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Ⅲ アルファの番は誰?
③
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アルファ様の視察が始まって二日が経った。今日はランチタイム前からウルイは仕事に来ている。昨日は閉店過ぎまで働いて、今日は午前から。正直しんどい。
でも特別な繁忙期であり店の事情も分かるため、ウルイは二つ返事で仕事を引き受けている。閉店まで途切れることなく客が来てオアシス中がお祭り騒ぎだ。
(ライも仕事大変なのかな)
ときどきライの事が頭に浮かんだ。ライも頑張っていると思い、仕事をこなした。
閉店過ぎまでウルイは働き、通常より多くの給料を受け取り帰路についた。さすがに身体が重かった。
ライと出会った湖を通ったとき、ウルイの心臓がドキリと鳴った。大きな木の下に誰かいる。
草の上に横倒れている。もぞもぞ動いていて死んでいる様子ではない。
もしかして、ライかもしれない。だけどライではなくて変な人かもしれない。妙な不安が生じた。
高鳴る心臓を落ち着かせながらウルイは倒れている人に近づいた。
「ライ?」
小さく声をかけた。
すると急に飛び起きた人がウルイを組み敷いてきた。あまりの速さと強い力にウルイは全く抵抗できなかった。
顔を確認すれば、やはりライだ。だが、その形相が鬼気迫るもので怖くなる。
「な、なに? ちょっと、どうしたんだよ」
獣のように肩で息をするライが怖くて、ウルイは自然と逃げを打つ。
ウルイの抵抗をものともせずに、ライはウルイを俯せにしてくる。押さえつけられて恐怖に身体が震えた。
ウルイは目の前にいるのがライなのか、分からなくなりそうだった。
身体が芯から震えた。次の瞬間。
「いたぁぁ!! やめ、やめてぇぇ!」
ライがよく甘噛みしていたウルイのうなじ。そこに強烈な痛みが走る。
ウルイの全身が熱くなる。うなじから身体に何かが流れ込むような感覚がした。
ウルイの鼓動が限界まで速くなる。悲鳴が口から洩れていく。身体がビクビクと跳ねる。
意味が分からず涙が溢れた。しばらくしてウルイのうなじが解放された。
途端に強烈な匂いを感じる。ウルイの身体に入り込む、洋酒の様な匂いだ。
「あぁ、あ、ウ、ルイ? あぁ、ごめ、ん。ごめん。逃げ、て。だめだ。強制発情剤使われて、ラットなんだ。ウルイ以外はいやだ。俺のオメガは、ウルイだ。他は、いやだ」
ライが泣いていた。ウルイを抑える力が弱まっている。
何かブツブツと言うライが怖くて、力を振り絞ってウルイは逃げた。必死でボロ小屋に走った。
小屋に入ってすぐ、ウルイは倒れ込むように眠った。混乱で何も考えられなかった。
泣いているライを置いてきて大丈夫だろうか、と心配が頭に駆け巡った。助けを呼ぶべきではないのか。
色々と考えても何もする気になれず、ズキズキ痛む首後ろを手で覆い隠して布団に潜り込んだ。
(ライが誰かに助けられていますように)
熱くて重い身体を動かせずに、ウルイは必死で願った。
でも特別な繁忙期であり店の事情も分かるため、ウルイは二つ返事で仕事を引き受けている。閉店まで途切れることなく客が来てオアシス中がお祭り騒ぎだ。
(ライも仕事大変なのかな)
ときどきライの事が頭に浮かんだ。ライも頑張っていると思い、仕事をこなした。
閉店過ぎまでウルイは働き、通常より多くの給料を受け取り帰路についた。さすがに身体が重かった。
ライと出会った湖を通ったとき、ウルイの心臓がドキリと鳴った。大きな木の下に誰かいる。
草の上に横倒れている。もぞもぞ動いていて死んでいる様子ではない。
もしかして、ライかもしれない。だけどライではなくて変な人かもしれない。妙な不安が生じた。
高鳴る心臓を落ち着かせながらウルイは倒れている人に近づいた。
「ライ?」
小さく声をかけた。
すると急に飛び起きた人がウルイを組み敷いてきた。あまりの速さと強い力にウルイは全く抵抗できなかった。
顔を確認すれば、やはりライだ。だが、その形相が鬼気迫るもので怖くなる。
「な、なに? ちょっと、どうしたんだよ」
獣のように肩で息をするライが怖くて、ウルイは自然と逃げを打つ。
ウルイの抵抗をものともせずに、ライはウルイを俯せにしてくる。押さえつけられて恐怖に身体が震えた。
ウルイは目の前にいるのがライなのか、分からなくなりそうだった。
身体が芯から震えた。次の瞬間。
「いたぁぁ!! やめ、やめてぇぇ!」
ライがよく甘噛みしていたウルイのうなじ。そこに強烈な痛みが走る。
ウルイの全身が熱くなる。うなじから身体に何かが流れ込むような感覚がした。
ウルイの鼓動が限界まで速くなる。悲鳴が口から洩れていく。身体がビクビクと跳ねる。
意味が分からず涙が溢れた。しばらくしてウルイのうなじが解放された。
途端に強烈な匂いを感じる。ウルイの身体に入り込む、洋酒の様な匂いだ。
「あぁ、あ、ウ、ルイ? あぁ、ごめ、ん。ごめん。逃げ、て。だめだ。強制発情剤使われて、ラットなんだ。ウルイ以外はいやだ。俺のオメガは、ウルイだ。他は、いやだ」
ライが泣いていた。ウルイを抑える力が弱まっている。
何かブツブツと言うライが怖くて、力を振り絞ってウルイは逃げた。必死でボロ小屋に走った。
小屋に入ってすぐ、ウルイは倒れ込むように眠った。混乱で何も考えられなかった。
泣いているライを置いてきて大丈夫だろうか、と心配が頭に駆け巡った。助けを呼ぶべきではないのか。
色々と考えても何もする気になれず、ズキズキ痛む首後ろを手で覆い隠して布団に潜り込んだ。
(ライが誰かに助けられていますように)
熱くて重い身体を動かせずに、ウルイは必死で願った。
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