5 / 25
2
しおりを挟む
「女がいないから、どうしようもねぇんだけどさ」
人一倍性的欲求が強い俺である。
体の発育もよく、十歳で早々に精通を迎え、それ以来四年間、シコシコと毎日十回までを目標に、せっせと己を慰めていた。
が、しかし。
そんな虚しい単純作業的自慰に、とうとう耐えられなくなってきたのだ。
「ぅぬぁあああああ!ちくしょう!女を抱きてぇッ!!」
俺の愛らしい薔薇色の唇から本能の悲鳴が迸った。俺は人目のないところでは、本能のままに生きる男なのである。
「もうダメだ、耐えられない……!」
悲壮な声で絞り出されるのは、ものすごく本能に正直で、お下劣な願望だ。
「突っ込みてぇ。前世みたいに巨乳が良いとか華奢な子が良いとか、目がくりっと二重で口がぽってりしてて可愛い系より綺麗系が良いとか、贅沢は言わねぇよ!女であればいい。っていうか、もう、穴さえあればいいから……!」
我ながら、結構最低な願いであることは承知している。でも、切実な本音なのだ。
俺は「神よ我に女を与え給え」と祈ろうとした。が、しかし。
「……待てよ」
ふと、凄いことに気がついた。
「……穴、男にもあるじゃん?」
雷に打たれたような衝撃だった。
そうじゃん、男にも穴あるじゃん?
だって、俺、あのバカ親父に「お前が産め」とか言われたじゃん。
「え、俺なんで気づかなかったんだ!?親父の『お前が産め』発言のせいで、自分は女ポジ確定だと思い込んでいた!?」
目の前がサッと開けたかのようだ。
世界が明るく見える。
「要はウシロが未通ならいいんでしょ?じゃあ、俺が突っ込めば万事解決じゃん!?」
なんで気が付かなかったのだろう。
気づいてみればこんな単純明快なことはない。
「うっわぁー!DESEMO商社のペニス野郎と呼ばれた俺としたことが!」
前世のあだ名を思い出し、俺は羞恥に打ち震える。なんてことだ。俺は自ら雌に成り下がっていたのか!
「くっ、屈辱だ……っ!」
前世では女を何人も侍らせていたタイプだったのに。
前世の記憶が強かった頃は、『俺の希望も聞かずに王太子の婚約者ってなんだよ?え?しかも俺が産む側?雌ポジ?ありえなくない?俺ってばわりと雄なのだが?』とか怒り狂ってたくせに。
王家との契約だから従うしかないって言われて、おとなしくシコシコ自慰して我慢なんかしていたのだ。
この俺が。
ペニス野郎と呼ばれたこの俺が!
「……まじかぁ」
慣れって怖い。
思い込みって怖い。
俺は、あの頃の心意気を忘れていた。
……よし!
これからは雄モード全開で行くぞ!
「まぁ雄と言うには、俺の顔はちょっと可愛すぎるけどな!」
俺ってば花のような美少年だからなぁ。
そもそもこの世界、美形が多すぎるんだよなぁ。俺ほどじゃないにしても、わりと華奢な綺麗系から細マッチョ、ガチムチまでよりどりみどり何でもござれ状態だ。きっとBL世界だからだろう。
「まぁでも、おかげで俺の食指が動きそうなカワイコチャンも結構居そうな気がするんだよねぇ~!ぶっちゃけ俺、顔さえ好みなら、穴の種類とかボインの有無とかは、瑣末な問題な気がするしっ」
俺はウキウキと立ち上がり、両足で雄々しく地を踏み締めて立つ。
「よしっ、ガンガン行くぜぇ!」
手始めに、侍従のコーネンを喰っちまおう。
俺に心酔してるから、裏切ったり密告したりしなさそうだし。
っていうか俺、単純にアイツの顔が好みなんだよな!
人一倍性的欲求が強い俺である。
体の発育もよく、十歳で早々に精通を迎え、それ以来四年間、シコシコと毎日十回までを目標に、せっせと己を慰めていた。
が、しかし。
そんな虚しい単純作業的自慰に、とうとう耐えられなくなってきたのだ。
「ぅぬぁあああああ!ちくしょう!女を抱きてぇッ!!」
俺の愛らしい薔薇色の唇から本能の悲鳴が迸った。俺は人目のないところでは、本能のままに生きる男なのである。
「もうダメだ、耐えられない……!」
悲壮な声で絞り出されるのは、ものすごく本能に正直で、お下劣な願望だ。
「突っ込みてぇ。前世みたいに巨乳が良いとか華奢な子が良いとか、目がくりっと二重で口がぽってりしてて可愛い系より綺麗系が良いとか、贅沢は言わねぇよ!女であればいい。っていうか、もう、穴さえあればいいから……!」
我ながら、結構最低な願いであることは承知している。でも、切実な本音なのだ。
俺は「神よ我に女を与え給え」と祈ろうとした。が、しかし。
「……待てよ」
ふと、凄いことに気がついた。
「……穴、男にもあるじゃん?」
雷に打たれたような衝撃だった。
そうじゃん、男にも穴あるじゃん?
だって、俺、あのバカ親父に「お前が産め」とか言われたじゃん。
「え、俺なんで気づかなかったんだ!?親父の『お前が産め』発言のせいで、自分は女ポジ確定だと思い込んでいた!?」
目の前がサッと開けたかのようだ。
世界が明るく見える。
「要はウシロが未通ならいいんでしょ?じゃあ、俺が突っ込めば万事解決じゃん!?」
なんで気が付かなかったのだろう。
気づいてみればこんな単純明快なことはない。
「うっわぁー!DESEMO商社のペニス野郎と呼ばれた俺としたことが!」
前世のあだ名を思い出し、俺は羞恥に打ち震える。なんてことだ。俺は自ら雌に成り下がっていたのか!
「くっ、屈辱だ……っ!」
前世では女を何人も侍らせていたタイプだったのに。
前世の記憶が強かった頃は、『俺の希望も聞かずに王太子の婚約者ってなんだよ?え?しかも俺が産む側?雌ポジ?ありえなくない?俺ってばわりと雄なのだが?』とか怒り狂ってたくせに。
王家との契約だから従うしかないって言われて、おとなしくシコシコ自慰して我慢なんかしていたのだ。
この俺が。
ペニス野郎と呼ばれたこの俺が!
「……まじかぁ」
慣れって怖い。
思い込みって怖い。
俺は、あの頃の心意気を忘れていた。
……よし!
これからは雄モード全開で行くぞ!
「まぁ雄と言うには、俺の顔はちょっと可愛すぎるけどな!」
俺ってば花のような美少年だからなぁ。
そもそもこの世界、美形が多すぎるんだよなぁ。俺ほどじゃないにしても、わりと華奢な綺麗系から細マッチョ、ガチムチまでよりどりみどり何でもござれ状態だ。きっとBL世界だからだろう。
「まぁでも、おかげで俺の食指が動きそうなカワイコチャンも結構居そうな気がするんだよねぇ~!ぶっちゃけ俺、顔さえ好みなら、穴の種類とかボインの有無とかは、瑣末な問題な気がするしっ」
俺はウキウキと立ち上がり、両足で雄々しく地を踏み締めて立つ。
「よしっ、ガンガン行くぜぇ!」
手始めに、侍従のコーネンを喰っちまおう。
俺に心酔してるから、裏切ったり密告したりしなさそうだし。
っていうか俺、単純にアイツの顔が好みなんだよな!
55
あなたにおすすめの小説
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
【連載版あり】「頭をなでてほしい」と、部下に要求された騎士団長の苦悩
ゆらり
BL
「頭をなでてほしい」と、人外レベルに強い無表情な新人騎士に要求されて、断り切れずに頭を撫で回したあげくに、深淵にはまり込んでしまう騎士団長のお話。リハビリ自家発電小説。一話完結です。
※加筆修正が加えられています。投稿初日とは誤差があります。ご了承ください。
【完結】流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」もあります。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
わがまま放題の悪役令息はイケメンの王に溺愛される
水ノ瀬 あおい
BL
若くして王となった幼馴染のリューラと公爵令息として生まれた頃からチヤホヤされ、神童とも言われて調子に乗っていたサライド。
昔は泣き虫で気弱だったリューラだが、いつの間にか顔も性格も身体つきも政治手腕も剣の腕も……何もかも完璧で、手の届かない眩しい存在になっていた。
年下でもあるリューラに何一つ敵わず、不貞腐れていたサライド。
リューラが国民から愛され、称賛される度にサライドは少し憎らしく思っていた。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる