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第5章 繋ぐ日々

【劇的結末】

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 またいつものように俺たちは時間に追われながら
フィニッシュに向かう羽目になった。

にも関わらず俺はふと以前のトークでの会話

“ピアスの穴数えに来てくれるの待ってるね”

その言葉を思い出し、

「さりー、ちょっと耳見せて」

「ん?どうしたの?」

手を止め俺の股間から口を離すと
さりーは髪の毛を掻き上げた。

「えーっと…」

「3個だよ、ピアスでしょ?」

「よくわかったね」

「ふふ、そりゃね…ねえねえ、光々はピアス開けないの?」

「痛いの嫌なんだよね」

「え?そうなの?」

「あとさ…昔…無かった?都市伝説みたいなの…ピアス開けて耳から白い糸が出てるから引っ張ったら…目が見えなくなる、て話」

「えー!その話、光々の頃もあったのー?」

「いやいやいや…それはさりーもだって!俺の方が昔だから」

「何か視神経が抜ける、って話だよね?じゃこの話知ってる?『○○(ある有名な感染症)の世界へようこそ』って」

「え?聞いたことないな」

「何かね…聞いた話で私はそこ行ったことないんだけど…」

ー市内の海沿いにあるH町の海岸がナンパスポットで
その近くのラブホ、なんだけどね

「うんうん」

ある女の子をナンパして…ヤッちゃうんだけど
朝起きてみたら誰もいなくて、部屋の鏡にね…

「○○の世界へようこそ」って
一言、書いてたんだって!

「怖っ!それ感染させたってこと?」

「でしょぉ?怖いよね」

 こんな具合でいつものように話し始めたものだから
またしてもプレイは寸断され更にタイムアップが近づいてきた、

にも関わらず

「あ…光々…!」

「なに?また毛が入った…とか?」  

さりーは突然真面目な表情でまじまじと俺を見た

「ううん、あのね…光々の…」

「どしたの?」

「光々のおチ○チ○…前より…大きくなってる!」

「え?さっきよりってこと?そうじゃなくてサイズ的なこと?」

「あのね…これまでだと私が口、思い切り開けてここまで…」

俺の“モノ”を咥えこみ顔を上下させ…
実技を交えながらさりーは説明を始めた、

 それは一般的に考えると非常に淫靡いんびでありながら
目の前の当事者にとっては
非常にコミカルにすら感じる行為だった。

「そうなんだ?大きくなるなんて…この歳で」

「ね!私と出会ったおかげで光々のチ○が成長してるなんてうれしい!」

そう言うや否やさりーは再び“攻め”始めた、
俺の“モノ”を優しく握ると
その柔らかな唇で包み込みそっと舌を這わせる。

まるで果汁を吸い込むように
クチュクチュと音を立て“竿”の部分にむしゃぶりつき

柔らかな唾液で満たされた口の中に咥えこんだ。

そして空いた手は俺の“袋”と乳首を優しく刺激する

その優しくも激しい攻撃に
俺はたまらず昇天しそうになる…

「あ…もうダメだ…イクかも…」

「ん…いいよ」

更にさりーはせわしなく舌を上下に揺らしながら
激しく顔を上下させる

「あ…それ、それ、凄くいいよ…!」

「でしょ?気持ちいい?」

「あ…もっと…それ…続けて…」

「んんぅ…」

もうダメだ、でもまだ終わりたくない…
俺の気持ちに一瞬の躊躇が生まれた

もう少しこの至福の時間を堪能したい

「あ…さりー…ちょっと待って…!」

え?と言う表情で口を離し顔を上げるさりー

「どうしたの?」

せっかくの快楽が寸断される、俺は我に返り

「いいよ…続けて…」

再びさりーが激しく愛撫を始めた…

「あ…!出る…よ」

「うん…ん、んんぅ…!」

俺がさりーの口腔内に白い液体を発射した、
その瞬間だった

ピピピピピピピピ…!

残り時間を告げるタイマーの音が
部屋の中に鳴り響いた。

 思わず口の中に残った“俺の液体”を
吐き出さんばかりの勢いで
口を押さえながらさりーが爆笑する。

「ちょっとー!面白すぎん?」

「だね」

ティッシュで口を拭きながらさりーはわらった。

「何で?何であのタイミングで一回止めたの?で、凄いタイミングでピピピピって!」

「ほんと、計ったみたいに同じタイミングだったね」

「すごいよね!計算してたみたい」

「こう言うとこ…なんだろうな俺らの関係性って」

「ねぇ…?光々…ん…早く」

さりーはあの時と同じように
まだ俺の“液”の残り香がある唇を俺に重ねた。

この柔らかな舌と唇がさっきまで俺自身を
支配していたんだな…

そう考えただけで既に股関に熱いモノを感じた

ひとしきり無心に唇を重ね
生まれたままの姿で抱き合っていた俺たちだったが
さりーは急に思い出したように

「さ、急ごう!時間…ない」

その一言で我に返り
ふたり大慌てでシャワー室へと向かった。
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