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イベントが起こっちゃった、って何?1
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そもそもユリアって誰だという話だろうから、説明させて頂こう。
ユリアというのは、貴族の血など一滴も混じっていない生粋の平民ながら、絶大な光の魔力を持つということで王家の推薦で特待生入学してきた少女だ。
淡いプラチナブロンドに、けぶるような長い睫毛。澄んだ春の空のような瞳とサクランボのような唇と薔薇色の頬。
正直、平民とは思えないような絶世の美少女である。
百年に一度現れる聖女の再来ではないかと言われていて、王家からの関心も高く、覚えもめでたい。
聖女候補として扱われている彼女は、貴族の令息令嬢たちにとっては気にくわない存在で、しばしば虐められたりしていた。
それを見かけるたびにさりげなく助けていたら
「さすがお助けキャラのカミーユ!あなたに逢えたことだけはマジ神様よくやった案件よ!この世界に生まれたことを感謝するわ!」
とか謎の愛の重さで語られ、懐かれた。
ちょっと変で、妙な発言も多いけれど、平民生まれだから仕方ないかと私は受け入れている。
それに、じっくり話してみたら、驚くほどにユリアは博識で賢かった。
市民向けの図書館くらいしか知識を得る場のない平民のはずなのに、私でさえ知らない歴史や伝承にも詳しくて、けれど褒めても「いや、まぁ、ファンブックのおかげだし」と謙虚にしている。
彼女は平民の小学校しか通っていないはずなので、そのファンブック先生というのはよほど教養の深い人だったのだろう。
そしてユリアもユリアで、私に対していつも敬意を払ってくれる。
「やけになんでも知っていて、ご都合主義なお助けキャラだなぁと思ってたけれど、カミーユって本当に勤勉で真面目で、何に対しても本気よね。凄いと思うわ」
「私は……そういう家で育ったっていうだけよ」
真正面からの賛辞になれない私は、視線を彷徨わせながら頬を染める。そして、照れ隠しに尋ねるのだ。いつも通り不思議な発言が多いユリアに、平民言葉を教えてもらおうと。
「あの、お助けキャラって何?」
「あ!えーと、……困ってる人を助けてくれる、優しい性格をしている人のことよ!」
「ふーん」
私は、貴族社会では身分を軽んじる変わり者と言われることが多かったし、学院でも何か問われて答えたところでユールセンの家の者ならば何でも知っていた当たり前のような顔をされることばかりだったから、ユリアの言葉が素直に嬉しかった。
ユリアは、いつしか私にとっても気の置けない友人になり、よく一緒に過ごすようになった。
ユリアというのは、貴族の血など一滴も混じっていない生粋の平民ながら、絶大な光の魔力を持つということで王家の推薦で特待生入学してきた少女だ。
淡いプラチナブロンドに、けぶるような長い睫毛。澄んだ春の空のような瞳とサクランボのような唇と薔薇色の頬。
正直、平民とは思えないような絶世の美少女である。
百年に一度現れる聖女の再来ではないかと言われていて、王家からの関心も高く、覚えもめでたい。
聖女候補として扱われている彼女は、貴族の令息令嬢たちにとっては気にくわない存在で、しばしば虐められたりしていた。
それを見かけるたびにさりげなく助けていたら
「さすがお助けキャラのカミーユ!あなたに逢えたことだけはマジ神様よくやった案件よ!この世界に生まれたことを感謝するわ!」
とか謎の愛の重さで語られ、懐かれた。
ちょっと変で、妙な発言も多いけれど、平民生まれだから仕方ないかと私は受け入れている。
それに、じっくり話してみたら、驚くほどにユリアは博識で賢かった。
市民向けの図書館くらいしか知識を得る場のない平民のはずなのに、私でさえ知らない歴史や伝承にも詳しくて、けれど褒めても「いや、まぁ、ファンブックのおかげだし」と謙虚にしている。
彼女は平民の小学校しか通っていないはずなので、そのファンブック先生というのはよほど教養の深い人だったのだろう。
そしてユリアもユリアで、私に対していつも敬意を払ってくれる。
「やけになんでも知っていて、ご都合主義なお助けキャラだなぁと思ってたけれど、カミーユって本当に勤勉で真面目で、何に対しても本気よね。凄いと思うわ」
「私は……そういう家で育ったっていうだけよ」
真正面からの賛辞になれない私は、視線を彷徨わせながら頬を染める。そして、照れ隠しに尋ねるのだ。いつも通り不思議な発言が多いユリアに、平民言葉を教えてもらおうと。
「あの、お助けキャラって何?」
「あ!えーと、……困ってる人を助けてくれる、優しい性格をしている人のことよ!」
「ふーん」
私は、貴族社会では身分を軽んじる変わり者と言われることが多かったし、学院でも何か問われて答えたところでユールセンの家の者ならば何でも知っていた当たり前のような顔をされることばかりだったから、ユリアの言葉が素直に嬉しかった。
ユリアは、いつしか私にとっても気の置けない友人になり、よく一緒に過ごすようになった。
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