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第6章 待ってる

【寂寥挽歌】

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 さりーは俺の両足に挟まれるように
股間へ顔を埋め責めを続けている

その時ふと、さりーと目が合った瞬間
あることをしてほしいと言う欲求が芽生えた

「さりー…こっち来て」

「ん?どうしたの?」

「俺、さりーのべちょべちょな唾が欲しいな…いっぱい欲しい」

そう言って軽く口を開けて舌を出して見せた。
あまりに突然の欲求にさりーは戸惑うだろうか?

そんな心配をよそに嬉々とした表情で
さりーは俺の顔の近くまでやって来た。

「あんまり出ないかも…」

上目遣いでくちゅくちゅと音を立てながら
軽く開いたさりーの唇の隙間から
透明な唾液がしたた

口いっぱいにさりーの香りが広がった。

香水やデオドラントではない本当の
正にリアルなさりー自身の香りだ…

 俺はとてつもない変態であることを自覚しながら
その興奮は徐々にマックスへと向かっていた。

「うわぁ…!さりーが入ってきたぁー!」  

「ふふ、あんまり出なくてごめんね」

「ありがとう、美味しい…よ」

「もう!恥ずかしいよ」

ふたりの唾液を交差させながら糸を引くように
いつもよりぬめり気のある舌をしばし軽く絡ませた後

さりーはそのまま再び“俺のモノ”への
愛撫を再開するかと思いきや、俺の顔を見て

「離れてて寂しかったぁ…」

たった一言そう呟いた。

「え?寂しいの?こんなに近くにいるのに?」

「だぁってぇ…顔と顔は離れてるよ…私ひとりで
光々のオチ○チ○舐めてるみたいで…孤独感じてた」

「じゃ、これからは時々こっちおいでよ、責めてる途中でも」

「だからうれしかったの、光々が『こっち来て』って言ってくれて…ほんと、よかったぁ」

 な、何なんだ!この娘は…!
さりーの言葉はどこまでも俺の心を引き付ける

まさかプレイの途中でこんなにも密着しているのに
ほんの少し離れた距離感を“寂しい”って…

さりーのこんなところが
常連客の心を鷲掴みにするのだろうか?

それともこの言葉は俺だけに向けたもの…?

後にさりーは
「離れてないのに離れてるようなあの感覚…何なんだろう?」
そうトークでも書いていたが

まさか後々“それ”を回避するために
あの“業”を解禁することになろうとは…

 そのまま柔らかな髪の感触を纏いながら
首筋あたりに愛撫を続けるさりーを俺は起こすと

「じゃあ、さりーの好きな…ここ…舐めちゃうよ」

「あ…あぁぁぁ!…い、いい…」

俺がさりーの乳首を指で触りながら
もう片方の乳首を咥えこんで吸うと

声にならない声を上げて善がった。

さりーの性感帯のひとつが乳首であることは
何度目かの逢瀬で気づいていた

だから毎回パターンを変えて責めるのだが
今回はさりーの感じ方がいつもより激しい

「あ、あっ…あぁ!」

 さりーは一度背中を大きくけ反らせると
今度は俺の顔をその柔らかな乳房を押し付けてきた

いつになく力強いさりーの胸の圧迫感に
息苦しいほどに俺の顔は塞がれていった。

気付けば俺は片手で乳首を責めながら
もう片方の手は自然とク○トリスをまさぐっていた

「あ…ク○…そこ…気持ちいい…」

そう言ってさりーは恍惚の表情を浮かべた。
さっきより明らかに湿り気が増して濡れている…

その現実が俺には嬉しかった
さりー…感じてくれてるんだね…と。

そしていつもの笑顔に戻ったさりーは

「そろそろ…フィニッシュ…向かわないとね…今日も時間が…」

「うん、じゃ、お願い…!」

 そしてさりーのいつもより激しくも優しい
執拗な責めに耐えかねた俺は…

敢えなく果てた。

「よかったぁ、ギリギリだったね」

「また“悟る”かと思ったよ」

「あはは、ちゃんと出てたよ!」

今日も無事、時間ギリギリながら
フィニッシュを迎えることが出来た。
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