【毎日更新】元魔王様の2度目の人生

ゆーとちん

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101章

元魔王様とうっかりスタンピード 6

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 居住区も全員で協力して直した事で直ぐに修繕作業は終えられた。
レテルシエルは罪悪感から積極的に修繕作業をしてくれようとしていたが、人化した姿に慣れていない事もあり力加減を誤って逆に壊す事も多く、シキに戦力外判定を下されていた。

「私はここではお役に立てない様ですね。」

「げ、元気を出してレテルシエル。誰にだって失敗はあるわよ。」

 遠い目をしているレテルシエルをレーテルが励ましている。

「レーテル、貴方は立派に成長していて嬉しいですよ。あの小さな子供がここまで大きくなったのですから。」

「それもレテルシエルのおかげでしょ。それに私からすると何でも出来る貴方が失敗している姿は何だか安心するわ。」

「人の失敗で安心しないで下さい。」

「御免御免。」

 そう言いながら頬を膨らませるレテルシエル。
レーテルは笑ってくれているがレテルシエルからすれば不服な様子だ。

「クルルル。」

「ふぅ、ヴォンに母親だと理解してもらう為とは言え大変な事になってしまいました。元の姿に戻るのは注意しないといけませんね。」

 レテルヴォンの事を撫でながら呟く。
浮島に魔の森がある以上、レテルシエルがドラゴンの姿に戻るだけで簡単に災厄を引き起こせてしまう。
次は取り返しの付かない事になるかもしれないのでシキにもしっかりと注意を受けている。

「それが原初の龍と言う存在なのだ。」

「ジル、改めてご迷惑をお掛けしました。」

 居住区の修理を終わらせて合流したジルにレテルシエルが謝る。
既に何度目か分からない謝罪だ。

「気にするな。皆のおかげでそこまで被害は大きくなかったからな。それに目的は達したではないか。」

「そうね、ヴォンがレテルシエルをお母さんだって理解したんだもの。」

「はい、もう甘えてもらえないかとヒヤヒヤしていました。」

「クルルル?」

 皆が自分を見ていて首を傾げているレテルヴォン。
大きな騒ぎを起こしてしまったが本来の目的は叶えられたのでよかった。

「私も安心したわ。この光景を取り戻してあげたかったんだから。」

 テルイゾラでレテルヴォンを見つけてレテルシエルの子供だと分かった時からレーテルはそう思っていた。
昔世話になったレテルシエルの為に今度は自分が力になるのだと、仲間になったばかりのジル達に頭を下げて協力してもらったのである。

「レテルヴォンを保護した甲斐があったな。」

「ええ、本当にありがとうね。」

「私からもその件に関してもありがとうございました。」

 二人共嬉しそうなのでジルとしてもよかった。
まさか魔王時代の仲間であるフォルトゥナを探しに向かったら原初の龍であるレテルシエルまで探す事になるとは思わなかった。
結果的にジルにとっても有益な事となってくれた。

「これで暫くは落ち着くだろう。親子でゆっくりと過ごしていればいい。」

「いいのですか?ご迷惑を掛けたばかりなのですが。」

 今だって皆が自分のせいで壊れた居住区を直していたのに力になれていない。
そんな状況で寛ぐのは申し訳無い様子だ。

「我も色々とやる事が出来たからな。それに今回のスタンピードは悪い事ばかりでもなかった。」

「そうなの?」

「大量の魔物を倒しただろう?それで浮島の資金や美咲のダンジョンポイントが一気に潤う事になった。だからシキもそこまで責めてはこなかった訳だ。」

 最初に文句を言っていたシキだが、回収した大量の魔物を見せると機嫌を直してくれたのだ。
それだけ今回のスタンピードで得られた魔物は利益を産んでくれる。

 それはシキだけでは無く美咲のダンジョンにも言える。
主にタイプDの魔法で丸焦げや傷だらけになって売れない魔物達もダンジョンポイントに変換するのであれば問題無い。
今回のスタンピードで大量のダンジョンポイントを得る事が出来て美咲も大喜びであった。

「そう言えばワーウルフ達が忙しそうに解体していたわね。」

「我が下に売りにいく為にな。解体技術も高まってきたから助かっている。」

 数が数なので総出で解体してくれているところだ。
ワーウルフ達に解体を教えてくれたレイアとテスラには感謝である。

「ジル、その時に私の鱗も売ってもらえますか?」

「そのつもりだ。人化した間の生活費に充てるといい。」

「助かります。」

 売り場所に関しても決めてある。
別件でそろそろ行こうと思っていたところだったので丁度良い。

「レテルシエルの素材が誰かの手に渡るなんて私は嫌なんだけどね。」

「レーテルもいりますか?鱗の一つくらい譲りますよ?」

「そう言う事じゃ無いんだけどね。気持ちだけ有り難くもらっておくわ。」

「遠慮しなくてもいいのですけどね。」

「普通は原初の龍の素材なんて簡単に受け取れる物ではないんだがな。」

 自分の素材の価値をそこまで気にしていないレテルシエルなのだった。
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