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序章
最初の戦闘後
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ロボット二体を破壊したが、男は取り逃がした。
「私…こんなに優秀なロボットを壊そうとして…ごめんなさい、本当にごめんなさい」
少女は泣いている。暫くそのままにしておく。
「落チ着イタカ?」
ここが潜伏先なのは露見しているようなので、最低限の荷物を持って移動することを推奨した。少女はケースに大量の服を詰め込んだ。悠長なものだ。しかし、着れなくなっているものもあった。また、大抵の作業用ロボットは破壊されていた。この工場も終わりか。辛うじて使えそうなホバーの運搬ユニットを起動する。
「地下通路から脱出するわ」
地下はじめじめしていて、何ヶ月も人が通っていない感じだ。こんな場所に盗聴器もないだろうと思い、とりあえず俺は『妹』と『鍵』について質問する。
「妹ガイルノカ?」
「あなたを信用してもいいの?」
そうするより他ないだろうと思った。好感度が足りないようだ。
「ええ。私が殺されていた場合は、あの子が王族唯一の生き残りになっていたわ。その場合は、何世代でも耐え抜いてでも、テロリストどもから政権を奪還するでしょうね、あの子」
「仲ガ良カッタヨウダナ」
「ええ。もっとも、お互い勉強漬けの日々だったから、あんまり喋れなかったけど」
「ソウカ」
地下は暗く、先が見通しにくい。
「トイウコトハ、オ嬢様モ王女様トイウコトデスネ」
「そうよ!まあ、今は追われる身だけど…」
「デハ、アノ男ガ言ッテイタ鍵トハ何ダ?」
「国家が保有する最強の機体、『マギアテイン』の存在する地下宝庫を開ける鍵ね。あれは、そう簡単に見つけられるはずがないのに…」
しばらく歩いた。地下から出ると、森だった。
「妹ノトコロニ行クノカ?」
「それは推奨しない、って感じね。あの男が嘘を言っていて、私を向かわせてから追跡してくる可能性を考えているのね」
少女は強い意志を湛えた目をしていた。
「迂回路を通って妹の近くへ向かうわ!あの男は妹の場所がわかっていると言っていたけれど、それは裏返せば妹を捕まえられていないということ。なら、近くにいけば助けられるかもしれない。移動は急がないといけないけれどね。それに」
「俺カ?」
「あなたは強そうだし…そうだ、あなたの戦力を知りたいわ!耐久力と、さっきロボットを倒したときのスピード以外に、強力な武装とかあるんでしょう!」
俺は躊躇ったが、真実を伝えることにした。
「再起動前の記録がない?」
「ソウダ。武装モワカラナイ」
「あ、そう…」
無言で森を歩いた。最初の行き先は、二つ隣の町らしい。
「私…こんなに優秀なロボットを壊そうとして…ごめんなさい、本当にごめんなさい」
少女は泣いている。暫くそのままにしておく。
「落チ着イタカ?」
ここが潜伏先なのは露見しているようなので、最低限の荷物を持って移動することを推奨した。少女はケースに大量の服を詰め込んだ。悠長なものだ。しかし、着れなくなっているものもあった。また、大抵の作業用ロボットは破壊されていた。この工場も終わりか。辛うじて使えそうなホバーの運搬ユニットを起動する。
「地下通路から脱出するわ」
地下はじめじめしていて、何ヶ月も人が通っていない感じだ。こんな場所に盗聴器もないだろうと思い、とりあえず俺は『妹』と『鍵』について質問する。
「妹ガイルノカ?」
「あなたを信用してもいいの?」
そうするより他ないだろうと思った。好感度が足りないようだ。
「ええ。私が殺されていた場合は、あの子が王族唯一の生き残りになっていたわ。その場合は、何世代でも耐え抜いてでも、テロリストどもから政権を奪還するでしょうね、あの子」
「仲ガ良カッタヨウダナ」
「ええ。もっとも、お互い勉強漬けの日々だったから、あんまり喋れなかったけど」
「ソウカ」
地下は暗く、先が見通しにくい。
「トイウコトハ、オ嬢様モ王女様トイウコトデスネ」
「そうよ!まあ、今は追われる身だけど…」
「デハ、アノ男ガ言ッテイタ鍵トハ何ダ?」
「国家が保有する最強の機体、『マギアテイン』の存在する地下宝庫を開ける鍵ね。あれは、そう簡単に見つけられるはずがないのに…」
しばらく歩いた。地下から出ると、森だった。
「妹ノトコロニ行クノカ?」
「それは推奨しない、って感じね。あの男が嘘を言っていて、私を向かわせてから追跡してくる可能性を考えているのね」
少女は強い意志を湛えた目をしていた。
「迂回路を通って妹の近くへ向かうわ!あの男は妹の場所がわかっていると言っていたけれど、それは裏返せば妹を捕まえられていないということ。なら、近くにいけば助けられるかもしれない。移動は急がないといけないけれどね。それに」
「俺カ?」
「あなたは強そうだし…そうだ、あなたの戦力を知りたいわ!耐久力と、さっきロボットを倒したときのスピード以外に、強力な武装とかあるんでしょう!」
俺は躊躇ったが、真実を伝えることにした。
「再起動前の記録がない?」
「ソウダ。武装モワカラナイ」
「あ、そう…」
無言で森を歩いた。最初の行き先は、二つ隣の町らしい。
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