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おふとん
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「今年もうちの村は適性値が高い子が多いなぁー!」
きゃっきゃっと嬉しそうな声を出して子供たちが協会から出てくる
「ミュナも来年には魔法適性を受けるのよ」
僕の手を握った かあさまが優しく僕に言った
「まほうてきせーってなにー?みんな何してるのー?」
協会から出てきた子供たちは手のひらから小さな水の玉を出したり、マッチで擦ったような火を出したりと魔法を使っている
「あぁやって、母さんたちみたいに魔法を使えるようになるためには協会で魔法適性って言うものをするのよ」
「じゃあ僕もまほうてきせーしたらまほう使える!?」
「ミュナにはどんな適性があるかしらねぇ」
僕にも魔法が使えるようになる!
かあさまみたいな風をおこしたり、とおさまみたいな大きな火を出したり!
まだ先だと言うのに僕は楽しみで仕方がなかった
「とおさま!僕もとおさまみたいな大きな火を出せるようになりたい!」
「そうだなぁー!俺の子だからミュナはきっと火の魔法が得意な子になるぞー!」
「まぁ!私に似てきっと素晴らしい風魔法が使える子になるわよ!」
とおさまが帰ってきた夜の食卓ではかあさまもとおさまも僕を抱き上げて沢山ぎゅっとしてくれた
僕はどんな魔法が使えるようになるんだろう!
(適性値:聖魔法)
「なっ……」
「これは…」
「神父様、これは…」
翌年待ちわびた魔法適性の時、協会に立ち会った人々はみな固唾を飲んで僕の適正結果を見ていた
「ミュナくんのご両親、すみませんが別室へお願いできますか」
みんなどーしたの?
とおさまもかあさまも何も言わないし、こっちを見てくれない
僕の手を握る大きな手は少しばかり強くて痛いくらいだった
そうして、よく分からない話をつらつらとしんぷさまがとおさまとかあさまに話す度に悲しい顔をしなが頷くことをただただ眺めていた
「かあさま…どうしたの…?悲しいこと…?」
僕が問いかけるとかあさまは僕の顔を見るなり泣きそうな顔で僕の頬を撫でる
僕かあさまの手でほっぺたを撫でられるのだいすき
「ミュナ、父さんを見て」
かあさまに撫でられてご機嫌の僕を後ろから呼んだ
「なあに?」
「ミュナ…ミュナはいい子だな…父さんと母さんの宝物だ…」
とおさまは僕をぎゅっと抱き締めて優しく背中をぽんぽんと叩いてくれる
僕とおさまのぽんぽんだいすき
あったかくて眠くなっちゃう
「とおさまぁー、ぼくもすごいまほうつかえるー?」
気のせいか動きを止めたとおさまは数秒後再び背中を優しくぽんぽんと叩いてくれるが返事は無い
後ろでかあさまの小さなうっうっという声が聞こえていた
とおさま、鼻はすっちゃだめなんだよ、かあさまにお鼻ちーんてしなさいって怒られちゃうよ
小さな部屋に大人が何人もいるのに誰もなにも話すことなく静かな時間が過ぎていった
夕日が僕の手をオレンジ色に染める中、協会の入口ではとおさまとかあさまがしんぷさまに頭を下げていた
「長く持っても1週間しかありません…大事に過ごしてください…」
「今日はごーかなごはんだねー!かあさまー!」
うちに帰って絵を描いているといい匂いがしてきて机の上には美味しそうなごはんが沢山並んでいた
「ミュナ、今日は沢山食べような」
「うん!とおさまみたいにおっきくなるよ!」
「っ、ミュナ…お絵描きお片付けしてね」
「はーい!」
珍しく今日は家族3人で小さなお風呂に入り
いつもより早めに布団についた
いつもよりかあさまととおさまは僕にぎゅっと引っ付いて
ぬくぬくしていて僕はすぐに眠ってしまったのだ
翌日は目が覚めるとかあさまもとおさまもベッドにはいなかった
ボトボトと大きな音を立てて屋根を打つ雨の音と鬱屈とした黒い雲のせいで外は酷く暗かった
リビングへ繋がる扉を開けようとすると向こう側から声が聞こえてきた
「どうして…」
「ミュナはまだあんなにも小さいのに…」
「お役目なんて…そんなことさせられない…どうしたら…ううっ…」
「だがすぐに王都の騎士がくる…」
あの日からこの日の雨のようにとおさまもかあさまも元気がない
僕の前では笑ってくれるけどぎこちなくてなんだか暗い
「ミュナ!起きてたのか!」
「ミュナおはよう、さっご飯にしましょ」
大雨で外に遊びに行くことも出来ず、家の中はなんだかぎこちなくて居心地が悪かった
そういえば僕の魔法ってなんだったんだろう?
どうやったら使えるのかな?
難しい字がいっぱいで読めなかったからよく分からないしとおさまもかあさまも教えてくれなかった
んー…協会から出てきた子供達はどうやって使ってたっけ
きゃっきゃっと嬉しそうな声を出して子供たちが協会から出てくる
「ミュナも来年には魔法適性を受けるのよ」
僕の手を握った かあさまが優しく僕に言った
「まほうてきせーってなにー?みんな何してるのー?」
協会から出てきた子供たちは手のひらから小さな水の玉を出したり、マッチで擦ったような火を出したりと魔法を使っている
「あぁやって、母さんたちみたいに魔法を使えるようになるためには協会で魔法適性って言うものをするのよ」
「じゃあ僕もまほうてきせーしたらまほう使える!?」
「ミュナにはどんな適性があるかしらねぇ」
僕にも魔法が使えるようになる!
かあさまみたいな風をおこしたり、とおさまみたいな大きな火を出したり!
まだ先だと言うのに僕は楽しみで仕方がなかった
「とおさま!僕もとおさまみたいな大きな火を出せるようになりたい!」
「そうだなぁー!俺の子だからミュナはきっと火の魔法が得意な子になるぞー!」
「まぁ!私に似てきっと素晴らしい風魔法が使える子になるわよ!」
とおさまが帰ってきた夜の食卓ではかあさまもとおさまも僕を抱き上げて沢山ぎゅっとしてくれた
僕はどんな魔法が使えるようになるんだろう!
(適性値:聖魔法)
「なっ……」
「これは…」
「神父様、これは…」
翌年待ちわびた魔法適性の時、協会に立ち会った人々はみな固唾を飲んで僕の適正結果を見ていた
「ミュナくんのご両親、すみませんが別室へお願いできますか」
みんなどーしたの?
とおさまもかあさまも何も言わないし、こっちを見てくれない
僕の手を握る大きな手は少しばかり強くて痛いくらいだった
そうして、よく分からない話をつらつらとしんぷさまがとおさまとかあさまに話す度に悲しい顔をしなが頷くことをただただ眺めていた
「かあさま…どうしたの…?悲しいこと…?」
僕が問いかけるとかあさまは僕の顔を見るなり泣きそうな顔で僕の頬を撫でる
僕かあさまの手でほっぺたを撫でられるのだいすき
「ミュナ、父さんを見て」
かあさまに撫でられてご機嫌の僕を後ろから呼んだ
「なあに?」
「ミュナ…ミュナはいい子だな…父さんと母さんの宝物だ…」
とおさまは僕をぎゅっと抱き締めて優しく背中をぽんぽんと叩いてくれる
僕とおさまのぽんぽんだいすき
あったかくて眠くなっちゃう
「とおさまぁー、ぼくもすごいまほうつかえるー?」
気のせいか動きを止めたとおさまは数秒後再び背中を優しくぽんぽんと叩いてくれるが返事は無い
後ろでかあさまの小さなうっうっという声が聞こえていた
とおさま、鼻はすっちゃだめなんだよ、かあさまにお鼻ちーんてしなさいって怒られちゃうよ
小さな部屋に大人が何人もいるのに誰もなにも話すことなく静かな時間が過ぎていった
夕日が僕の手をオレンジ色に染める中、協会の入口ではとおさまとかあさまがしんぷさまに頭を下げていた
「長く持っても1週間しかありません…大事に過ごしてください…」
「今日はごーかなごはんだねー!かあさまー!」
うちに帰って絵を描いているといい匂いがしてきて机の上には美味しそうなごはんが沢山並んでいた
「ミュナ、今日は沢山食べような」
「うん!とおさまみたいにおっきくなるよ!」
「っ、ミュナ…お絵描きお片付けしてね」
「はーい!」
珍しく今日は家族3人で小さなお風呂に入り
いつもより早めに布団についた
いつもよりかあさまととおさまは僕にぎゅっと引っ付いて
ぬくぬくしていて僕はすぐに眠ってしまったのだ
翌日は目が覚めるとかあさまもとおさまもベッドにはいなかった
ボトボトと大きな音を立てて屋根を打つ雨の音と鬱屈とした黒い雲のせいで外は酷く暗かった
リビングへ繋がる扉を開けようとすると向こう側から声が聞こえてきた
「どうして…」
「ミュナはまだあんなにも小さいのに…」
「お役目なんて…そんなことさせられない…どうしたら…ううっ…」
「だがすぐに王都の騎士がくる…」
あの日からこの日の雨のようにとおさまもかあさまも元気がない
僕の前では笑ってくれるけどぎこちなくてなんだか暗い
「ミュナ!起きてたのか!」
「ミュナおはよう、さっご飯にしましょ」
大雨で外に遊びに行くことも出来ず、家の中はなんだかぎこちなくて居心地が悪かった
そういえば僕の魔法ってなんだったんだろう?
どうやったら使えるのかな?
難しい字がいっぱいで読めなかったからよく分からないしとおさまもかあさまも教えてくれなかった
んー…協会から出てきた子供達はどうやって使ってたっけ
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