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絶交 二
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(そういえば最近、笑っていないような気がする)
悲観に暮れている間は、なにをしても苦しみばかりが気になるものだが、まさに今が、その状態だった。考え始めれば、記憶の無い幼い頃からずっと、苦しんでいたような気持ちになって辛い。
少し強い風の吹く日だった。土煙が足下を汚す。
小石を蹴っ飛ばした靴が、白っぽくなっているのに気付いた。出がけに磨いておいたのに、今は見る影もない。
また、一つ小さな溜息をつく。
家に辿り着いた時には疲れ切っており、なんとか鍵を掛けたのを確認し、ヴァイオリンを見捨てて、自室に向かった。
階段を這い上がる。既に立っているのが辛く、腕に、足に力を込めて、必死の思いで上る。
最近は食事もろくに摂っていないし、夜も、眠っているのか起きているのか分からない状態であるから、体調はすこぶる宜しくない。
畳の感触を手に感じた時、やっと安心できた。もう、ここは自分だけの場所。誰にも侵されぬ場所。
瞼が重くなるよりも先に目の前が暗くなり、有紀は意識を手放した。
悲観に暮れている間は、なにをしても苦しみばかりが気になるものだが、まさに今が、その状態だった。考え始めれば、記憶の無い幼い頃からずっと、苦しんでいたような気持ちになって辛い。
少し強い風の吹く日だった。土煙が足下を汚す。
小石を蹴っ飛ばした靴が、白っぽくなっているのに気付いた。出がけに磨いておいたのに、今は見る影もない。
また、一つ小さな溜息をつく。
家に辿り着いた時には疲れ切っており、なんとか鍵を掛けたのを確認し、ヴァイオリンを見捨てて、自室に向かった。
階段を這い上がる。既に立っているのが辛く、腕に、足に力を込めて、必死の思いで上る。
最近は食事もろくに摂っていないし、夜も、眠っているのか起きているのか分からない状態であるから、体調はすこぶる宜しくない。
畳の感触を手に感じた時、やっと安心できた。もう、ここは自分だけの場所。誰にも侵されぬ場所。
瞼が重くなるよりも先に目の前が暗くなり、有紀は意識を手放した。
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