僕の彼女はアイツの親友

みつ光男

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Act 33. 誰が為に

【女子力】

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 こうして僕と美月はこの日以降
お互いの家で定期的に
勉強会らしきことをするようになった。

とは言え、2回目以降は初回のような
"接近遭遇"の機会はなく

どちらかと言えば
至極真面目な時間を過ごしていた。

それはそれで何か物足りないような
それでいてホッとするような心境だった。

その間に僕は美月から煌子の過去について
色々と教えてもらった。

「煌子のこと、もっと知りたいんでしょ?」

「あ、いや、そんなに」

「いいよ、無理しなくても。顔に書いてるもん」

「え、マジで?俺の?」

僕が顔を手で拭う仕草をすると
美月は吹き出した。

「マジなの?それとも狙ってる?」

「さぁ、どっちなんだろう」

「何かかわいい、全部顔に出るんだもん」

「か、かわいいってキャラかぁ?」

「うん」

 何とも不思議な会話だ、
煌子と話す時はどちらかと言うと同性のイメージ

それが美月となると頭をフル回転させてないと
会話を繋げていくことすら大変になる、

まるで互いの想いを読み合って
駆け引きをするかのように。

 女子らしい女子ってのはみんな
こんな感じなのだろうか?

それならば煌子と一緒の時の僕は
どれだけ無防備で開放的だったのだろう?

そう考えると何だか申し訳ないような
気持ちになった。

あの奔放に見える煌子にさえ、
僕はかなり気を遣わせていたのかも知れない。


ある日の帰り道、僕は美月から聞かされた話を
総括しながら家路についた。
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