな。」
「承知しました。」
これから上司である多くのナンバーズに囲まれる事を想像して緊張する上級天使だった。
上級天使は聖天司教団体の本部を目指す。
白を基調として作られた豪華で巨大な建造物。
これこそがこの世界にいるすべての天使達の拠点である。
「やっと、やっと戻ってこられた。」
ジャミール王国での戦闘により美しい天使の羽はボロボロで満身創痍の状態だ。
それでも情報だけは必ず持ち帰らなければならず、この上級天使はその一心で本国まで飛び続けたのだ。
「リコエル様が命懸けで逃して下さった。必ず情報だけでも上役の方々に。」
本部の拠点に足を踏み入れようとしたところで足がもつれて倒れる。
飲まず食わずで睡眠も取っておらずもう身体は限界だ。
「くっ、誰かいないのか。」
力が入らない身体に鞭を打って首を必死に動かして辺りを見回す。
するとこちらに近付いてくる天使がいるのに気付く。
「あららのら~、誰か倒れてるよサイエル~。」
「これは一体。」
やってきたのは聖痕持ちのディリエルとサイエルだ。
前にジルにやられたライエルを助けにきた二人組の天使である。
「取り敢えず治してみたら~?」
「そうですな。治してから事情を聞くとしましょう。」
サイエルの聖痕が輝くと倒れている天使の身体を虹色の光りが包んで癒す。
ボロボロだった身体が巻き戻されるかの様に元に戻る。
さすがに空腹までは満たされないが上司の前でいつまでも寝てはいられない。
「さ、サイエル様、私の様な者に聖痕の力を使っていただき感謝します。」
起き上がって片膝を付きながら深々と頭を下げて言う。
「構いませんよ。それよりも事情をお伺いしても宜しいですか?」
「は、はい。実は…。」
話そうと口を開いたところで腹の虫が大きく鳴る。
やはり我慢し続けるのは厳しい様だ。
「お腹空いてるの~?」
「も、申し訳ありません。数日飲まず食わずでして。」
首を傾げて聞いてくるディリエルに頭を下げながら言う。
「私の聖痕では空腹までは治せませんからね。」
「それならこれを分けてあげよう~。私は甘味食べ放題だから~。」
ディリエルの近くの空間に亀裂が入り穴が開く。
そこから幾つもの甘味を取り出して天使に分け与える。
「ディリエル様、感謝します。」
「存分に感謝してね~。」
天使が感謝しながら甘味で空腹を満たす。
一先ず空腹を鎮めなければ話しも続けられない。
「サイエルにもあげよう~。」
「頂きます。」
天使が空腹を満たすのを二人も甘味を食べて待つ事にした。
聖痕持ちの中では非常にマイペースで優しい二人なのだ。
「お腹は膨れた~?」
「はい、お二人のおかげで助かりました。」
ディリエルから貰った甘味を全て食べ尽くした天使が言う。
せっかくここまで戻ってきたのに二人がいなければ死んでいたかもしれない。
「それで何があったのですか?」
「私は数日前までジャミール王国にいました。ライエル様の招集した部隊に所属していまして、人族の拠点を攻め落とす作戦に加わっていたのです。」
「ディリエル殿が送った部隊ですな。」
「人族一人の為に沢山送ったよね~。」
ディリエルの聖痕の力で運搬してあげたので当然知っている。
戦争でもするのかと言う程の天使達をジャミール王国に送っていた。
「はい、その部隊です。おそらく私を除いて壊滅させられました。」
「それは真ですか?」
サイエルが少し驚きながら尋ね返す。
聖痕持ちもかなりの数がいたし、そう簡単にやられる人数でもなかった。
「はい、リコエル様が命を掛けて私を逃して下さいました。本国に必ず情報を持ち帰る様にと。」
「リコエル殿がやられるとは信じ難い事ですな。しかしこの様な重要案件、よくぞ持ち帰って下さいました。」
「いえ、お二人がいなければ私の命も消えていたかもしれません。運が良かったのです。」
内容はどうであれ一先ず情報が持ち帰られたのは喜ばしい事だ。
聖痕持ちを含む大量の天使達が死んで何も分かりませんでは話しにならない。
「うが~!」
「っ!?」
突然ディリエルが両手を振り上げて吠える。
それだけで無く不機嫌そうな表情も浮かべている。
「ディリエル殿、突然発狂されてどうされました?」
「部隊が壊滅~、それはつまりライエルも死んだって事~?」
「お、おそらくは。」
不機嫌そうなディリエルに尋ねられて天使が怯えながら頷く。
「私の甘味食べ放題が~。」
前にライエルを助けた時に約束した件を気にしているのだ。
約束した本人が死んでしまったのならこれ以上約束が果たされる事は無くなったと言う事だ。
「成る程、そう言う事でしたか。甘味であれば私が幾らでもご馳走しますよ。」
「さすがサイエル~。愛してる~。」
サイエルの言葉で一気に機嫌を戻すディリエル。
ライエルの死も既に気にしていない様子だ。
「話しを戻しますが部隊が全滅となるとかなりの数のナンバーズがいなくなった事になりますね。」
「えーっと~、光剣、探知、強靭、斬撃、発症、疾風、光線、透明、統率、遠見、火炎だよね~?」
「はい、あの作戦に加わったナンバーズの方々は合計十一名です。」
遠見と火炎の聖痕持ちは最後にタイプBとタイプDが戦っていた者達で、しっかり敗北している。
「これは序列の見直しや新たなナンバーズの再編成が必要になりそうですな。ディリエル殿、ナンバーズを招集して会議する必要があるかと。」
「え~、会議嫌い~。」
サイエルの言葉に嫌そうな表情をしながらディリエルが答える。
「そう言わずに。序列1位の貴方の招集が一番集まりが良いのですから。」
なんとかその気になってもらおうとサイエルが説得する。
序列の高い者の言葉の方が聖痕持ち達も従ってくれるのだ。
「う~、サイエルが言うなら仕方無い~。そこの上級天使君も参加して~。」
「他の方々への説明も必要ですからな。」
「承知しました。」
これから上司である多くのナンバーズに囲まれる事を想像して緊張する上級天使だった。
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