4 / 34
04 特別が出来た日
しおりを挟む
キラキラ輝く4つに分かれたリボンを受け取って、ティレーリアはありがとう!と微笑んだ。
「今日の帰りは…コレに付いて行けば良い」
ヴィリディスが手の平を上に向けると、リボンと同じ水色の小鳥が現れる。
チィッと小さく鳴いてヴィリディスの手の平の上でくるりと旋回すると、ティレーリアの肩に止まった。
「可愛い」
大人しく自分の肩に止まっている小鳥の頭をそっと撫でると、小鳥はチチッと鳴いて、ティレーリアを見上げた。
「ヴィーはすごいのね。わたしなんて小さな怪我を治すくらいしか出来ないわ」
「それだって充分すごいよ」
ヴィリディスの小さな微笑みに、ティレーリアはそうかしら?と首を傾げる。
ティレーリア程度の魔法ならほとんどの人が使える。
特別すごいわけではないし、今見たヴィリディスの魔法の方がずっとずっと凄かった。
「僕には、人を癒すことは出来ないから…」
ぽつんと落とされたヴィリディスの言葉に、ティレーリアは目を丸くする。
「癒しの魔法が使えないの?」
「うん、他は大体使えるけど」
「そっかぁ…じゃあ、ヴィーが怪我したりしたら、わたしが治してあげる!」
どんっと胸を叩いたティレーリアに、ヴィリディスは驚いた様な顔をして、そして少し寂しそうに笑った。
「……うん、その時はよろしく」
「任せて!……本当はね、あんまり魔法の練習は好きじゃないの。でもヴィーがどんな怪我をしても良いように、わたしこれからは練習頑張るわ!」
ぐっと小さな拳を握ったティレーリアに、ヴィリディスは苦笑を零す。
「無理はしないようにね」
「うん、ありがとう」
その日、ティレーリアは水色の小鳥に連れられて無事に村まで辿り着いた。
一人で彷徨っている間に思ったよりも遠くに来てしまっていたみたいで驚いたけれど、
途中小鳥が止まってチィチィ鳴いた木に目印のリボンを結んで来たから、次もちゃんと湖畔に辿り着けるかしらという心配は、なかった。
村では一緒に森に入った子供たちがはぐれたティレーリアを心配して、それを聞いた大人たちが探しに森に入ろうとしているところだった。
大人たちからたっぷりお小言を貰ったけれど、ティレーリアはほとんど聞いていなかった。
その日から毎月1回、10の日はティレーリアにとって特別な日になった。
「今日の帰りは…コレに付いて行けば良い」
ヴィリディスが手の平を上に向けると、リボンと同じ水色の小鳥が現れる。
チィッと小さく鳴いてヴィリディスの手の平の上でくるりと旋回すると、ティレーリアの肩に止まった。
「可愛い」
大人しく自分の肩に止まっている小鳥の頭をそっと撫でると、小鳥はチチッと鳴いて、ティレーリアを見上げた。
「ヴィーはすごいのね。わたしなんて小さな怪我を治すくらいしか出来ないわ」
「それだって充分すごいよ」
ヴィリディスの小さな微笑みに、ティレーリアはそうかしら?と首を傾げる。
ティレーリア程度の魔法ならほとんどの人が使える。
特別すごいわけではないし、今見たヴィリディスの魔法の方がずっとずっと凄かった。
「僕には、人を癒すことは出来ないから…」
ぽつんと落とされたヴィリディスの言葉に、ティレーリアは目を丸くする。
「癒しの魔法が使えないの?」
「うん、他は大体使えるけど」
「そっかぁ…じゃあ、ヴィーが怪我したりしたら、わたしが治してあげる!」
どんっと胸を叩いたティレーリアに、ヴィリディスは驚いた様な顔をして、そして少し寂しそうに笑った。
「……うん、その時はよろしく」
「任せて!……本当はね、あんまり魔法の練習は好きじゃないの。でもヴィーがどんな怪我をしても良いように、わたしこれからは練習頑張るわ!」
ぐっと小さな拳を握ったティレーリアに、ヴィリディスは苦笑を零す。
「無理はしないようにね」
「うん、ありがとう」
その日、ティレーリアは水色の小鳥に連れられて無事に村まで辿り着いた。
一人で彷徨っている間に思ったよりも遠くに来てしまっていたみたいで驚いたけれど、
途中小鳥が止まってチィチィ鳴いた木に目印のリボンを結んで来たから、次もちゃんと湖畔に辿り着けるかしらという心配は、なかった。
村では一緒に森に入った子供たちがはぐれたティレーリアを心配して、それを聞いた大人たちが探しに森に入ろうとしているところだった。
大人たちからたっぷりお小言を貰ったけれど、ティレーリアはほとんど聞いていなかった。
その日から毎月1回、10の日はティレーリアにとって特別な日になった。
0
あなたにおすすめの小説
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
王宮の万能メイド、偏屈魔術師を餌付けする
葉山あおい
恋愛
王宮で働く勤続八年のメイド、エレナ・フォスター。仕事は完璧だが愛想がない彼女は、いつしか「鉄の女」と呼ばれ恐れられていた。
そんな彼女に下された辞令は、王宮の敷地内にありながら「魔窟」と呼ばれる『北の塔』の専属メイドになること。そこの主である宮廷魔術師団長・シルヴィス・クローデルは、稀代の天才ながら極度の人嫌い&生活能力ゼロの偏屈男だった!
ゴミ屋敷と化した塔をピカピカに掃除し、栄養失調寸前の彼に絶品の手料理を振る舞うエレナ。黄金色のオムレツ、とろける煮込みハンバーグ、特製カツサンド……。美味しいご飯で餌付けされた魔術師様は、次第にエレナへの独占欲を露わにし始めて――?
意地悪な聖女や侯爵夫人のいびりも、完璧なスキルで華麗に返り討ち。平民出身のメイドが、身分差を乗り越えて幸せな花嫁になるまでの、美味しくて甘いシンデレラストーリー。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる