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番外編「二人のクリスマス」
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翌日から凛太朗の夜のお菓子作りが始まった。スポンジケーキを焼くにはハードルが高いと思い、まずクッキーを焼いてみた。分量通りにやれば意外と美味しくできると感激した。
焼きたてのホカホカクッキーの美味しさを初めて知った。
(酒井に今すぐ食べさせたい!)
そんな思いに駆られた。
翌日に冷えたクッキーを食べて、そのカリッと感に感動した。これなら、手作りのお菓子は絶対に感動すると思えた。
女子がなぜ手作りお菓子を好きな人にプレゼントするのか分かった気がした。これは効果抜群だろうと凛太朗は思った。
「凛太朗、眠そう。大丈夫?」
酒井の声に凛太朗はハッと覚醒した。
「あ、ごめん。半分寝てた」
酒井と二人で勉強をしていたが、最近は夜間にお菓子作りをしているせいで昼間の時間にウトウトしてしまう。キッチンにばかりいるなぁと思いながら伸びをした。
「なんか、最近どうかしたのか? ちょっと体調悪そう」
心配した酒井が凛太朗に身体を近づける。何をするのか知っている凛太朗は机に肘をついてそれを待った。
酒井がそっと凛太朗の前髪を分ける。酒井の顔が近づく。
「ん。熱はないね」
凛太朗の額に酒井の額がくっついている。
そのままで酒井がしゃべるから、息が凛太朗の唇に触れる。柔らかいキスでもされている気分になり、恥ずかしさに凛太朗は目線を逸らした。
「りーんたろ」
熱をはらんだ声がして、きっとそうだろうと期待が走る。
「んっ」
唇に温かさを感じて、つい声がもれてしまった。すると、酒井が嬉しそうにフフっと笑う。
触れるだけのキスをしながら笑うから、酒井の呼吸をリアルに感じて、凛太朗の心臓がバクバクと速くなる。そんな凛太朗にお構いなしといった様子で酒井の唇が優しく離れる。
きっと真っ赤になっている自分の顔を嬉しそうに眺められると、照れくさい気持ちが強くなる。
「夜とか眠れてない?」
心配そうな声に凛太朗はドキッとする。夜にお菓子作りをしていることはバレたくない。
「ゲームとか?」
「うん。ま、そんなとこ」
「そんなとこって、なんか隠してるな」
「いいから! ほら、課題すすめよ」
酒井は少し考える素振りを見せてパタンと課題を閉じた。
「酒井?」
「今日は課題はもう終わり」
「は?」
酒井は立ち上がってリビングダイニング隣にある和室に移動した。
何をするのかと見ていると、枕と毛布を出しはじめた。それを見て凛太朗はピンときた。
「おい、酒井。昼寝はいいって。つーーか、人んちで寝ないから!」
「いいや。俺が寝かしつける」
「はぁぁ?」
驚きに大きな声が出てしまった。
酒井は耳まで真っ赤になりながら、小さな声で「てか、やりたいし」と呟いた。
大きな身体で毛布と枕を手に持ち、恥ずかしそうにプルプルする姿を見れば、クスッとした笑いが込み上げる。凛太朗の胸がホワッと温かくなり、(酒井の言う通りにしてやるか)と思った。
凛太朗は課題を閉じて、酒井のもとに歩み寄った。酒井が嬉しそうにニカッと笑う。
「で、どうすんの?」
「俺が、こっちで、凛太朗がこっち」
枕が仲良く並ぶ片側を指定された。
「畳にゴロ寝か。いいね」
指示された側に寝転がり、酒井を見上げた。酒井はすぐに毛布をふわりと掛けてくれた。
なんだか幼い頃に戻ったようでフフっと笑った。酒井はものすごくご機嫌だ。すぐに酒井も凛太朗の隣にゴロ寝してくる。寝転がりながら目線を合わせて「フハハ」と笑い合った。
「はい、凛太朗君、ねんねですよぉ」
酒井が凛太朗の毛布をトントンし始める。
「ブッハ。まるっきり幼稚園の昼寝タイムじゃねぇか。ウケる!」
「いいんだ。幸せな昼寝だ。小さい頃に、こうして寝かしつけてもらったんだ。ちょっと凛太朗にしたくなったというか」
真横にある酒井の顔を見た。優しい顔だ。きっと酒井は亡くなった母との大切な思い出が頭に浮かんでいるのだろう。その幸せの思い出を凛太朗に味わわせてくれていると思うと嬉しくなった。
「へへへ。酒井、サンキュ」
「うん。ほら、目閉じて」
言われるままに目を閉じた。酒井の優しいトントンリズムで頭がホワホワした。寝るフリだけと思っていたのに、凛太朗は気持ちよく眠ってしまった。
焼きたてのホカホカクッキーの美味しさを初めて知った。
(酒井に今すぐ食べさせたい!)
そんな思いに駆られた。
翌日に冷えたクッキーを食べて、そのカリッと感に感動した。これなら、手作りのお菓子は絶対に感動すると思えた。
女子がなぜ手作りお菓子を好きな人にプレゼントするのか分かった気がした。これは効果抜群だろうと凛太朗は思った。
「凛太朗、眠そう。大丈夫?」
酒井の声に凛太朗はハッと覚醒した。
「あ、ごめん。半分寝てた」
酒井と二人で勉強をしていたが、最近は夜間にお菓子作りをしているせいで昼間の時間にウトウトしてしまう。キッチンにばかりいるなぁと思いながら伸びをした。
「なんか、最近どうかしたのか? ちょっと体調悪そう」
心配した酒井が凛太朗に身体を近づける。何をするのか知っている凛太朗は机に肘をついてそれを待った。
酒井がそっと凛太朗の前髪を分ける。酒井の顔が近づく。
「ん。熱はないね」
凛太朗の額に酒井の額がくっついている。
そのままで酒井がしゃべるから、息が凛太朗の唇に触れる。柔らかいキスでもされている気分になり、恥ずかしさに凛太朗は目線を逸らした。
「りーんたろ」
熱をはらんだ声がして、きっとそうだろうと期待が走る。
「んっ」
唇に温かさを感じて、つい声がもれてしまった。すると、酒井が嬉しそうにフフっと笑う。
触れるだけのキスをしながら笑うから、酒井の呼吸をリアルに感じて、凛太朗の心臓がバクバクと速くなる。そんな凛太朗にお構いなしといった様子で酒井の唇が優しく離れる。
きっと真っ赤になっている自分の顔を嬉しそうに眺められると、照れくさい気持ちが強くなる。
「夜とか眠れてない?」
心配そうな声に凛太朗はドキッとする。夜にお菓子作りをしていることはバレたくない。
「ゲームとか?」
「うん。ま、そんなとこ」
「そんなとこって、なんか隠してるな」
「いいから! ほら、課題すすめよ」
酒井は少し考える素振りを見せてパタンと課題を閉じた。
「酒井?」
「今日は課題はもう終わり」
「は?」
酒井は立ち上がってリビングダイニング隣にある和室に移動した。
何をするのかと見ていると、枕と毛布を出しはじめた。それを見て凛太朗はピンときた。
「おい、酒井。昼寝はいいって。つーーか、人んちで寝ないから!」
「いいや。俺が寝かしつける」
「はぁぁ?」
驚きに大きな声が出てしまった。
酒井は耳まで真っ赤になりながら、小さな声で「てか、やりたいし」と呟いた。
大きな身体で毛布と枕を手に持ち、恥ずかしそうにプルプルする姿を見れば、クスッとした笑いが込み上げる。凛太朗の胸がホワッと温かくなり、(酒井の言う通りにしてやるか)と思った。
凛太朗は課題を閉じて、酒井のもとに歩み寄った。酒井が嬉しそうにニカッと笑う。
「で、どうすんの?」
「俺が、こっちで、凛太朗がこっち」
枕が仲良く並ぶ片側を指定された。
「畳にゴロ寝か。いいね」
指示された側に寝転がり、酒井を見上げた。酒井はすぐに毛布をふわりと掛けてくれた。
なんだか幼い頃に戻ったようでフフっと笑った。酒井はものすごくご機嫌だ。すぐに酒井も凛太朗の隣にゴロ寝してくる。寝転がりながら目線を合わせて「フハハ」と笑い合った。
「はい、凛太朗君、ねんねですよぉ」
酒井が凛太朗の毛布をトントンし始める。
「ブッハ。まるっきり幼稚園の昼寝タイムじゃねぇか。ウケる!」
「いいんだ。幸せな昼寝だ。小さい頃に、こうして寝かしつけてもらったんだ。ちょっと凛太朗にしたくなったというか」
真横にある酒井の顔を見た。優しい顔だ。きっと酒井は亡くなった母との大切な思い出が頭に浮かんでいるのだろう。その幸せの思い出を凛太朗に味わわせてくれていると思うと嬉しくなった。
「へへへ。酒井、サンキュ」
「うん。ほら、目閉じて」
言われるままに目を閉じた。酒井の優しいトントンリズムで頭がホワホワした。寝るフリだけと思っていたのに、凛太朗は気持ちよく眠ってしまった。
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