【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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97章

元魔王様とレーテルの過去 1

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 タイプEが作れる異世界の料理をシキと堪能していると食事処にレーテルとフォルトゥナがやってきた。

「はぁ~、やってらんないわ。」

「ジル様、今戻りました。」

「帰ったか。」

「お疲れなのです。」

 レーテルがテーブルに疲れ切った様子で突っ伏してフォルトゥナも椅子に座る。

「その様子だと大した成果は得られなかった感じか?」

「まあね。簡単にレテルシエルの情報に辿り着けるとは思ってないけど、ドラゴンの目撃情報を見つけるのすら難航気味だわ。」

 ドラゴン種ですら実際に目にする事は殆ど無い。
その中でも原初の龍を見つけられる確率は極めて低いだろう。

「セダンの領地を方々駆け回ったんですけどね。やはりSランクの魔物、そう簡単には見つかりません。」

「それで断念して戻ってきた訳か。」

「諦めてはいないけどね。」

 レテルシエルは何が何でも見つける。
その為に邪神にまで頼ろうとしたのだ。
諦めると言う考えは全く無い。

「一先ずお酒でも飲んでいないとやってられないわ。何か甘いお酒とおつまみを貰えるかしら?」

「僕にも同じ物をお願いします。」

「畏まりました。」

 早速タイプEに注文をしている二人。
新しい住人となったタイプEだが受け入れられるのが早い。
他のメイドゴーレム達で見慣れていると言うのもあるのだろう。

 そこからは皆で乾杯して近況の話し合いをした。
邪神教を抜けてからのレーテルは特に問題を起こす事も無く、相変わらずレテルシエル探しに奔走している様だ。

「って事で無駄足に終わったって訳。」

「村人だとドラゴンとワイバーンの区別も付かないみたいですね。」

 少し前にドラゴンの目撃情報があった場所へ向かった時の話しだ。
村人がドラゴンだと騒いでいたので急いで向かってみれば普通のワイバーンで肩を落としたらしい。

「だがレーテル、ここで一つ朗報だ。」

「朗報?」

「ナキナが帰還した。前にテルイゾラで話したのを覚えているな?」

 レーテルを邪神教から抜けさせて仲間にした時に話したレテルシエルを探す為の重要な人物になり得るスキル持ち。
そのナキナが帰還したので本格的な調査が始められる。

「過去を視る事の出来るスキル持ちね!待っていたのよ!」

「おおお!それなら痕跡探しも捗りますね!」

 ナキナの帰還に二人が喜びの声を上げる。
正直当ても無く探し回るのに限界を感じていたのだ。

「こうしてはいられないわ!早くその人のところに案内して!」

「落ち着け。ナキナは帰ってきたばかりで温泉に入ってゆっくりしているところだ。お前が急ぎたい気持ちも分かるが明日にしてやれ。」

 レーテルが急いで向かおうとするがナキナは帰ってきたばかりだ。
それにレーテルやフォルトゥナも疲れている筈なので今日はゆっくり休息を取る方がいいだろう。

「明日ね?まあ、いいわ。私も探し回って疲れていたところだし。」

「え?もう明日から再開するんですか?少しは浮島でゆっくりしましょうよ。」

 せっかく帰ってきたのにまた直ぐに探すのは大変だ。
フォルトゥナとしては暫く浮島でゆっくりしていきたいのだろう。

「別にフォルトゥナはこのまま残ればいいじゃない。私は探しに行くけどね。」

「えー、そんな冷たい事を言わないで下さいよレーテルさん。」

「あーもう!くっ付いてくるなっての!」

 抱き付こうとするフォルトゥナの顔を手で押し返している。
レーテルからはそこまで嫌がっている感じはしないが今はお酒やおつまみの方が大事なのだ。

「随分と仲良くなったな。」

「フォルトゥナの気持ちを無碍にしない様にしてくれているのです。護衛をしてくれているから恩を感じているみたいなのです。」

 テルイゾラにてレーテルはフォルトゥナの実力を実際に目にしているので疑いようも無い。
常に護衛として側に付いてくれているからこそ安心して捜索も出来ている。
レーテルとしても感謝はしているのだ。

「監視役でもあるのだが関係が良好なのは良い事だ。」

「監視の役目を果たせているかは怪しいのです。」

 フォルトゥナの様子を見ていれば不安に思う気持ちも分かる。
レーテルと良好な関係を築く事しか頭に無い様にも見えるからだ。

「まあ、裏切る様な事にならなければ多少の問題は構わん。危険に巻き込まれてもフォルトゥナがいれば問題は無いだろうしな。」

「確かになのです。」

 前世の頃も真契約をしていたシキはフォルトゥナの事も知っている。
実力だけならば現在のジルと同じくらい頼りになる存在なのだ。

「よーし!明日からは本格的な捜索が始められるし今日は呑みまくるわよ!」

「おー!」

 レーテルとフォルトゥナがお酒を呑みながら上機嫌に言う。

「盛り上がってるところを悪いがレーテルには聞きたい事がある。」

「聞きたい事?」

「まだ詳しく邪神教に付いての話しを聞かせてもらっていなかったからな。知っている情報を提供してもらうぞ。」

 レテルシエルを探す協力をする代わりに先に邪神教の情報を詳しく聞かせてもらう事にした。
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