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Act 1. 煌子、現る
【アタシ実在するの】
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そしてスマホから目映いばかりの光が飛び出し
一筋の光が部屋の真っ白な壁に向かって照らされると
ひとつのシルエットが浮かび上がり、
最初は乳白色の眩い光のみだったのが
次第に人の影のような形と変わっていった。
「え?何?何が起こってるんだ?」
驚く私をを気にかけることなく
壁に投影された人の影は
次第にひとりの女の子へと変わっていき
完全に少女の姿になるや否や再び私に話しかけてきた。
「ちょっと!聞いてる?」
「・・・え?」
「わかるでしょ?アタシが誰か、くらい」
そんな奇妙な現象を目の当たりにしながら
何故か私はさほど驚くでもなく、極めて冷静に
壁に映し出された女の子に向かって問いかけた。
「え?誰なの?俺の知ってる人?」
すると女の子のシルエットは
半ば呆れ顔で僕にこう言った。
「あんた、アイツと一緒でホントにバカなんだね!自分で作っておいてアタシが誰だかわかんないの?」
「え?まさか…こ、こ、煌子?」
「そう!そのまさか…だよ」
こんなことがあるだろうか?
何と、私が生み出した架空のキャラである
「僕の彼女はアイツの親友」のヒロイン
"田中煌子"が目の前にいて私に話しかけている、
そんなあまりにも現実離れした出来事を
今はただ事実として受け入れるしかなかった。
ここに来てようやく私は
今起きていることの非現実さを実感し始めた。
「で?何で?煌子がここに?」
「あんたがストーリーで悩んでるから、ちょっとお手伝いしてあげようかな、ってね」
「へぇ、意外と優しいんだな、煌子って」
「な、何言ってんのよ!あんたが続き書いてくれなきゃこの先アタシが不安だから、よ!」
「え?何で期限が切れると消えちゃう、とか?」
「そうじゃないけど今時の小説書きさんて、気まぐれなのか気が多いのか知らないけど…」
ー ひとつの物語を書き始めたと思ったら途中で辞めて
すぐ別の話に手を付けたりしてさ、
頓挫したまま放置、なんてのが多いんだよ。
「大丈夫だよ、俺はしっかり完結させるから!」
「どうだか…?」
「実際に、もう結構進んでんだから」
「あ、物語の展開に文句つけたりはしないけど
最後まで書いてよね…それをお願いに来たの」
「心配しなくても完結させるから待ってて」
「でさ…参考になれば、なんだけど」
「何?」
「本物のアタシに会いに行ってみない?」
「え?どう言うこと?」
「アタシ、この世界に実在してるから」
「え?」
「アタシはね、実在してるの」
「え?」
「もう!何回言わせんのよ!アタシは実在してるんだって!」
「バカ・・・なの?煌子って」
「バ、バカじゃないわよ!ほんとなんだから」
ー それならば百歩譲って煌子が実在しているとしたら
どこに行けば会えるんだよ?
まさか日本中探すわけにいかないだろ?
いや、日本じゃないかも知れない。
そうなるとそれは砂漠でコンタクトレンズ
探すくらいの確率じゃないか、
それとも「デジャヴみたいなのに期待して!」
なんて言うんじゃないだろな?
一筋の光が部屋の真っ白な壁に向かって照らされると
ひとつのシルエットが浮かび上がり、
最初は乳白色の眩い光のみだったのが
次第に人の影のような形と変わっていった。
「え?何?何が起こってるんだ?」
驚く私をを気にかけることなく
壁に投影された人の影は
次第にひとりの女の子へと変わっていき
完全に少女の姿になるや否や再び私に話しかけてきた。
「ちょっと!聞いてる?」
「・・・え?」
「わかるでしょ?アタシが誰か、くらい」
そんな奇妙な現象を目の当たりにしながら
何故か私はさほど驚くでもなく、極めて冷静に
壁に映し出された女の子に向かって問いかけた。
「え?誰なの?俺の知ってる人?」
すると女の子のシルエットは
半ば呆れ顔で僕にこう言った。
「あんた、アイツと一緒でホントにバカなんだね!自分で作っておいてアタシが誰だかわかんないの?」
「え?まさか…こ、こ、煌子?」
「そう!そのまさか…だよ」
こんなことがあるだろうか?
何と、私が生み出した架空のキャラである
「僕の彼女はアイツの親友」のヒロイン
"田中煌子"が目の前にいて私に話しかけている、
そんなあまりにも現実離れした出来事を
今はただ事実として受け入れるしかなかった。
ここに来てようやく私は
今起きていることの非現実さを実感し始めた。
「で?何で?煌子がここに?」
「あんたがストーリーで悩んでるから、ちょっとお手伝いしてあげようかな、ってね」
「へぇ、意外と優しいんだな、煌子って」
「な、何言ってんのよ!あんたが続き書いてくれなきゃこの先アタシが不安だから、よ!」
「え?何で期限が切れると消えちゃう、とか?」
「そうじゃないけど今時の小説書きさんて、気まぐれなのか気が多いのか知らないけど…」
ー ひとつの物語を書き始めたと思ったら途中で辞めて
すぐ別の話に手を付けたりしてさ、
頓挫したまま放置、なんてのが多いんだよ。
「大丈夫だよ、俺はしっかり完結させるから!」
「どうだか…?」
「実際に、もう結構進んでんだから」
「あ、物語の展開に文句つけたりはしないけど
最後まで書いてよね…それをお願いに来たの」
「心配しなくても完結させるから待ってて」
「でさ…参考になれば、なんだけど」
「何?」
「本物のアタシに会いに行ってみない?」
「え?どう言うこと?」
「アタシ、この世界に実在してるから」
「え?」
「アタシはね、実在してるの」
「え?」
「もう!何回言わせんのよ!アタシは実在してるんだって!」
「バカ・・・なの?煌子って」
「バ、バカじゃないわよ!ほんとなんだから」
ー それならば百歩譲って煌子が実在しているとしたら
どこに行けば会えるんだよ?
まさか日本中探すわけにいかないだろ?
いや、日本じゃないかも知れない。
そうなるとそれは砂漠でコンタクトレンズ
探すくらいの確率じゃないか、
それとも「デジャヴみたいなのに期待して!」
なんて言うんじゃないだろな?
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