9 / 9
大賢者、怖くなる
しおりを挟む
★★★
??side
……おかしい。
俺はついにおかしくなってしまったみたいだ。
まさか、額にとはいえども、憎きネクロマンサーにキスをしてしまうとは……!!
いや、だがあれは、あの時のあいつの姿が悪い!
スライムに服を溶かされてところどころ艶々とした肌が見えていて、はっきりいってエロかった。いや、ところどころってよりは、もはや殆ど見えていたが。ち、ちち、乳首、とか……。
し、しかもだな、助けて、とこちらを潤んだ瞳で見上げながら懇願していた彼の姿は、はっきりいって、扇情的すぎて、鼻から血が吹き出そうだった。まあ、実を言うと、恥ずかしながら、俺のアソコもたちあがってたんだ、はは、俺の許可も無く……。
よ、要するに、エロかった!………うん、認めよう。エロかったんだ。
それでいて、少しかわいかっ………
「ちょっとイケメン、焚き火するから手伝えよー!」
「おわぁぁぁぁっ!?わ、わかったから近づくな!!!!!」
「もう!!手伝ってくれないから近づいてるんだろっ!考え事でもしてたのかー?」
「な、なななななんでもないっ!
そ、それにお前!俺にイケメン、などと珍妙なあだ名をつけてるんじゃない!この無礼者が!」
「え?まじか口に出てた?わーごめん、名前知らないもんだから、つい……!」
「ま、まあ許してやる!こ、これからはカラムと呼べっ!!」
「カラムっていうんだねイケメン!これからはちゃんと呼ぶよ!」
そう言い、にぱっ!と笑うネクロマンサー。
くっ………なぜ名前を教えただけでそんなにも輝いた笑顔を向けるのだっ……!?
し、心臓が持たない……しかも、軽々しくネクロマンサーに名前まで教えてしまうとは……俺はとんだ腑抜けになってしまったみたいだ………。
……うん?ネクロマンサー…………?
ふむ、そういえばこいつがネクロマンサーだということを、すっかり忘れていた。しかし、ネクロマンサーだというのに先程の洞窟では魔法が使えない様子だったな……どういうことだ?
何か魔力に支障が出ているのか?それとも、もしかすると、本当はネクロマンサーでは無い、などということが有り得るのだろうか………?
まあ、悩んでいても仕方がないな。これは明日、調べに行くとしよう。
そう、心に決め、焚き火でほかほかあったまっているアルバートと共に、イケメン、もといカラムも焚き火でほかほかするのであった。
★★★
洞窟でスライム地獄にあった次の日、急にカラムに
「俺に着いてこい!」
とか言われて今、文字通り引き摺られている俺。
いや、ちゃんと説明してくれないかな!?
カラムが何がしたいのか知らないけど、俺は毎日依頼を受けないと、その日食っていくことすら出来ないんだぜ!?って言いたい。声を大にして言いたい!!!!
でも言ったら俺に逆らうなあぁ!とか言って絶対キレるんだよなぁ……。うん、想像できるわ。
まー、何かカラムにも考えがあるんだと思うし、仕方がなくついてってやんよ!
なーんて器の大きい俺は思っちゃうわけですよ!!
……ってのは建前で、実際思いっきり腕を掴まれて引き摺られてる状況だから、抗うことも出来ないんだけどね~ははは~……。
……この人力強すぎない!?全く離してもらえないんだけどぉ!?
その後も、カラムに文句をぶつくさいいながらも歩く、いや、引き摺られること数十分、ついに目的地に着いた。
目の前には、とてつもなく大きい真っ白い建物。窓から中をのぞくと、そこには何やら見覚えのある女神像。前、俺が見たやつよりうんと大きいけど。
「おい、ここで魔力の適性検査が無料でできるんだ、やってこい!」
「検査?前、ギルドでやってもらったけど……」
「いや、ギルドのは大雑把に出るからあまり信用出来るもんじゃねえぞ。神殿だとな、無料で誰でも適正検査をしてくれるから便利なんだぞ!しかも魔力の流れを正確に読み取るから、結果も正確に出る。」
「なるほど~!!」
ということは、もしかしたらゾンビになった俺でもまだ、魔法が使える希望が残ってるというわけか!それに、顔を変える魔道具なんてつけてなくっても、また変身魔法使えちゃうのかも……!?
ギルドだと、俺がゾンビ(?)だから魔力が読み取れなかっただけで、本当は俺、魔法の才能が大ありなのかもしれないしな……っ!
へへっ。
まあ、無料だって言うし、とりあえず受けてみよう!
なんていうかるーいノリでうけにいった俺、結果は、
なんと、
「おおおお!貴方には!ぜ、全属性の魔法の才能があります!い、生きていて初めて見ましたよ、こんなの……………うん?うーーーん?な、何!?魔力無しだとぉ!?」
との事だ。
つまり、全属性使える魔法の天才のくせに、魔力が皆無なせいで、魔法が使えないらしい。
ひ、酷いよなこんなの…………。結局魔法使えないんかーい…………。
基本、魔力は誰にでもあるらしいから、魔力が皆無なのもおかしいし、魔法が全属性使えるってのも普通に有り得ないことなんですっ!って、神官さんが言ってた。しかも、なんと魔力は生命力でもあるそうで、魔力が枯渇している、ということは、生命の危機に瀕している、ということでもあるらしい。
だから、魔力無しってことは、生きてるのがおかしい、ってこと……。
まあ、多分アレだよな、俺、死んでるから……魔力ないのはトーゼン……
ていうか、この検査で俺が本質的にゾンビだってことになっちゃったよな!?や、やだなぁ!やっぱ俺死んでたんだね!?
まあ、1回死んだ記憶もあるわけだし、普通に考えたらゾンビなんだろう、とは思ってたけど、こう、なんていうか、検査としてちゃんと出されちゃうと、受け止めきれない、っていうか……。
ちょっと、怖いな、なんて。
だって、本当にゾンビってことは、またいつ死んじゃうかもわからないってことだろ……?
もう、死ぬのはやだよ……。
意味不明な結果が出てあたふたしている神官さんの前で、俺は1人泣きそうだった。
??side
……おかしい。
俺はついにおかしくなってしまったみたいだ。
まさか、額にとはいえども、憎きネクロマンサーにキスをしてしまうとは……!!
いや、だがあれは、あの時のあいつの姿が悪い!
スライムに服を溶かされてところどころ艶々とした肌が見えていて、はっきりいってエロかった。いや、ところどころってよりは、もはや殆ど見えていたが。ち、ちち、乳首、とか……。
し、しかもだな、助けて、とこちらを潤んだ瞳で見上げながら懇願していた彼の姿は、はっきりいって、扇情的すぎて、鼻から血が吹き出そうだった。まあ、実を言うと、恥ずかしながら、俺のアソコもたちあがってたんだ、はは、俺の許可も無く……。
よ、要するに、エロかった!………うん、認めよう。エロかったんだ。
それでいて、少しかわいかっ………
「ちょっとイケメン、焚き火するから手伝えよー!」
「おわぁぁぁぁっ!?わ、わかったから近づくな!!!!!」
「もう!!手伝ってくれないから近づいてるんだろっ!考え事でもしてたのかー?」
「な、なななななんでもないっ!
そ、それにお前!俺にイケメン、などと珍妙なあだ名をつけてるんじゃない!この無礼者が!」
「え?まじか口に出てた?わーごめん、名前知らないもんだから、つい……!」
「ま、まあ許してやる!こ、これからはカラムと呼べっ!!」
「カラムっていうんだねイケメン!これからはちゃんと呼ぶよ!」
そう言い、にぱっ!と笑うネクロマンサー。
くっ………なぜ名前を教えただけでそんなにも輝いた笑顔を向けるのだっ……!?
し、心臓が持たない……しかも、軽々しくネクロマンサーに名前まで教えてしまうとは……俺はとんだ腑抜けになってしまったみたいだ………。
……うん?ネクロマンサー…………?
ふむ、そういえばこいつがネクロマンサーだということを、すっかり忘れていた。しかし、ネクロマンサーだというのに先程の洞窟では魔法が使えない様子だったな……どういうことだ?
何か魔力に支障が出ているのか?それとも、もしかすると、本当はネクロマンサーでは無い、などということが有り得るのだろうか………?
まあ、悩んでいても仕方がないな。これは明日、調べに行くとしよう。
そう、心に決め、焚き火でほかほかあったまっているアルバートと共に、イケメン、もといカラムも焚き火でほかほかするのであった。
★★★
洞窟でスライム地獄にあった次の日、急にカラムに
「俺に着いてこい!」
とか言われて今、文字通り引き摺られている俺。
いや、ちゃんと説明してくれないかな!?
カラムが何がしたいのか知らないけど、俺は毎日依頼を受けないと、その日食っていくことすら出来ないんだぜ!?って言いたい。声を大にして言いたい!!!!
でも言ったら俺に逆らうなあぁ!とか言って絶対キレるんだよなぁ……。うん、想像できるわ。
まー、何かカラムにも考えがあるんだと思うし、仕方がなくついてってやんよ!
なーんて器の大きい俺は思っちゃうわけですよ!!
……ってのは建前で、実際思いっきり腕を掴まれて引き摺られてる状況だから、抗うことも出来ないんだけどね~ははは~……。
……この人力強すぎない!?全く離してもらえないんだけどぉ!?
その後も、カラムに文句をぶつくさいいながらも歩く、いや、引き摺られること数十分、ついに目的地に着いた。
目の前には、とてつもなく大きい真っ白い建物。窓から中をのぞくと、そこには何やら見覚えのある女神像。前、俺が見たやつよりうんと大きいけど。
「おい、ここで魔力の適性検査が無料でできるんだ、やってこい!」
「検査?前、ギルドでやってもらったけど……」
「いや、ギルドのは大雑把に出るからあまり信用出来るもんじゃねえぞ。神殿だとな、無料で誰でも適正検査をしてくれるから便利なんだぞ!しかも魔力の流れを正確に読み取るから、結果も正確に出る。」
「なるほど~!!」
ということは、もしかしたらゾンビになった俺でもまだ、魔法が使える希望が残ってるというわけか!それに、顔を変える魔道具なんてつけてなくっても、また変身魔法使えちゃうのかも……!?
ギルドだと、俺がゾンビ(?)だから魔力が読み取れなかっただけで、本当は俺、魔法の才能が大ありなのかもしれないしな……っ!
へへっ。
まあ、無料だって言うし、とりあえず受けてみよう!
なんていうかるーいノリでうけにいった俺、結果は、
なんと、
「おおおお!貴方には!ぜ、全属性の魔法の才能があります!い、生きていて初めて見ましたよ、こんなの……………うん?うーーーん?な、何!?魔力無しだとぉ!?」
との事だ。
つまり、全属性使える魔法の天才のくせに、魔力が皆無なせいで、魔法が使えないらしい。
ひ、酷いよなこんなの…………。結局魔法使えないんかーい…………。
基本、魔力は誰にでもあるらしいから、魔力が皆無なのもおかしいし、魔法が全属性使えるってのも普通に有り得ないことなんですっ!って、神官さんが言ってた。しかも、なんと魔力は生命力でもあるそうで、魔力が枯渇している、ということは、生命の危機に瀕している、ということでもあるらしい。
だから、魔力無しってことは、生きてるのがおかしい、ってこと……。
まあ、多分アレだよな、俺、死んでるから……魔力ないのはトーゼン……
ていうか、この検査で俺が本質的にゾンビだってことになっちゃったよな!?や、やだなぁ!やっぱ俺死んでたんだね!?
まあ、1回死んだ記憶もあるわけだし、普通に考えたらゾンビなんだろう、とは思ってたけど、こう、なんていうか、検査としてちゃんと出されちゃうと、受け止めきれない、っていうか……。
ちょっと、怖いな、なんて。
だって、本当にゾンビってことは、またいつ死んじゃうかもわからないってことだろ……?
もう、死ぬのはやだよ……。
意味不明な結果が出てあたふたしている神官さんの前で、俺は1人泣きそうだった。
10
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
魔王を倒した勇者の凱旋に、親友の俺だけが行かなかった理由
スノウマン(ユッキー)
BL
スラム育ちの少年二人は、15歳になり神の祝福でスキルを得た事で道をたがえる。彼らはやがて青年となり、片方は魔王討伐に旅立つ勇者として華々しい活躍をし、もう片方はただ彼の帰還を待つ相変わらずスラム暮らしの存在となる。
これは何も持たない青年がただ勇者の帰りを待つ日常を描いた作品です。
無自覚両片想いの勇者×親友。
読了後、もう一度だけ読み直して頂けると何か見える世界が変わるかもしれません。
従者は知らない間に外堀を埋められていた
SEKISUI
BL
新作ゲーム胸にルンルン気分で家に帰る途中事故にあってそのゲームの中転生してしまったOL
転生先は悪役令息の従者でした
でも内容は宣伝で流れたプロモーション程度しか知りません
だから知らんけど精神で人生歩みます
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
悪役令息に転生した俺は推しの為に舞台から退場する
スノウマン(ユッキー)
BL
前世の記憶を思い出したアレクシスは悪役令息に転生したことに気づく。このままでは推しである義弟ノアが世界を救った後も幸せになれない未来を迎えてしまう。それを回避する為に、俺は舞台から退場することを選んだ。全てを燃やし尽くす事で。
そんな俺の行動によってノアが俺に執着することになるとも知らずに。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる