852 / 1,122
98章
元魔王様と新たなる刺客 6
しおりを挟む
「龍の羽だと?」
「はい、あの姿を見て見間違える筈もありません。」
大きな羽が丁重に床に置かれる。
ジルはこの羽の持ち主が誰か調べる為に万能鑑定を使用する。
すると嵐龍レテルシエルの羽と言う文字が視えた。
「どうやら本物の様だな。そして我らの聞きたい事とも合致している。」
ジルは羽の持ち主の名前を見て確信する。
レーテルがずっと探しているレテルシエルが過去に村の上空を飛んでいったのは確定した。
「ジル殿達が何かを聞く為に村に立ち寄ったと言う件ですか?」
「ああ、嵐龍レテルシエルと言うドラゴンが過去にこの村の上空付近を通過したと思うのだが、その件に付いて尋ねたいと思っていてな。だがこの羽がそれを証明してくれた様だ。」
「成る程、あの龍は原初でしたか。思わず見惚れてしまう程の圧倒的な存在感でしたからね。」
村長が当時の事を思い出しながら頷いている。
直接原初の龍を目にする機会なんて滅多に無い。
そんな存在が村の上空を優雅に飛んでいったのだ。
村人の誰もがその姿に目を奪われたと言う。
「では村の上を通っていったのは間違い無いんだな?」
「はい、確かにこの目で目撃しています。私以外にも多くの村人が見ていたので間違いありません。」
そう言って羽を運んでくれた村人達を村長が見ると頷いている。
当時の目撃者は村長以外にも大勢いたらしい。
「ドラゴンは村の上を通過して北の方へ飛んで行きました。」
「ふむ、方向も合っているな。」
ナキナのスキルによって視たレテルシエルの進行方向とも合致している。
「そしてドラゴンが村の上空を通過した時にこの羽が空から舞い落ちてきたのです。偶然だったのでしょうが、村にとっては貴重な宝となりました。」
ドラゴンの素材と言うだけでも貴重なのに、それが原初の龍であった。
その価値は更に何倍何十倍にも跳ね上がるだろう。
「そんな宝を本当に差し出していいのか?」
「偶然もたらされた物ですから。それに今の我々に必要なのはお宝よりもポーションです。」
原因不明の感染症は光魔法により全員完治したが、またいつ侵されるか分からない。
今度もジル達の様にタイミング良く誰かが助けてくれるとは限らないので、その時に備えてポーションを確保しておく必要があるのだ。
「ならば村長、この羽は貰っていくとしよう。そしてこれが対価のポーションだ。」
そう言ってジルは無限倉庫から取り出した大量のポーション類を床に並べていく。
店でも開くのかと言う量である。
「こ、こんなに!?」
村長だけで無く控えていた村人もポーションの量に驚愕している。
「原初の龍の素材と言うのは村長が思っているよりもずっと高価なのだ。これくらいのポーションでは間違い無く等価交換にはならないだろうな。」
「これだけのポーションがあってもですか。凄まじい価値なのですね。」
ジルが持つポーション類は回復効果も高いのでそれなりに高価だ。
それでも原初の龍の羽でこれらを買おうとすれば金貨の山がお釣りで返ってくるだろう。
「故に他にも色々と提供してやろう。少なくても対価に見合う程の量をな。」
「宜しいのですか?ジル殿が話さなければ我々は価値に気付かなかったと言うのに。」
ドラゴンの素材は価値が高い。
村人の認識としてはそれくらいだ。
原初の龍の素材と言うのもジルが万能鑑定を使用して教えたからこそ分かった事だ。
正確な素材の価値をジルに教えられるまで知らなかったので大量のポーションだけでも村人達は喜んで交換しただろう。
ジルが羽を安く手に入れられるチャンスだったのに、そうしなかった事に村長は不思議そうにしていた。
「我は別に騙し取りたい訳では無いからな。それに村を訪れた本来の目的は達成している。気にせず受け取るといい。」
今はレテルシエルの情報が何よりも嬉しい。
それに関して知れただけでも報酬を渡したいくらいだ。
「それではジル殿の好意、有り難く貰い受けます。」
「何か欲する物はあるか?特に希望が無ければこちらで適当に出していくが。」
「物と言う訳ではありませんが、今回の病気の原因を解決してもらうと言うのは可能でしょうか?」
村長は物資では無く感染症の原因の解決を求めてきた。
何か原因があるのであれば光魔法の使い手が揃っている今の内に解決しておきたいのだろう。
「確か原因が分かっていないんだったな?」
「はい、また発生する可能性も高いです。暫くはジル殿に頂いたポーションがあるので問題無いと思いますが、アピトしか光魔法を扱えないと言うのも不安でして。」
アピトが病気で倒れてしまったら光魔法を使える者がいなくなってしまう。
そうなる前に原因があるなら解決しておきたい。
「解決出来るかは分からんが、少し調べてみよう。」
「ありがとうございます。」
ジルの言葉に村長は深々と頭を下げて感謝を伝えてくれた。
「はい、あの姿を見て見間違える筈もありません。」
大きな羽が丁重に床に置かれる。
ジルはこの羽の持ち主が誰か調べる為に万能鑑定を使用する。
すると嵐龍レテルシエルの羽と言う文字が視えた。
「どうやら本物の様だな。そして我らの聞きたい事とも合致している。」
ジルは羽の持ち主の名前を見て確信する。
レーテルがずっと探しているレテルシエルが過去に村の上空を飛んでいったのは確定した。
「ジル殿達が何かを聞く為に村に立ち寄ったと言う件ですか?」
「ああ、嵐龍レテルシエルと言うドラゴンが過去にこの村の上空付近を通過したと思うのだが、その件に付いて尋ねたいと思っていてな。だがこの羽がそれを証明してくれた様だ。」
「成る程、あの龍は原初でしたか。思わず見惚れてしまう程の圧倒的な存在感でしたからね。」
村長が当時の事を思い出しながら頷いている。
直接原初の龍を目にする機会なんて滅多に無い。
そんな存在が村の上空を優雅に飛んでいったのだ。
村人の誰もがその姿に目を奪われたと言う。
「では村の上を通っていったのは間違い無いんだな?」
「はい、確かにこの目で目撃しています。私以外にも多くの村人が見ていたので間違いありません。」
そう言って羽を運んでくれた村人達を村長が見ると頷いている。
当時の目撃者は村長以外にも大勢いたらしい。
「ドラゴンは村の上を通過して北の方へ飛んで行きました。」
「ふむ、方向も合っているな。」
ナキナのスキルによって視たレテルシエルの進行方向とも合致している。
「そしてドラゴンが村の上空を通過した時にこの羽が空から舞い落ちてきたのです。偶然だったのでしょうが、村にとっては貴重な宝となりました。」
ドラゴンの素材と言うだけでも貴重なのに、それが原初の龍であった。
その価値は更に何倍何十倍にも跳ね上がるだろう。
「そんな宝を本当に差し出していいのか?」
「偶然もたらされた物ですから。それに今の我々に必要なのはお宝よりもポーションです。」
原因不明の感染症は光魔法により全員完治したが、またいつ侵されるか分からない。
今度もジル達の様にタイミング良く誰かが助けてくれるとは限らないので、その時に備えてポーションを確保しておく必要があるのだ。
「ならば村長、この羽は貰っていくとしよう。そしてこれが対価のポーションだ。」
そう言ってジルは無限倉庫から取り出した大量のポーション類を床に並べていく。
店でも開くのかと言う量である。
「こ、こんなに!?」
村長だけで無く控えていた村人もポーションの量に驚愕している。
「原初の龍の素材と言うのは村長が思っているよりもずっと高価なのだ。これくらいのポーションでは間違い無く等価交換にはならないだろうな。」
「これだけのポーションがあってもですか。凄まじい価値なのですね。」
ジルが持つポーション類は回復効果も高いのでそれなりに高価だ。
それでも原初の龍の羽でこれらを買おうとすれば金貨の山がお釣りで返ってくるだろう。
「故に他にも色々と提供してやろう。少なくても対価に見合う程の量をな。」
「宜しいのですか?ジル殿が話さなければ我々は価値に気付かなかったと言うのに。」
ドラゴンの素材は価値が高い。
村人の認識としてはそれくらいだ。
原初の龍の素材と言うのもジルが万能鑑定を使用して教えたからこそ分かった事だ。
正確な素材の価値をジルに教えられるまで知らなかったので大量のポーションだけでも村人達は喜んで交換しただろう。
ジルが羽を安く手に入れられるチャンスだったのに、そうしなかった事に村長は不思議そうにしていた。
「我は別に騙し取りたい訳では無いからな。それに村を訪れた本来の目的は達成している。気にせず受け取るといい。」
今はレテルシエルの情報が何よりも嬉しい。
それに関して知れただけでも報酬を渡したいくらいだ。
「それではジル殿の好意、有り難く貰い受けます。」
「何か欲する物はあるか?特に希望が無ければこちらで適当に出していくが。」
「物と言う訳ではありませんが、今回の病気の原因を解決してもらうと言うのは可能でしょうか?」
村長は物資では無く感染症の原因の解決を求めてきた。
何か原因があるのであれば光魔法の使い手が揃っている今の内に解決しておきたいのだろう。
「確か原因が分かっていないんだったな?」
「はい、また発生する可能性も高いです。暫くはジル殿に頂いたポーションがあるので問題無いと思いますが、アピトしか光魔法を扱えないと言うのも不安でして。」
アピトが病気で倒れてしまったら光魔法を使える者がいなくなってしまう。
そうなる前に原因があるなら解決しておきたい。
「解決出来るかは分からんが、少し調べてみよう。」
「ありがとうございます。」
ジルの言葉に村長は深々と頭を下げて感謝を伝えてくれた。
5
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
RPGのストーリー開始前に殺されるモブに転生した俺、死亡フラグを回避してラスボス助けたら女主人公が現れてなぜか修羅場になった。
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
――死亡フラグのあるモブに転生した。なぜか男主人公の姿で。
王国に孤児院の子供達を殺された少女ミュライトがラスボスのRPG『プリテスタファンタジー』。
物語後半でミュライトと主人公は互いに孤児院出身であることが分かり、彼女を倒した主人公がその死を悲しむ絶望的なエンディングからいわゆる「鬱ゲー」と呼ばれているゲームでもある。
そして、そんなゲームの物語開始前にミュライトと同じ孤児院に住んでいた子供に転生したが…その見た目はなぜか男主人公シュウだった。
原作との違いに疑問を抱くものの、このままストーリー通りに進めば、ミュライトと主人公が戦って悲惨なエンディングを迎えてしまう。
彼女が闇落ちしてラスボスになるのを防ぐため、彼女が姉のように慕っていたエリシルの命を救ったり、王国の陰謀から孤児達を守ろうと鍛えていると、やがて男主人公を選んだ場合は登場しないはずの女主人公マフィが現れる。
マフィとミュライトが仲良くなれば戦わずに済む、そう考えて二人と交流していくが―
「―あれ? 君たち、なんか原作と違くない?」
なぜか鉢合わせた二人は彼を取り合って修羅場に。
こうして、モブキャラであるはずのシュウは主人公やラスボス達、果ては原作死亡キャラも助けながらまだ見ぬハッピーエンドを目指していく。
※他小説投稿サイトにも投稿中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる