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#3. かたつむり
【自意識過剰男?】
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パンクの修理は10分程度で終わった
これで僕はお役ご免、と言うわけだ。
「安くしとくよ、清志の彼女だからな」
「あ、すみませーん」
「だ・か・ら…!」
再び志帆の頬が朱に染まる、
その表情を敢えて気に留めないふりをした僕は
「志帆ちゃんよかったね、500円だって、修理代」
「それくらいなら私、持ってるから大丈夫だよ」
「じゃ、俺はこれで」
「…原田くん」
「ん?どうしたの?」
「ちょっとそこのコンビニに…寄ってかない?」
「あ、あ…あぁ、いいよ」
2人乗りを諌めたあの真面目な志帆が寄り道かよ、
一体どういう風の吹きまわしなんだ?
二人で店内に入り志帆はお礼に、と
好きなアイスを選ばせてくれた。
ホッとしたのか、アイスを手にした途端
急に子供のような表情に変わった志帆は
「ソフトクリームだって!子供だよねー」
「俺はこれが好きなんだよ」
「お子ちゃま原田くんっ!」
「うるさいなぁ、もう」
「ふふふ」
その豹変ぶりに驚かされた。
僕たちはコンビニを出てすぐ脇にある
喫煙スペースの灰皿の隣に
二人並んでアイスを食べていた
突然降り始めた夕立に今日は少しだけ感謝した。
「何か、懐かしいね」
「え、何が?」
「ほら、ちょっと前の雨の日…」
「あぁ!あの時ね」
「おどかしたせいでハンバーガー…」
「え、そうだったっけ?」
「覚えてないの?」
所詮、志帆にとってはその程度の思い出なんだろう、
あの日のことを必要以上に意識して
"何か"に期待していたことを僕は少し恥ずかしく思った。
「そうだそうだ!思い出した!・・・あれ、6月くらい…きゃ~~~!!原田くん~!」
「え?どうしたの?」
「…あれ・・・見て!」
僕のシャツの袖をつまんで後ろに隠れた
志帆の指差す先に見えたのは
コンビニの窓に張り付いた一匹のかたつむりだった。
その時ふと、あの日家のドアノブに
所在なさげに張り付いていた
かたつむりの姿が脳裏をよぎった。
「かたつむりかぁ…」
「え?」
あの日と同じようにかたつむりが・・・
これはきっと神様が背中を押している、
僕はそう勝手に解釈した。
これで僕はお役ご免、と言うわけだ。
「安くしとくよ、清志の彼女だからな」
「あ、すみませーん」
「だ・か・ら…!」
再び志帆の頬が朱に染まる、
その表情を敢えて気に留めないふりをした僕は
「志帆ちゃんよかったね、500円だって、修理代」
「それくらいなら私、持ってるから大丈夫だよ」
「じゃ、俺はこれで」
「…原田くん」
「ん?どうしたの?」
「ちょっとそこのコンビニに…寄ってかない?」
「あ、あ…あぁ、いいよ」
2人乗りを諌めたあの真面目な志帆が寄り道かよ、
一体どういう風の吹きまわしなんだ?
二人で店内に入り志帆はお礼に、と
好きなアイスを選ばせてくれた。
ホッとしたのか、アイスを手にした途端
急に子供のような表情に変わった志帆は
「ソフトクリームだって!子供だよねー」
「俺はこれが好きなんだよ」
「お子ちゃま原田くんっ!」
「うるさいなぁ、もう」
「ふふふ」
その豹変ぶりに驚かされた。
僕たちはコンビニを出てすぐ脇にある
喫煙スペースの灰皿の隣に
二人並んでアイスを食べていた
突然降り始めた夕立に今日は少しだけ感謝した。
「何か、懐かしいね」
「え、何が?」
「ほら、ちょっと前の雨の日…」
「あぁ!あの時ね」
「おどかしたせいでハンバーガー…」
「え、そうだったっけ?」
「覚えてないの?」
所詮、志帆にとってはその程度の思い出なんだろう、
あの日のことを必要以上に意識して
"何か"に期待していたことを僕は少し恥ずかしく思った。
「そうだそうだ!思い出した!・・・あれ、6月くらい…きゃ~~~!!原田くん~!」
「え?どうしたの?」
「…あれ・・・見て!」
僕のシャツの袖をつまんで後ろに隠れた
志帆の指差す先に見えたのは
コンビニの窓に張り付いた一匹のかたつむりだった。
その時ふと、あの日家のドアノブに
所在なさげに張り付いていた
かたつむりの姿が脳裏をよぎった。
「かたつむりかぁ…」
「え?」
あの日と同じようにかたつむりが・・・
これはきっと神様が背中を押している、
僕はそう勝手に解釈した。
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