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85章
元魔王様とテルイゾラの支配者 3
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人と融合したデザイアゴーストは大部屋の天井に迫る程の巨体だ。
その巨大化した手に巨剣と巨杖が現れる。
「邪魔者は排除する。テルイゾラは私だけの物だ。」
デザイアゴーストが巨剣を振り下ろしてくる。
斬ると言うよりも質量で押しつぶすかの様な攻撃だ。
「アイシクルエンチャント!」
ジルが銀月を氷結魔法で強化して巨剣を迎え撃つ。
お互いの武器が激しくぶつかり合って弾ける。
ジルは大きく後退させられて、デザイアゴーストも数歩後ずさる。
「ちょ、ちょっと!互角じゃないの!」
レーテルが焦った様に言ってくる。
ジル達の強さなら一方的な戦いになると予想していたのに当てが外れた。
「さすがは高ランクの魔物と言ったところだな。」
「こちらも驚いたよ。巨大化して力を増した私の攻撃を弾けるとはね。邪神教にイレギュラーと言われて恐れられているだけはあるみたいだ。」
「魔物に褒められても嬉しくないな。」
お互いが相手の力を認める。
簡単に倒せる様な相手では無さそうだ。
「悠長に会話している場合!?勝てると思ったから付いてきたのよ!?まさか負けたりしないでしょうね?」
邪神教を裏切ってまでジル達側に付いたのだからしっかり勝ってもらわないと困る。
デザイアゴーストに勝たれてしまえば今後の人生は真っ暗闇だ。
「そんな事は万が一にも無いから安心しておけ。こちらにはフォルトゥナがいるんだからな。」
「え!?ぼ、僕ですか!?」
突然話しを振られたフォルトゥナが自分を指差しながら驚いている。
ジルがいるのに戦闘させられるとは思っていなかったのだろう。
「…冗談でしょ?私が恐れたジルよりもこの魔族の方が強いって言うの?」
「現状はそうなるな。」
「…とても信じられないわ。」
ジルの言葉にレーテルは疑いの眼差しをフォルトゥナに向けている。
確かに強くはあるのだろう。
それでも邪神教がイレギュラーと呼んで恐れたジルに勝るとはとても思えなかった。
「じ、ジル様、僕も戦わせられるなんて聞いてないですよ!?あんな怖そうな魔物と戦わないといけないんですか!?ここはジル様にお任せして直ぐにでも逃げ出したいんですけど。」
両手をぶんぶんと振って戦いたくない事を伝える。
陣形魔法による無類の強さを持っていても、強そうな相手と戦うのは怖いのだ。
「それは残念だけど無理かな。フォルトゥナにはまた私の傀儡になってもらいたいからさ。」
デザイアゴーストもフォルトゥナを逃すつもりは無い様子だ。
「敵もお望みの様だぞ?モテモテだな。」
「嬉しくないですよ~、勘弁して下さい~。」
フォルトゥナは半泣きで首を振っている。
男と人ですら無い者に求められてもやる気は出ない。
「フォルトゥナ、我は昔と違って万能な力は消えた。いつでもお前を安心させられる強さはもう無いのだ。」
「え?人外の強さを持っていて何を言ってるの?」
「レーテル、お前は口を挟まず黙っていろ。」
ジルの言っている強さとは元魔王の力の事であり、レーテルは分かっていない。
現状でも人族離れした力は持ち合わせているが、フォルトゥナの方が力では勝っているだろう。
いつまでも守ってやれる立場では無いのだ。
「だからフォルトゥナよ、お前も自分の身は自分で守れ。我が助けられる時は助ける。だがそう出来無い時も出てくるだろう。そんな時に皆を守れるのはお前だ。」
「ぼ、僕が皆を守る。」
「その力がお前には備わっている。最強の魔族の名は伊達では無い。」
臆病で戦いに不向きなフォルトゥナではあるが、ここぞと言う時は必ず仲間達の為に剣を抜き戦ってくれた。
いざと言う時にはとても頼りになる男なのだ。
そんなフォルトゥナだからこそ、前世からずっと信じていられる。
「私と戦いながらお喋りとは余裕だね。待っている必要は無いし攻撃しちゃうよ!」
巨杖を掲げると黒い球体が幾つも生み出される。
それをジル達に向けて放ってくる。
「呪詛魔法!やばっ!?」
「断絶結界!」
ジルの展開した結界が呪いの球体を食い止める。
触れたら呪詛魔法による呪いを受ける事になってしまうので危なかった。
「結界魔法か。私の呪詛魔法を防ぐとはやるね。」
「た、助かったわ。」
感心するデザイアゴーストと大きく息を吐くレーテル。
しかし安心するのはまだ早い。
「まあ、砕けるまで放てばいいだけさ!」
先程よりも更に多くの黒い球体を生み出して放ってくる。
結界に当たる度にミシミシと嫌な音を響かせる。
「それにフォルトゥナ、今はモテるチャンスだとは思わないか?」
結界が砕けるまでにはまだ時間がある。
ジルはその時間でフォルトゥナとの会話を続ける。
「モテるチャンスですか?」
「ここに非力で直ぐに死んでしまいそうなレーテルがいるぞ。守ってやればお前に好意を寄せるかもしれん。」
「っ!?」
「え?」
そう言ってジルがレーテルを指差すとフォルトゥナがハッとした表情でレーテルを見る。
当の本人はいきなり名前を出されて困惑している。
「れ、レーテルさん!」
「な、何?」
レーテルの間近に迫って名前を呼ぶフォルトゥナ。
その圧に少し後退りをしている。
「強い男性はどう思いますか?」
「え?それは…か、格好良いと思う。う、うん。格好良いわ!」
緊張した様子で尋ねるフォルトゥナ。
その言葉にどう返すのが正解かと一瞬悩んだが、フォルトゥナの背後に見えたジルの無言の視線で空気を読んだ。
「ジル様、ここは僕にお任せ下さい!」
レーテルの言葉でフォルトゥナがやる気を出した。
女好きの性格故に美人の言葉には弱い。
「やる気になったか。久しぶりのお前の強さを見せてもらうぞ。」
一歩前に出たフォルトゥナにデザイアゴーストを任せる事にしてジルは結界を解除した。
その巨大化した手に巨剣と巨杖が現れる。
「邪魔者は排除する。テルイゾラは私だけの物だ。」
デザイアゴーストが巨剣を振り下ろしてくる。
斬ると言うよりも質量で押しつぶすかの様な攻撃だ。
「アイシクルエンチャント!」
ジルが銀月を氷結魔法で強化して巨剣を迎え撃つ。
お互いの武器が激しくぶつかり合って弾ける。
ジルは大きく後退させられて、デザイアゴーストも数歩後ずさる。
「ちょ、ちょっと!互角じゃないの!」
レーテルが焦った様に言ってくる。
ジル達の強さなら一方的な戦いになると予想していたのに当てが外れた。
「さすがは高ランクの魔物と言ったところだな。」
「こちらも驚いたよ。巨大化して力を増した私の攻撃を弾けるとはね。邪神教にイレギュラーと言われて恐れられているだけはあるみたいだ。」
「魔物に褒められても嬉しくないな。」
お互いが相手の力を認める。
簡単に倒せる様な相手では無さそうだ。
「悠長に会話している場合!?勝てると思ったから付いてきたのよ!?まさか負けたりしないでしょうね?」
邪神教を裏切ってまでジル達側に付いたのだからしっかり勝ってもらわないと困る。
デザイアゴーストに勝たれてしまえば今後の人生は真っ暗闇だ。
「そんな事は万が一にも無いから安心しておけ。こちらにはフォルトゥナがいるんだからな。」
「え!?ぼ、僕ですか!?」
突然話しを振られたフォルトゥナが自分を指差しながら驚いている。
ジルがいるのに戦闘させられるとは思っていなかったのだろう。
「…冗談でしょ?私が恐れたジルよりもこの魔族の方が強いって言うの?」
「現状はそうなるな。」
「…とても信じられないわ。」
ジルの言葉にレーテルは疑いの眼差しをフォルトゥナに向けている。
確かに強くはあるのだろう。
それでも邪神教がイレギュラーと呼んで恐れたジルに勝るとはとても思えなかった。
「じ、ジル様、僕も戦わせられるなんて聞いてないですよ!?あんな怖そうな魔物と戦わないといけないんですか!?ここはジル様にお任せして直ぐにでも逃げ出したいんですけど。」
両手をぶんぶんと振って戦いたくない事を伝える。
陣形魔法による無類の強さを持っていても、強そうな相手と戦うのは怖いのだ。
「それは残念だけど無理かな。フォルトゥナにはまた私の傀儡になってもらいたいからさ。」
デザイアゴーストもフォルトゥナを逃すつもりは無い様子だ。
「敵もお望みの様だぞ?モテモテだな。」
「嬉しくないですよ~、勘弁して下さい~。」
フォルトゥナは半泣きで首を振っている。
男と人ですら無い者に求められてもやる気は出ない。
「フォルトゥナ、我は昔と違って万能な力は消えた。いつでもお前を安心させられる強さはもう無いのだ。」
「え?人外の強さを持っていて何を言ってるの?」
「レーテル、お前は口を挟まず黙っていろ。」
ジルの言っている強さとは元魔王の力の事であり、レーテルは分かっていない。
現状でも人族離れした力は持ち合わせているが、フォルトゥナの方が力では勝っているだろう。
いつまでも守ってやれる立場では無いのだ。
「だからフォルトゥナよ、お前も自分の身は自分で守れ。我が助けられる時は助ける。だがそう出来無い時も出てくるだろう。そんな時に皆を守れるのはお前だ。」
「ぼ、僕が皆を守る。」
「その力がお前には備わっている。最強の魔族の名は伊達では無い。」
臆病で戦いに不向きなフォルトゥナではあるが、ここぞと言う時は必ず仲間達の為に剣を抜き戦ってくれた。
いざと言う時にはとても頼りになる男なのだ。
そんなフォルトゥナだからこそ、前世からずっと信じていられる。
「私と戦いながらお喋りとは余裕だね。待っている必要は無いし攻撃しちゃうよ!」
巨杖を掲げると黒い球体が幾つも生み出される。
それをジル達に向けて放ってくる。
「呪詛魔法!やばっ!?」
「断絶結界!」
ジルの展開した結界が呪いの球体を食い止める。
触れたら呪詛魔法による呪いを受ける事になってしまうので危なかった。
「結界魔法か。私の呪詛魔法を防ぐとはやるね。」
「た、助かったわ。」
感心するデザイアゴーストと大きく息を吐くレーテル。
しかし安心するのはまだ早い。
「まあ、砕けるまで放てばいいだけさ!」
先程よりも更に多くの黒い球体を生み出して放ってくる。
結界に当たる度にミシミシと嫌な音を響かせる。
「それにフォルトゥナ、今はモテるチャンスだとは思わないか?」
結界が砕けるまでにはまだ時間がある。
ジルはその時間でフォルトゥナとの会話を続ける。
「モテるチャンスですか?」
「ここに非力で直ぐに死んでしまいそうなレーテルがいるぞ。守ってやればお前に好意を寄せるかもしれん。」
「っ!?」
「え?」
そう言ってジルがレーテルを指差すとフォルトゥナがハッとした表情でレーテルを見る。
当の本人はいきなり名前を出されて困惑している。
「れ、レーテルさん!」
「な、何?」
レーテルの間近に迫って名前を呼ぶフォルトゥナ。
その圧に少し後退りをしている。
「強い男性はどう思いますか?」
「え?それは…か、格好良いと思う。う、うん。格好良いわ!」
緊張した様子で尋ねるフォルトゥナ。
その言葉にどう返すのが正解かと一瞬悩んだが、フォルトゥナの背後に見えたジルの無言の視線で空気を読んだ。
「ジル様、ここは僕にお任せ下さい!」
レーテルの言葉でフォルトゥナがやる気を出した。
女好きの性格故に美人の言葉には弱い。
「やる気になったか。久しぶりのお前の強さを見せてもらうぞ。」
一歩前に出たフォルトゥナにデザイアゴーストを任せる事にしてジルは結界を解除した。
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