820 / 1,122
95章
元魔王様と戦闘指導 1
しおりを挟む宿屋へと帰ったジル達はアイフ男爵領に来た全員で夕食を食べていた。
「それじゃあ帰還は明後日の早朝でいいな?」
「ああ、明日はやり残した事をやる日としよう。」
食事をしながらアレンやエルミネル達と話し合って帰る日を決めた。
明日がアイフ男爵領を堪能出来る最後の日となった。
「と言っても俺達は特にやる事は無いけどな。」
「一日寝てようかな。」
ジル達と違って予定が無い二人。
アイフ男爵領でやり残した事は無さそうだ。
「それなら二人に依頼を出したいわ。」
「依頼?」
「と言っても個人的なお願いに近いかしら?わざわざギルドを通すのも面倒だし。」
二人が暇と聞いてルルネットが提案する。
何か二人に頼み事があるらしい。
「何を頼みてえんだ?」
「私は明日、朝から晩まで友達のセレーナと過ごすつもりよ。」
明日がアイフ男爵領に滞在する最後の日だ。
なので夜までセレーナとの時間をたっぷりと満喫したい。
「随分と仲良くなったんだな。」
「友達は大事にすべき。」
「だから他にやりたい事を暇そうな二人に任せる事にするわ。」
「暇そうは余計だが聞いてやる。」
予定は無いので内容次第だがルルネットの頼みを聞く事にした様だ。
「アイフ男爵領は様々な果物で有名でしょ?でもまだ全制覇してないのよね。」
様々な果物が手に入るアイフ男爵領。
しかし領地で取れる全ての果物を食べた訳では無い。
それがルルネットの中での心残りらしい。
「果物集め?」
「そう言う事。アイフで手に入る色んな果物を沢山集めてほしいの。珍しい果物はお土産にもなるしね。」
自分達で食べる分も欲しいし、浮島にいるシキ達へのお土産にもしたい。
当初は帰る前に大量購入する予定だったが、二人が暇なのであれば集めてもらおうと思ったのだ。
「俺は別に構わねえぞ。報酬も出るんだろ?」
「勿論よ。」
「私も構わない。」
ルルネットの依頼をアレンとエルミネルは承諾してくれた。
明日は一日掛けて果物集めの日となるだろう。
「それなら明日はお願いね。ジルの無限倉庫があるから量は気にしなくていいわ。」
「当然の様に我が運ぶのだな。」
「他に誰が運べるのよ?ジルにも分けてあげるんだからいいでしょ?」
「それなら文句は無い。」
ジルとしても様々な果物を貰えるのは有り難いので荷物持ちを引き受ける事にした。
大量の果物の運搬もジルの無限倉庫であれば問題無い。
時間経過も無いので果物を傷ませる心配も無い為、二人がどれだけ大量に集めてきても大丈夫だ。
「うっし、それなら明日は朝から集めまくるか。」
「ルルネットの財布を枯らす。」
貴族であるルルネットからの報酬と聞いて二人はやる気を漲らせている。
詳しい金額は特に決めていないが、暫く一緒に過ごしているのでルルネットの人柄は分かっている。
金額には充分期待出来る。
「へえ、私の個人資産をあまり舐めない方がいいわよ?まあ、高ランク冒険者の実力を楽しみにしてるわ。」
「面白え、それなら俺は先に休ませてもらうぜ。」
「私も寝る。」
ルルネットの煽りに笑みを浮かべてアレンとエルミネルが立ち上がる。
丁度食べ終わったので明日に向けてしっかり休息を取る様だ。
「いいんですか?挑発する様な事を言って?」
「果物を沢山手に入れたいのは事実だし構わないわよ。それに私のお財布を枯らすのが難しいのはサリーなら知ってるでしょ?」
「それはそうですね。」
専属メイドとしてルルネットの財布事情にも詳しい。
まだ少女と言っても侮れない財力を持っているのだ。
「ほう、小さいのに随分と儲けているんだな。」
「小さいは余計よ。これも領地経営を頑張ってきた成果ね。」
小さな頃からの積み重ねの結果だ。
決して家族達に甘やかされているだけでは無い。
「明日は私達も朝から出掛けるわよ。サリーも付いてきなさい。」
「私もですか?」
「ずっと宿屋にいても退屈でしょう?アレンもエルミネルもいないならお世話の必要も無いしね。」
「そうですね。ではお供します。」
食事のお世話をしてくれていたが二人も明日は出掛けている筈だ。
サリーが宿屋に残る必要も無い。
「何をするかは決めているのか?」
「何にも決めてないわよ。セレーナと話してやりたい事をするわ。」
予定は決めていないが遊び尽くす事だけは確かだ。
暫く離れ離れになるので思い出を沢山作るのである。
「あ、でもヒュルクはジルに用があるみたいだったわね。聞いてあげたら?」
「ヒュルクが?」
セレーナの執事であるヒュルクが用があると言う。
特にそう言った話しは聞いていない。
「うん、何か相談したい事がある雰囲気だったわよ。」
ルルネットも内容までは知らないらしいので明日直接会って聞く事にした。
5
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。
王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。
物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。
そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。
原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。
彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。
マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが―
「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」
なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。
こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。
※他小説投稿サイトにも投稿中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる