15 / 57
Ⅰ章「分身鳥の恋番」
side:藤原ルイ⑤
しおりを挟む
「結構早く来たけど、調子、どう?」
俺のベッドに寝かせる。
「うん。大丈夫。ちょっと話がしたかったんだ。レオが来ないうちに、早く話す」
青い顔のまま、自分の鳥を俺の鳥に託している。小坂君が俺の鳥を信頼している。その光景に見惚れた。喜びに心臓が鼓動を忘れそうだった。俺の机に二鳥が移動して語り合うような仕草。良かったね、心で語り掛ける。
「僕、おかしいんだ。これ、夏バテなんかじゃない。フランスに行ってから、変なんだ。だけど、レオや保護管理局の人は、疲れ、夏バテの一点張り。最近、レオの優しさが怖い。藤原君は、何か知っている?」
縋るような黒い瞳。俺は、この瞳に嘘をつきたくない。
「知らないで不安にいることと、真実を知って苦しむことと、どちらがいいと思う?」
小坂君に問う。俺の知っていることを伝えることは、負担になるかもしれない。
「教えて欲しい」
凛とした一言。望むなら話そう。そして守って行こう。
「俺の知っている事だけだよ」
黒い髪をゆっくり撫でた。伝えることに、心が痛む。
「絶滅危惧最高位の分身鳥を持つ者は、男性でも妊娠が出来るように、両性で生まれることが多いらしい」
俺を見ていた黒い瞳が、驚きを表す。
「男性なら身体の中に、小さな男子宮と言われる器官をもっている。妊娠を望まなければ男子宮は目覚めないまま、男性として生涯を終える。絶滅危惧種を保護したければ、男子宮と言われる器官を刺激して、両性として覚醒させるらしい。ただ、男性から妊娠できる両性に急激に変化させるから、ホルモンバランスの乱れで体調を崩すらしいんだ。かなり身体負担がかかるから、日本やアメリカでは成人後に意思確認をして行われる決まりがある」
驚きに染まっている瞳。
「え? なに? 両性? し、子宮? 男でも、妊娠? 僕が……?」
つぶやくように、声がこぼれている。
「混乱すると思うけど、落ち着いて聞いて。両性にするために、同性との性交で男子宮を刺激する必要がある。フランスで、その、性行為とか、覚えがないかな?」
「ええ? 性交? 僕が? 全然、してないよ! け、経験したこと、ないよ」
顔を赤らめて小さな声。ポロリと涙が流れている。混乱しているのだろう。そっと、黒髪の頭を撫でる。苦しいよね。
「意識があるときとは限らない」
はっとしたように、小坂君が俺を見る。
「フランスで、毎日、いつの間にか寝入っていたんだ。気が付くと着替えもレオがしてくれていて……。まさか、そんな……、そんな……」
溢れる涙をタオルで拭う。そのままタオルを渡すと顔を覆って泣き出す。机の上ではオウギワシがオレンジの小鳥を羽で抱き込んでいる。
「僕は、どうなるの? 両性って、どうなるの?」
うつむいたまま、顔を上げない小坂君。不安に揺れる声に、胸が苦しくなる。今伝えないと、小坂君は知る機会がないだろう。
「男性の男子宮は直腸の奥にある。後ろを使って同性との性交をすると妊娠する可能性がある。両性ホルモンが安定するまで数か月から数年かかるらしい。その間は、体調を崩す。体調が悪い間に性交すると、妊娠しにくい身体になる。慰めにならないけど、今はレオが無茶をしてくることは無いと思う」
下を向いたままの小坂君。こんな時だけど、俺はどうしても言わなければいけないことがある。
「それから、小坂君の鳥のこと。怪我の事、ごめん。俺の鳥が、愛の衝動が抑えられなくて大変な事をした。本当にごめん。転校した日、小坂君を見て俺の番だとはっきり分かった。番への愛の衝動がこんなに大きいとは思っていなくて。これまでは、どんな感情もうまくコントロールできて、衝動行為をしない自信があった。俺の鳥は、衝動行為は一度もしたことが無かった」
無言で聞いている小坂君に、ゆっくり話しかける。
「俺と俺の鳥は、一生をかけて償う。番として結ばれなくてもいい。小坂君を生涯支えていく。どうか、傍にいることを許してほしい」
黒い瞳が、俺を見る。
「結ばれなくても、いいの?」
「いい。傍にいて、俺が尽くすだけでいい」
「うん。それなら、大丈夫」
ほっとした顔。今は性的な事が怖いのだろう。
「大丈夫だよ。俺は今後一切、小坂君に苦痛は与えない。俺の鳥と誓い合っている。小坂君にも同じことを誓う。性的なことが嫌ならしない」
「僕、もう何を信じていいか分からない……」
小坂君が下を見てつぶやく。そうだろう。俺と会ってから、怒涛のような出来事の連続。
「俺のせいでもある。ごめん」
ひとつ溜息をついて外を見る小坂君。その横顔の美しさに心がドキリと震えた。
ピンコロン、と独特の機械音がした。俺の部屋のチャイム。コンコンとドアを叩く音。
「失礼。リョウが来ているかな?」
レオの声がする。ビクリと顔を上げた小坂君が、俺を見る。
「大丈夫だよ。小坂君はどうしたい? 自分の部屋に行く?」
「今、戻りたくない。部屋にはレオがいつも入ってくる。今は、ちょっと怖い」
「わかった。待っていて」
小坂君を部屋に残し廊下に出る。
廊下でレオと向き合う。
「リョウを返すんだ」
怖い顔で俺を睨んでいる。
「小坂君が自分で決めるのを待つべきだ」
「無理やり番の鳴声をあげさせた奴が言うなよ」
「それは、今関係ない」
「関係あるさ。リョウが追いつめられているのはお前のせいだろう? 責任逃れするなよ。偉そうに僕だけを悪者扱いするな」
だめだ。挑発に怒りがこみあげてくる。レオは俺を蹴落とそうと敵意を持っている。ならば、それに乗ってはいけない。レオの一歩上をいかなければ、小坂君は守れない。深呼吸して、気持ちを落ち着ける。肩の鳥が、ぐっと俺の肩を掴む。
「俺がしたことは、本当に申し訳なかったと思っています。小坂君が、落ち着いて過ごせるように、少し時間をください」
プライドの高そうなレオに、低姿勢で話す。本当はこんなことしたくもないけれど。
「へぇ。作戦変更か?」
俺は黙って頭を下げ続ける。
「ま、いいだろう。両性ホルモンの安定まではまだ時間がある。僕も慣れない日本で疲れてきていたから、一休みとしよう。いいか、リョウに手を出すな。それが守れなければリョウは縛り上げてでもフランスに連れていく」
「誓って性的な事はしない」
「いいだろう」
俺を正面から見ているレオは、満足そうな顔。
大型猛禽類が自分に頭を下げる現実がレオのプライドを満たしたのだろう。小坂君のためなら、レオを優位に立たせるくらい何てことない。
「リョウ、休んでいるかな? 気持ちが落ち着いたらゆっくり話そう。僕はいつでも君の味方だよ。待っているからね」
先ほどまでとは打って変わって、甘やかな声でドアの向こうの小坂君に話しかけている。
「僕は一週間、近くの高級ホテルにでも行くよ。本当は、こんな狭くて不便な寮生活は向いていないんだ」
去り際にレオが俺にささやく。フランス保護局の護衛を三名連れて、悠々と去っていく姿を見送った。
室内に戻ると、小坂君は寝ていた。明るい日の光の差す部屋に、綺麗な人形のような小坂君。一枚の静止画のよう。そっと近づいて、艶髪を撫でる。ゆっくり休むと良いよ。
俺のベッドに寝かせる。
「うん。大丈夫。ちょっと話がしたかったんだ。レオが来ないうちに、早く話す」
青い顔のまま、自分の鳥を俺の鳥に託している。小坂君が俺の鳥を信頼している。その光景に見惚れた。喜びに心臓が鼓動を忘れそうだった。俺の机に二鳥が移動して語り合うような仕草。良かったね、心で語り掛ける。
「僕、おかしいんだ。これ、夏バテなんかじゃない。フランスに行ってから、変なんだ。だけど、レオや保護管理局の人は、疲れ、夏バテの一点張り。最近、レオの優しさが怖い。藤原君は、何か知っている?」
縋るような黒い瞳。俺は、この瞳に嘘をつきたくない。
「知らないで不安にいることと、真実を知って苦しむことと、どちらがいいと思う?」
小坂君に問う。俺の知っていることを伝えることは、負担になるかもしれない。
「教えて欲しい」
凛とした一言。望むなら話そう。そして守って行こう。
「俺の知っている事だけだよ」
黒い髪をゆっくり撫でた。伝えることに、心が痛む。
「絶滅危惧最高位の分身鳥を持つ者は、男性でも妊娠が出来るように、両性で生まれることが多いらしい」
俺を見ていた黒い瞳が、驚きを表す。
「男性なら身体の中に、小さな男子宮と言われる器官をもっている。妊娠を望まなければ男子宮は目覚めないまま、男性として生涯を終える。絶滅危惧種を保護したければ、男子宮と言われる器官を刺激して、両性として覚醒させるらしい。ただ、男性から妊娠できる両性に急激に変化させるから、ホルモンバランスの乱れで体調を崩すらしいんだ。かなり身体負担がかかるから、日本やアメリカでは成人後に意思確認をして行われる決まりがある」
驚きに染まっている瞳。
「え? なに? 両性? し、子宮? 男でも、妊娠? 僕が……?」
つぶやくように、声がこぼれている。
「混乱すると思うけど、落ち着いて聞いて。両性にするために、同性との性交で男子宮を刺激する必要がある。フランスで、その、性行為とか、覚えがないかな?」
「ええ? 性交? 僕が? 全然、してないよ! け、経験したこと、ないよ」
顔を赤らめて小さな声。ポロリと涙が流れている。混乱しているのだろう。そっと、黒髪の頭を撫でる。苦しいよね。
「意識があるときとは限らない」
はっとしたように、小坂君が俺を見る。
「フランスで、毎日、いつの間にか寝入っていたんだ。気が付くと着替えもレオがしてくれていて……。まさか、そんな……、そんな……」
溢れる涙をタオルで拭う。そのままタオルを渡すと顔を覆って泣き出す。机の上ではオウギワシがオレンジの小鳥を羽で抱き込んでいる。
「僕は、どうなるの? 両性って、どうなるの?」
うつむいたまま、顔を上げない小坂君。不安に揺れる声に、胸が苦しくなる。今伝えないと、小坂君は知る機会がないだろう。
「男性の男子宮は直腸の奥にある。後ろを使って同性との性交をすると妊娠する可能性がある。両性ホルモンが安定するまで数か月から数年かかるらしい。その間は、体調を崩す。体調が悪い間に性交すると、妊娠しにくい身体になる。慰めにならないけど、今はレオが無茶をしてくることは無いと思う」
下を向いたままの小坂君。こんな時だけど、俺はどうしても言わなければいけないことがある。
「それから、小坂君の鳥のこと。怪我の事、ごめん。俺の鳥が、愛の衝動が抑えられなくて大変な事をした。本当にごめん。転校した日、小坂君を見て俺の番だとはっきり分かった。番への愛の衝動がこんなに大きいとは思っていなくて。これまでは、どんな感情もうまくコントロールできて、衝動行為をしない自信があった。俺の鳥は、衝動行為は一度もしたことが無かった」
無言で聞いている小坂君に、ゆっくり話しかける。
「俺と俺の鳥は、一生をかけて償う。番として結ばれなくてもいい。小坂君を生涯支えていく。どうか、傍にいることを許してほしい」
黒い瞳が、俺を見る。
「結ばれなくても、いいの?」
「いい。傍にいて、俺が尽くすだけでいい」
「うん。それなら、大丈夫」
ほっとした顔。今は性的な事が怖いのだろう。
「大丈夫だよ。俺は今後一切、小坂君に苦痛は与えない。俺の鳥と誓い合っている。小坂君にも同じことを誓う。性的なことが嫌ならしない」
「僕、もう何を信じていいか分からない……」
小坂君が下を見てつぶやく。そうだろう。俺と会ってから、怒涛のような出来事の連続。
「俺のせいでもある。ごめん」
ひとつ溜息をついて外を見る小坂君。その横顔の美しさに心がドキリと震えた。
ピンコロン、と独特の機械音がした。俺の部屋のチャイム。コンコンとドアを叩く音。
「失礼。リョウが来ているかな?」
レオの声がする。ビクリと顔を上げた小坂君が、俺を見る。
「大丈夫だよ。小坂君はどうしたい? 自分の部屋に行く?」
「今、戻りたくない。部屋にはレオがいつも入ってくる。今は、ちょっと怖い」
「わかった。待っていて」
小坂君を部屋に残し廊下に出る。
廊下でレオと向き合う。
「リョウを返すんだ」
怖い顔で俺を睨んでいる。
「小坂君が自分で決めるのを待つべきだ」
「無理やり番の鳴声をあげさせた奴が言うなよ」
「それは、今関係ない」
「関係あるさ。リョウが追いつめられているのはお前のせいだろう? 責任逃れするなよ。偉そうに僕だけを悪者扱いするな」
だめだ。挑発に怒りがこみあげてくる。レオは俺を蹴落とそうと敵意を持っている。ならば、それに乗ってはいけない。レオの一歩上をいかなければ、小坂君は守れない。深呼吸して、気持ちを落ち着ける。肩の鳥が、ぐっと俺の肩を掴む。
「俺がしたことは、本当に申し訳なかったと思っています。小坂君が、落ち着いて過ごせるように、少し時間をください」
プライドの高そうなレオに、低姿勢で話す。本当はこんなことしたくもないけれど。
「へぇ。作戦変更か?」
俺は黙って頭を下げ続ける。
「ま、いいだろう。両性ホルモンの安定まではまだ時間がある。僕も慣れない日本で疲れてきていたから、一休みとしよう。いいか、リョウに手を出すな。それが守れなければリョウは縛り上げてでもフランスに連れていく」
「誓って性的な事はしない」
「いいだろう」
俺を正面から見ているレオは、満足そうな顔。
大型猛禽類が自分に頭を下げる現実がレオのプライドを満たしたのだろう。小坂君のためなら、レオを優位に立たせるくらい何てことない。
「リョウ、休んでいるかな? 気持ちが落ち着いたらゆっくり話そう。僕はいつでも君の味方だよ。待っているからね」
先ほどまでとは打って変わって、甘やかな声でドアの向こうの小坂君に話しかけている。
「僕は一週間、近くの高級ホテルにでも行くよ。本当は、こんな狭くて不便な寮生活は向いていないんだ」
去り際にレオが俺にささやく。フランス保護局の護衛を三名連れて、悠々と去っていく姿を見送った。
室内に戻ると、小坂君は寝ていた。明るい日の光の差す部屋に、綺麗な人形のような小坂君。一枚の静止画のよう。そっと近づいて、艶髪を撫でる。ゆっくり休むと良いよ。
32
あなたにおすすめの小説
鳥籠の中の幸福
岩永みやび
BL
フィリは森の中で静かに暮らしていた。
戦争の最中である。外は危険で死がたくさん溢れている。十八歳になるフィリにそう教えてくれたのは、戦争孤児であったフィリを拾ってここまで育ててくれたジェイクであった。
騎士として戦場に赴くジェイクは、いつ死んでもおかしくはない。
平和とは程遠い世の中において、フィリの暮らす森だけは平穏だった。贅沢はできないが、フィリは日々の暮らしに満足していた。のんびり過ごして、たまに訪れるジェイクとの時間を楽しむ。
しかしそんなある日、ジェイクがフィリの前に両膝をついた。
「私は、この命をもってさえ償いきれないほどの罪を犯してしまった」
ジェイクによるこの告白を機に、フィリの人生は一変する。
※全体的に暗い感じのお話です。無理と思ったら引き返してください。明るいハッピーエンドにはなりません。攻めの受けに対する愛がかなり歪んでいます。
年の差。攻め40歳×受け18歳。
不定期更新
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
僕と教授の秘密の遊び (終)
325号室の住人
BL
10年前、魔法学園の卒業式でやらかした元第二王子は、父親の魔法で二度と女遊びができない身体にされてしまった。
学生達が校内にいる時間帯には加齢魔法で老人姿の教授に、終業時間から翌朝の始業時間までは本来の容姿で居られるけれど陰茎は短く子種は出せない。
そんな教授の元に通うのは、教授がそんな魔法を掛けられる原因となった《過去のやらかし》である…
婚約破棄→王位継承権剥奪→新しい婚約発表と破局→王立学園(共学)に勤めて生徒の保護者である未亡人と致したのがバレて子種の出せない体にされる→美人局に引っかかって破産→加齢魔法で生徒を相手にしている時間帯のみ老人になり、貴族向けの魔法学院(全寮制男子校)に教授として勤める←今ここ を、全て見てきたと豪語する男爵子息。
卒業後も彼は自分が仕える伯爵家子息に付き添っては教授の元を訪れていた。
そんな彼と教授とのとある午後の話。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
りんご成金のご令息
けい
BL
ノアには前世の記憶はあったがあまり役には立っていなかった。そもそもあまりにもあいまい過ぎた。魔力も身体能力も平凡で何か才能があるわけでもない。幸いにも裕福な商家の末っ子に生まれた彼は、真面目に学んで身を立てようとコツコツと勉強する。おかげで王都の学園で教育を受けられるようになったが、在学中に両親と兄が死に、店も乗っ取られ、残された姉と彼女の息子を育てるために学園を出て冒険者として生きていくことになる。
それから二年がたち、冒険者としていろいろあった後、ノアは学園の寮で同室だった同級生、ロイと再会する。彼が手を貸してくれたおかげで、生活に余裕が出て、目標に向けて頑張る時間もとれて、このまま姉と甥っ子と静かに暮らしていければいいと思っていたところ、姉が再婚して家を出て、ノアは一人になってしまう。新しい住処を探そうとするノアに、ロイは同居を持ち掛ける。ロイ×ノア。ふんわりした異世界転生もの。
他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる