896 / 1,122
102章
元魔王様と特殊なSランク 6
しおりを挟む
食事を終えた後、ジル達は応接室へと招かれた。
「ジルさんとホッコちゃんは前回話した事があるので、他の方へ自己紹介を。私は王都冒険者ギルドのギルドマスターを務めているユメノと言います。」
初めて会う者達へ自己紹介しながら一礼するユメノ。
「ギルドマスターじゃと!?」
「何で受付嬢なんてしてるの!?」
普通の受付嬢かと思っていたのにギルドのトップだった事が分かり皆驚いている。
「受付嬢は趣味です。冒険者の方々と気楽な関係も構築したいので。と言ってもギルドマスターと明かしているのは一部の方だけですけどね。」
「へぇ、謎が一つ解けたわね。」
「謎?」
「王都のギルドマスターって一般的に公開されていなかったのよ。有能な人物って噂はされてたけど実態が掴めないから空席って噂もあったくらいよ。」
「知られてしまうと受付嬢が出来無くなってしまいますからね。」
ギルドマスターが受付に立っていると知れ渡れば皆恐縮してしまうだろう。
なのでギルドマスターとして仕事を頼む事がある一部の高ランク冒険者にしか正体は明かしていないのだ。
ユメノとしても趣味の受付嬢が出来無くなるのは困る。
それに普通に受付嬢として接していた自分がギルドマスターだと知った時の冒険者の反応も楽しみの一つらしい。
「さて、ジルさん。今回の主目的に付いて聞かせてもらえますか?」
挨拶もそこそこに本題へ移る。
ジルとの取り引きはギルドにとってかなり利があるものだ。
ユメノとしては気になってしまう。
「先程も言ったが買い取ってもらいたい物がある。ギルドで使い道が無くても需要はあるから、人の多い王都ならさばけると思うぞ。」
「物を見せていただいても?」
「これだ。」
ジルは無限倉庫から取り出した大きな鱗をテーブルに乗せる。
それを見たユメノは目を大きく見開いて驚く。
「これはドラゴンの!?」
「ただのドラゴンでは無い。魔物の頂点であるドラゴン種の中でも最古にして始まりのドラゴン、原初の龍である嵐龍レテルシエルの鱗だ。」
「なっ!?」
ドラゴンの物と言うだけで驚くには充分な要素だった。
そこにジルの衝撃的な情報が加わってユメノは開いた口が塞がらない。
それだけ驚かされるくらい貴重な素材なのだ。
「げ、原初の龍の鱗…。しかもこんなに状態が良いなんて…。まるで最近入手した様な綺麗さ…。」
恐る恐る鱗の状態を確認している。
簡単に傷付く程柔な素材では無いが、価値が価値なので慎重なのも納得である。
「ユメノ、先に言っておくが我らの取り引きに関して詮索は無しだ。我はいつでもこの関係を切ろうと思えば切れる。稼げなくなるのは嫌だろう?」
「と、当然です。」
ユメノは首を何度も縦に振りながら肯定する。
ミスリル鉱石の事も含めて追求は面倒なのでしてもらいたくない。
関係悪化はユメノとしても困るのでジルを不機嫌にさせる様な事をするつもりは無い。
「ジルさんとの取り引きは王都ギルドに大きな利益を生み出してくれますから。詮索するなと言うのであれば従います。」
「懸命な判断だ。違法性が無いと言う事は断言しよう。」
「それが聞けただけでも良かったです。」
テーブルに乗せられている魔法道具をチラリと確認してユメノが安堵している。
これは発言が真実かどうかを調べる魔法道具である。
ギルドの重要な取り引き場として使われる応接室には常備されている。
「それでこの鱗、買い取る気はあるか?」
「そんなの買い取りたいに決まっていますよ。これ程の素材を扱えるなんてギルドマスターとして鼻が高いですから。ですが正直相場が分かりませんね。金庫のお金全てでも足りないと言う事だけは分かるのですが。」
「ふむ、相場が分からないか。」
ドラゴンの素材と言うだけでも滅多に出回らない貴重品なのに、そこに原初の龍と言う付加価値が加われば値段は一気に跳ね上がるだろう。
普段から魔物の素材を扱っているギルドの長でも値段の想像が付かない。
「原初の龍の素材なんて滅多に出回らないもんね。当然の事だわ。」
「はい、ドラゴン種の素材ですら貴重ですから。それも一般的に出回る事が多いのは羽ばかりですからね。」
ドラゴンの羽であれば素材の中では比較的出回りやすい方だ。
空を飛んだ通り道に稀に落ちていたりする事がある。
状態が良ければかなりの値段で売れるので発見者は思わぬ臨時収入が得られるのである。
「鱗と言うのが悩まされますね。確実に素材としては羽より高価です。これを使えば国宝級の防具類が作れるでしょう。」
素材としては世界でもトップクラスだ。
文句無しで国宝級の武具に生まれ変われるだろう。
「金庫の金が足りないと言っていたがそんなに無いのか?前回の我との取り引きで稼ぎはあっただろう?」
ミスリル鉱石は金庫のお金と相談してギリギリまで購入していた。
それを売ったのであればかなりの収入を得た筈だ。
「そうですね、しっかりと稼がせてもらいましたよ。しかし原初の龍の素材を前にすれば微々たる物です。」
「成る程、王都のギルドでも簡単に買い取るのは難しいか。」
ギルドマスターであるユメノが悩む様子を見て、ジルは売却に付いてどうするかを考える素振りを見せた。
「ジルさんとホッコちゃんは前回話した事があるので、他の方へ自己紹介を。私は王都冒険者ギルドのギルドマスターを務めているユメノと言います。」
初めて会う者達へ自己紹介しながら一礼するユメノ。
「ギルドマスターじゃと!?」
「何で受付嬢なんてしてるの!?」
普通の受付嬢かと思っていたのにギルドのトップだった事が分かり皆驚いている。
「受付嬢は趣味です。冒険者の方々と気楽な関係も構築したいので。と言ってもギルドマスターと明かしているのは一部の方だけですけどね。」
「へぇ、謎が一つ解けたわね。」
「謎?」
「王都のギルドマスターって一般的に公開されていなかったのよ。有能な人物って噂はされてたけど実態が掴めないから空席って噂もあったくらいよ。」
「知られてしまうと受付嬢が出来無くなってしまいますからね。」
ギルドマスターが受付に立っていると知れ渡れば皆恐縮してしまうだろう。
なのでギルドマスターとして仕事を頼む事がある一部の高ランク冒険者にしか正体は明かしていないのだ。
ユメノとしても趣味の受付嬢が出来無くなるのは困る。
それに普通に受付嬢として接していた自分がギルドマスターだと知った時の冒険者の反応も楽しみの一つらしい。
「さて、ジルさん。今回の主目的に付いて聞かせてもらえますか?」
挨拶もそこそこに本題へ移る。
ジルとの取り引きはギルドにとってかなり利があるものだ。
ユメノとしては気になってしまう。
「先程も言ったが買い取ってもらいたい物がある。ギルドで使い道が無くても需要はあるから、人の多い王都ならさばけると思うぞ。」
「物を見せていただいても?」
「これだ。」
ジルは無限倉庫から取り出した大きな鱗をテーブルに乗せる。
それを見たユメノは目を大きく見開いて驚く。
「これはドラゴンの!?」
「ただのドラゴンでは無い。魔物の頂点であるドラゴン種の中でも最古にして始まりのドラゴン、原初の龍である嵐龍レテルシエルの鱗だ。」
「なっ!?」
ドラゴンの物と言うだけで驚くには充分な要素だった。
そこにジルの衝撃的な情報が加わってユメノは開いた口が塞がらない。
それだけ驚かされるくらい貴重な素材なのだ。
「げ、原初の龍の鱗…。しかもこんなに状態が良いなんて…。まるで最近入手した様な綺麗さ…。」
恐る恐る鱗の状態を確認している。
簡単に傷付く程柔な素材では無いが、価値が価値なので慎重なのも納得である。
「ユメノ、先に言っておくが我らの取り引きに関して詮索は無しだ。我はいつでもこの関係を切ろうと思えば切れる。稼げなくなるのは嫌だろう?」
「と、当然です。」
ユメノは首を何度も縦に振りながら肯定する。
ミスリル鉱石の事も含めて追求は面倒なのでしてもらいたくない。
関係悪化はユメノとしても困るのでジルを不機嫌にさせる様な事をするつもりは無い。
「ジルさんとの取り引きは王都ギルドに大きな利益を生み出してくれますから。詮索するなと言うのであれば従います。」
「懸命な判断だ。違法性が無いと言う事は断言しよう。」
「それが聞けただけでも良かったです。」
テーブルに乗せられている魔法道具をチラリと確認してユメノが安堵している。
これは発言が真実かどうかを調べる魔法道具である。
ギルドの重要な取り引き場として使われる応接室には常備されている。
「それでこの鱗、買い取る気はあるか?」
「そんなの買い取りたいに決まっていますよ。これ程の素材を扱えるなんてギルドマスターとして鼻が高いですから。ですが正直相場が分かりませんね。金庫のお金全てでも足りないと言う事だけは分かるのですが。」
「ふむ、相場が分からないか。」
ドラゴンの素材と言うだけでも滅多に出回らない貴重品なのに、そこに原初の龍と言う付加価値が加われば値段は一気に跳ね上がるだろう。
普段から魔物の素材を扱っているギルドの長でも値段の想像が付かない。
「原初の龍の素材なんて滅多に出回らないもんね。当然の事だわ。」
「はい、ドラゴン種の素材ですら貴重ですから。それも一般的に出回る事が多いのは羽ばかりですからね。」
ドラゴンの羽であれば素材の中では比較的出回りやすい方だ。
空を飛んだ通り道に稀に落ちていたりする事がある。
状態が良ければかなりの値段で売れるので発見者は思わぬ臨時収入が得られるのである。
「鱗と言うのが悩まされますね。確実に素材としては羽より高価です。これを使えば国宝級の防具類が作れるでしょう。」
素材としては世界でもトップクラスだ。
文句無しで国宝級の武具に生まれ変われるだろう。
「金庫の金が足りないと言っていたがそんなに無いのか?前回の我との取り引きで稼ぎはあっただろう?」
ミスリル鉱石は金庫のお金と相談してギリギリまで購入していた。
それを売ったのであればかなりの収入を得た筈だ。
「そうですね、しっかりと稼がせてもらいましたよ。しかし原初の龍の素材を前にすれば微々たる物です。」
「成る程、王都のギルドでも簡単に買い取るのは難しいか。」
ギルドマスターであるユメノが悩む様子を見て、ジルは売却に付いてどうするかを考える素振りを見せた。
7
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる