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Act 6. ふたりでひとり
【ラストシーン】
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例えばもしも私がこの物語を完結させなければ、
これからも煌子は現れるのだろうか?
いやいや、それではいつになっても煌子は・・・
煌子がフェリーに現れてから数日後、
そんな私の迷いを無理にでも
振り切らないといけない事態が勃発した。
10代の恋愛を描いた青春小説のコンテストが
開催されることが
連載中の小説投稿サイトから発表されたのだ。
その応募条件とは・・・
締め切りは12月31日、"完結された作品"であること…
つまり途中までの話では応募することが出来ないわけだ。
私の拙い処女作をそのようなコンテストに
応募してよいものだろうか?
そして完結してしまえば、大晦日を最後に
こっこと一体化した煌子は
私の前に現れることはなくなるだろう。
様々な思いが脳裏を駆け巡ったが
悩んだ末にやはり応募することに決めた。
推敲に推敲を重ね12月30日にようやく
「僕の彼女はアイツの親友」は
無事に完結した状態で連載を終えた。
当初は学園もののラブコメを書きたかったのだが
結局のところラブストーリーと言いつつ
過去の恋愛体験を交えながらも
ヒロインのモデルとなった推しメンを
本人に重ねて感情移入をして、
自身の"推し変遷"を描いた
随分と一人よがりの物語に終わったようにも思えた。
それでもやり遂げたと言う達成感は大きく
また予想以上にたくさんの方が読んでくれたことも
大きな励みとなった。
そして遂に大晦日となった、
果たして煌子は現れるのだろうか?
それとも既にこっこと一体化してしまったのだろうか?
塩対応な煌子のことだから別れの言葉もなく
そそくさと消えてしまったのでは?などと
勝手な思い込みをしながら
夜になってぼんやり一人でテレビを観て過ごしていると
突然、画面が明るい光に包まれ
まるで電波の悪い状態で
映りの悪い番組を観ている時のように
ノイズ交じりの雑音の中から
消え入りそうなか細い声が聞こえてきた。
「ねえ、聞こえてる?アタシの声」
これまでのように姿は鮮明に見えないものの
そこに映し出された声の主は紛れもなく煌子だった。
テレビ画面の中から煌子が話しかけてくる、
「わかる?アタシがここにいること」
「煌子!何でそんなとこに!もう外に出てこれないのか?」
「そう…もう、その時が来たの」
いつ消えるかわからない煌子の声を
私は必死に聞き取ろうとする
「こ、れ…まで、あ、り…がと…う」
次第にノイズが激しくなり
煌子の声も途切れ途切れになる。
私はパソコンを立ち上げ小説サイトのページを開いた。
「煌子、こっちから話せる?移動出来る?」
「うん、試してみる」
すると電波の不具合が修復され
ノートパソコンの液晶画面に映る
煌子の声がはっきりと聞こえ始めた。
これからも煌子は現れるのだろうか?
いやいや、それではいつになっても煌子は・・・
煌子がフェリーに現れてから数日後、
そんな私の迷いを無理にでも
振り切らないといけない事態が勃発した。
10代の恋愛を描いた青春小説のコンテストが
開催されることが
連載中の小説投稿サイトから発表されたのだ。
その応募条件とは・・・
締め切りは12月31日、"完結された作品"であること…
つまり途中までの話では応募することが出来ないわけだ。
私の拙い処女作をそのようなコンテストに
応募してよいものだろうか?
そして完結してしまえば、大晦日を最後に
こっこと一体化した煌子は
私の前に現れることはなくなるだろう。
様々な思いが脳裏を駆け巡ったが
悩んだ末にやはり応募することに決めた。
推敲に推敲を重ね12月30日にようやく
「僕の彼女はアイツの親友」は
無事に完結した状態で連載を終えた。
当初は学園もののラブコメを書きたかったのだが
結局のところラブストーリーと言いつつ
過去の恋愛体験を交えながらも
ヒロインのモデルとなった推しメンを
本人に重ねて感情移入をして、
自身の"推し変遷"を描いた
随分と一人よがりの物語に終わったようにも思えた。
それでもやり遂げたと言う達成感は大きく
また予想以上にたくさんの方が読んでくれたことも
大きな励みとなった。
そして遂に大晦日となった、
果たして煌子は現れるのだろうか?
それとも既にこっこと一体化してしまったのだろうか?
塩対応な煌子のことだから別れの言葉もなく
そそくさと消えてしまったのでは?などと
勝手な思い込みをしながら
夜になってぼんやり一人でテレビを観て過ごしていると
突然、画面が明るい光に包まれ
まるで電波の悪い状態で
映りの悪い番組を観ている時のように
ノイズ交じりの雑音の中から
消え入りそうなか細い声が聞こえてきた。
「ねえ、聞こえてる?アタシの声」
これまでのように姿は鮮明に見えないものの
そこに映し出された声の主は紛れもなく煌子だった。
テレビ画面の中から煌子が話しかけてくる、
「わかる?アタシがここにいること」
「煌子!何でそんなとこに!もう外に出てこれないのか?」
「そう…もう、その時が来たの」
いつ消えるかわからない煌子の声を
私は必死に聞き取ろうとする
「こ、れ…まで、あ、り…がと…う」
次第にノイズが激しくなり
煌子の声も途切れ途切れになる。
私はパソコンを立ち上げ小説サイトのページを開いた。
「煌子、こっちから話せる?移動出来る?」
「うん、試してみる」
すると電波の不具合が修復され
ノートパソコンの液晶画面に映る
煌子の声がはっきりと聞こえ始めた。
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