落ちてゆく私と弟のものがたり

009

「ただいま」

鍵を開けて家に入るのに挨拶は不要よね。
つまらない習慣に引っ張られているわね。

弟は無言で家に入ると自分の部屋にいってしまう。

私は弟の気配が消えて緊張から解放されるのがわかる。

全く、何の為の待ち伏せだったんだろう？
ありがた迷惑よね。

それにしても、何であんな事を受け入れて写真を送ってしまったのだろう？

後悔が私を襲うが、今更よね。

何も考えたく無い。
動きたくもない。

私はなんとかリビングにたどり着くとソファーに倒れ込む。

やはり疲れていたのかな。
私は寝ていたようだ。

そんな私を起こすのはあいつからのメッセージだ。

「弟君も写真だけじゃ生殺しでしょう。
貴方の生パンツを見せる事」
 
本当にバカ。
でも逆らえないのよね。
私は投げやりな気持ちでスカートを脱ぐ。

そして何もかも嫌になった気分で投げやりになり、なんとまた寝てしまうのだった。