殺された人形

岡倉弘毅

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居心地 二

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 どうやら包丁で腹を複数回刺されていたらしい。殺害方法から犯人は力のある男であろうと予測されると、行彦から聞いた事実を話して解放されると、教室は洋史には居心地の悪い場所になっていた。

 あと一時間の辛抱だから。と自分を慰めつつ、大人しく授業を受け、終わると同時に逃げるように下校した。誰も彼もが自分を噂しているように思えた。
 


 市電を使って、目当てのカフェに向かう。

 駅から少し歩くと、大きな屋敷が目に付くようになり、その手前の洒落た洋館に『Café étoile』の名を見つけた。

「お、洋史じゃないか」

 背後からの声に洋史は振り返ると、平助と馨がいた。

 以前会った時は堀川伯爵家の敷地内であったからか、象牙色のシャツと黒のズボンという簡素な恰好であったが今は、灰色かがった暗い青の地色に黒の縞模様が入った三つ揃えを身に着け、同じような色の中折れ帽を被っている。

 胸のポケットからは洒落た形に折られた手巾が覗き、右手の人差し指には青い石の入った銀の指輪。

 派手な恰好ではあるが、馨自身が華やかな容姿を有しているので、さほど違和感はない。

「どうした、この辺りに用があるのか?」
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